情報の意外な収穫は<放課後>に残されている。放課後は学校生活でもそうだと思うが、1日でテンションが高い時間帯だ。朝11時が頭脳明晰とかいうが、それは仕事が片付く前の話。病院の診療でいったんカタがつくのが夕方の申し送り前。4~5時頃だ。
ところが5時くらいになると、秒針とともにゆっくり立ち上がり「じゃ・・・・お疲れでーすピッ(タイムカード)」と帰ってしまう。医局が空っぽになり、当直医が1人で無言でウロウロしだす。
自分はいつもではないが、この当直医を相手に数十分ダラダラと話す。常勤であったり、非常勤であったりもする。今日の診療であったことを、ひけらかしてみる。すると相手も話す。
よく考えれば、自分の話を1対1で聞いてもらうのはありがたい。家でワイフにといっても、女の受け止め方は違う。仕事内容はやはり同業者に。
なぜありがたいかというと、その日のわだかまりなど精神的な<よぎり>を吸い取ってくれるからだ。何も病院の仕事だけではないと思う。しかし、病院ではいろいろある。周囲の医原的な失態、患者家族の心ない対応、割の合わなさなど・・・これをそのまま家に持ち帰ると、話さずとも頭をよぎる。
この<よぎりの中和>が重要だと思う。よぎり続ける医師は、長年見てたらわかるがたいてい陰の方向に向かう。陰はやがて悲観・妄想を生み、無気力という形に昇華される。無気力は集中力を欠如させミスの温床となり、周囲より不要とみなされる。
<よぎり>を持って帰らない毎日が、理想的。
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