60代の医師たち

2015年3月19日 連載
 自分はときどき考える。何歳までこの仕事ができるのだろうか?老後はいつからか?みんな、どうなの?

 日経メディカルなどのマージン大好き雑誌では、高齢開業キャンペーンを謳っている。医師をとことん搾り取る構図が目に浮かぶ。いろんな広告がハイエナのように集まってくる。エムスリーも最近はそんな様相だ。こんな軍勢が医師の未来を思いやっているとは到底考えられない。

 あまり仕事もしない医師が60代になったとき、経営側の評価が急に厳しくなることが多い。この年代だと企業と同様、給与面を一気に下げることができるからだ。世間的にも、60代で高給を維持することは難しい。なので生活水準を下げたくないなら、50代での評価がかなり重要となる。体力的にしんどくなっているから、診療のスタイル・要領を身に着けておく。変化のない、安定した人格だ。で、安定した患者層。辞められたら困る医者。

 このころの人間関係も大事だ。50代となると、実は孤立していることが多い。若い医局員との話題も距離があり、理由がなくとも敬遠されがち。長期勤めていれば、患者の好評判も追い風に。

 困るのは、経済的な困窮だ。30-40歳でデカい顔をしたり大盤振る舞いだと、長続きできない現実に気づくことになる。派手な医者は派手な未来を望むから、投資など夢見るがたいてい失敗する。それがセコい人格を育てる。気が付けば、100円ショップマニアになっている。

 しかし60代でも、その後半はより厳しくなる。非公式に継続勤務はできても、老後ということを考えるのなら、いやそれよりも周囲のやりやすさ・やりにくさを考えればここで引退を考えるべきだろう。
 

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