未来予想図 ?

2007年6月20日
「ここを出る前に、あの血栓を狙い撃つ!」
『モクヒョウ、トラエマシタ』
「発射ァ!(←沖田艦長風)」

血栓溶解剤が発射されるが、動脈血の流速には勝てず、それていく。

「計算し直せ。くれぐれも弁には当てるな!」
『フセイミャク、アルタメ、キケン』
「電気ショックで治す・・いやいや」
気を取り直す。

血栓はとうとう左心房の壁から離れ、左心房の中で浮遊し始めた。

「け、血栓が・・ピンボールのようにあちこちと!うわあ!」
ピンボール様に、血栓が左心房内の壁を行き当たりバッタリ。
「ここ、これが左心室に入ったら、そのまま脳天を直撃だ!」

左心室の下方から見上げるが待っててもしょうがない。

『ケイサンデハ、アトイップンデ、サシンボウカラ、デマス』

「エンジン逆噴射!心臓の出口、大動脈弁直下まで先回りする!」
流速に耐えながら壁を這うように辿り着く。

「こうなったら、血栓と一体化してもろとも体外に出すしかない」
モニター画面で計算。到達時間を測定。胸にパッド。
「体外ペーシングを利用して、逆流を作り出す!」

赤信号が鳴る。

『ケッセン、サシンボウヨリ、サシンシツニ、シンニュウ』
「来たぞ!」

血栓が下から飛んできた。
「今だ!ペーシング開始!」
ペーシングのボタンを弾きすぎ、思わず気を失いかける。カプセルは壁から離れた。
「ぐぐ!逆流はしたか・・・?」

カプセルが前もって認識した血栓表面に、なんとか結合。
速度をゆっくりに調節しつつ、大動脈へ。

<ボン先生>
「Qの声か?」
<ほう。もうそろそろ終わりかと思ってましたが>
「お願いだ。最後の望みを」
<どうぞ>
「トイレに行かせてくれ。シッコがしたい」
<なんですと?>
「代わりに、隠した金を受け取ってくれ。場所は・・」
<なら早くくれ!>
「外にいるんだろ。そこの道路のマンホールを開けてくれ」
<ありがとう。ボン先生。お金まで>

閉じられた壁のうち、右側の1つだけが上にスライドした。

画面に食い入り、左側に見える穴をいくつかかわす。そして・・

「よし!この穴だ!」
ハンドルをきり、穴に突入。

確保した肘のA(動脈)ラインの横、50cc注射器を接続。透視台の上へ飛び乗り、カプセル位置を見定める。

「来た来たこっち来た・・!うらあ!」
注射器を引く。
「うらあ!うらあ!はあはああと30セカンズ!」

透視画面では、カプセルは映ってない。転がった注射器を数本持ってトイレに駆け込み、
便器を開け、レバーを持って一言。

「受け取れ!」(←シュワの吹き替え?)

ズドドドド・・・と勢いよく流れる水。

マンホールを開けるQ。
「アッ・オー」
(爆発)

命からがら、やがて窓からのぞくボン先生。

「ジェームズ・ボン先生!ウィル・リターン!」
道路に向かって立ちションの構え。そして・・・

「うがあ!スレッガーさん!いてえ!いてえよ!」
思わず飛び上がり、2階から落ちる。

・・・尿路結石は、小さいものほど痛いらしい。

「落ちるかよ!」
大きなふろしきがパッと開き、四隅を手足指先でつかまえる。

爆風のおかげで、フワ〜、と大空に浮く。
「ござ〜るござるよボンボン先生はぁ〜!愉快なメタボ!患者でござる〜!(カメラ目線→)患者でござる!ああサム寒!」

 軍に目をつけられたボン先生は、翌年軍医として・・・イージス艦にて北の地へと旅立った。

「サー!イエッサー!(坊主頭)」



(おわり)
 
 シェイク!シェイク!ブギーなむなさわぎ〜!ちょベリベリサンキュ〜ヒッピハッピシェイ〜ク!

 <しらけ世代>が増えてきて、こういうノリも減ってきた。

 それでも今はビヤガーデンの話が出てきたり、お中元も贈ったり貰ったり何かと金がかかる時期だ!

 夕方仕事を終えて、ひとり部屋に戻って愕然とし、腰を抜かしてうずくまるボン先生。

 死のメッセージでも届いたか?

「ふえ〜ん。朝からクーラー、つけっ放しだったなんて・・・」

 独身の皆さんも、気をつけて。

「あしたから晴れる〜や〜!」

 当面、晴れはないようです(天気予報より)。

「薬剤性肺障害」

2007年6月20日
 
 今月届いた内科学会雑誌。正直、内容的にパッとしないものが多くなったような気がする。理想と理屈が未だに一人歩きしているというか・・・。今年のキーワードは自分的には早くも<温度差>である。

 もうちょっと、現在のニーズに合わせたものにしてほしい。

 例)「僕にもできる小外科テク〜外科医からの願い〜」「保険適応内の処方術」「反省座談会〜あのとき私は言いすぎた〜」「慢性期の管理〜現場の声〜」「サラリーマン特集〜3割負担を守る〜」「年末特集:今年の医療事件を振り返る〜その教訓〜」

 でも今後はこういう雑誌の記事も、時々拾ってみよう。

○ サプリメント

≪ 2005年のアンケートでは成人男女の6割がサプリメント・健康食品を利用していて1ヵ月平均4700円も出費している。

 2001年には厚生労働省により「特定保健用食品」「栄養機能食品」の2つが定義・・これらは科学的根拠が保証されている。しかしそれ以外の「健康補助食品」「栄養強化食品」は根拠がないまま販売されている。 ≫

 とある。根拠がないものには、肺障害や肝障害などの副作用はあってもおかしくなく、「飲んでも大丈夫でしょうか」と言われても医師側は(副作用の)予測などできない。そういう知識を勉強する機会など全くない。素人同様といっていい。

 ましてや売る側は買わせることと自分の利益で必至だから、何か起こったら?なんて知ったことではない。当然、薬を褒めちぎることこの上ない。

 口達者で褒め言葉が上手な副業持ち人間には、特に気をつけよう。

 西洋医学では、特に以下の薬剤で肺障害が起こりうる(雑誌参照)。医師で最低でもこのうち4つが浮かばなければ・・情けない。

○ アミオダロン(抗不整脈剤の1つ)
 ・・ 重症の不整脈に用いる。副作用は多彩だが肺障害が最も重要。急性発症は多くないが間質性肺炎を中心にいろんな肺病変がおこりうる。

○ 抗リウマチ薬
 ・・ メトトレキサート、ブシラミンなど。整形の医師は肺疾患は通常素人なので、内科の同時受診は必須である。

○ イレッサ
 ・・ 肺癌治療薬の1つで、間質性肺炎の死亡例多発で話題になった。最近は投与適応の基準がより慎重になっている。最近メディアでは下火に見えるが、これを取り巻く話題は後をたたない(ヤフーで<イレッサ>を入力し、ニュースのカテゴリ参照)。

○ 小柴胡湯
 ・・ 漢方だから副作用がないという認識が、これによる間質性肺炎の発症で覆された。急性に発症するが早期発見(息切れが重要!)できれば致死的ではないとされている。

○ その他抗がん剤・抗菌薬

 

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