ゆとり ⑤

2013年6月17日 連載

 民間病院が大学人事ならそこは機械的ですが、中にはヌシみたいに沼に潜んでいる医師もいます。大学病院と関わらない医師の場合、その医師個人と病院との契約制になります。

 契約ですから年俸など給与体系も契約書によってなされ、契約書にないものはあくまで口約束になります。このい<口約束>に要注意です。なので、ときに契約書を振り返らないと予定外のことをさせられているケースもあります。

 契約と言えば聞こえはいいですが、あくまで1対1のもの。雇い側の主観によってそなたの評価が決まります。通常1年更新ですから、その時点での評価が低ければ、給与を下げたりあるいは更新をしない(事実上の解雇)こともできるわけです。

 では、どうやったらいい評価をされるだろう、と考えてしまいますね。それは自然です。しかしそれは病院・患者さんらへの貢献のみではありません。単刀直入にいうと、数字・評判・それ相応。この3つです。

① 数字: どれだけの点数を稼ぎ出しているか。点数の10倍が病院の売り上げですので、より点数の高い診療が望まれます。病棟での点数は外来よりはるかに高い。病棟でどれだけ患者数を持ち内容が濃いか。これが主に左右します。

② 評判: 患者さんの評判は当たり前として、上層部の評判です。末端の評判は上層に届いてもフィルターがかかりますから、大事なのは上層部。ゴマをする必要はありませんが、多忙さがもろ刃の剣となってないか、常に配慮する必要があります。

③ これはつまり、最初の契約時の内容・売り出し文句がきちんとその後に反映されているかどうか。中には口先だけのもいます。いや、むしろ多いかもしれません。人間の心理ですが、契約時はなるべくお得な内容を望むものです。しかしそんなのはすぐ見抜かれ、かえって契約更新時に<正当な>評価をされてしまいます。

 そうすると、ふだんの診療態度としては、1症例1症例を濃くあたり、逆KYである(周囲を気遣える)・・・<正直な働き者>であることが必要になります。


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