ステロイド ①

2013年9月4日 連載
 ステロイドは何も特別なものでなく、人体からふつうに出ているものだ。これには<炎症を抑える><免疫を抑制する>力がある。前者は(毒やけがなどによる)体の損傷を修復、後者は体内の過剰な暴れを制御する。この<あばれ>というのは、体にとって不利益な体内の反応。膠原病や、重篤感染症での体内パニック状態(免疫過剰応答)だ。

 この免疫の過剰な応答は原因があるからこそ起こるわけだが、その原因そのものがあまりにも危機的なものだから、という背景がある。しかしいったん起こした過剰な応答は、自らの体をも害してしまう。そこを<まあまあ>と抑えにかかる。

 ステロイドが投与されないと、通常体内で出ているステロイドで頑張ることになる。というか、通常小さい病変なら体内のステロイドで十分OKなのだが、大きいものだとゆっくりしていられない。速く直さないと敵が増長する。なら、即効性を期待したい。ステロイドは以上の作用があるから物量的に投与すれば治癒は早まる。なので即効性がある、ということになる。まさしく<驚速>だ。

 人が生産しているステロイドの主役<コルチコイド>が治療でのステロイドに相当するわけだが、このコルチコイドの生産量が1日20mg。膠原病に使用されるのが40~60mgということを見ると、それだけの力が必要なんだな(自腹では無理)と感覚的に分かる。

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