あげるふり

2012年9月1日 連載

 さきほど挙げたキーワードだが、こういったことは本では載せないし会話でもあまりない。なぜなら「ふり」というのは商業取引上非常に厄介で邪魔な存在だからだ。

 AがBに物を売りたいとき、AはBに対してまず不安定な心理にして間髪与えず契約を迫る。感情が肉薄してこそ、ほんの他人がリスク付きの行動に出る。

 逆にBがAを知るために翻弄するなら、まずBはAから<買うふり>を演じる必要がある。これは本気だと思わせる。Aに夢を見させる。Aにドーパミンを流させる。反面、不可解な行動でAの夢を倍に暗転させ・・・その不安定な状況で、どこまで聞き出せるか、有利な契約・結果に持っていけるか・・・。

 病院経営を例に出すと・・・経営を依頼される。いけそうなフリをしつつ、相手の本音を聞き出す。同情してやる。感情を引き出す。ドーパミン顔になる。こちらはあくまで「もし」で対応。夢を描かせるものの、不可解に突然否定しだす。相手、動揺する。そこでこちらの本当に聞きたいこと、契約に必要な条件を即答で尋ねる。果たして裸になった相手は、何を話すのか・・・?

 断ったあと、「ああ、なるほどな」と答え合わせ。こういった演習を繰り返す。結局誰にも魂売らない人生になろうとも、しょせん<頼んでくる他人>に対して迷惑ではない。






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