少年の心

2013年7月5日 連載

 僕が思うに、少年の心は童心とは思ってない。なぜならそんな心は大人になったら日常的でないし、それだけでは危ういからだ。いや、確かに情熱的な人もいる。採算度外視で芸術に身を捧げる者もいるが、大衆に向けるとなるとビジネスが必要になる。そこはもう、業者のシステムができているので負債を背負うことが条件になる。

 大人が持つべき少年の心はそんな利用されやすいものではなくて、いや好奇心でもなくて<従わない心>だと思われる。反抗期的な意味で、誰の追随もしないという頑固な心だ。しかし、どんなものかは新鮮に触れはする。魂に自分という引力があるかどうか。

 大人になると、大半の者にその引力が失われてしまう。これは、楽になるために自らを任せてしまうのが発端だと思われる。仕方なく、というのもあるだろうが、代償は存在する。診療でも病態の解明などに疲れてきて、実際どこかで手を打ってしまうことも多いだろう。だとしても、流れに従ってしまったらそれは妥協にすぎない。

 そうなると自分に自信が持てないと言われるが、自信があるからミスが起こるのだ。現に僕の周囲医師のトラブルは、みな自信に満ちていた結果引き起こされたものだ。なぜか・・・?自信に満ちると、(予想しうるはずの)全くの想定外が、全くの想定外(起こっても気づかない)になってしまうからだ。


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