ティーガーとの一騎打ち。これに尽きる。関連ないけどディーガ、といえばパナソニック、といえばやはりライバル、ソニーからのリリースか。

 こういう軍事ものが出ると必ずミニ軍事アドバイザー、みたいなのがレビューに登場する。だがこういった人口は割と多く、医師でもかなり多くいる。理系だからか時代考証やメカには詳細さを要求するくせがあり、つまり正しいか創作かという視点もシビアだ。

 ありえないような徹底抗戦ではあるが、映画に重要なのはカタルシスだ。観る者の人生すら揺さぶりそうな、そんな経験をもたらすか。そもそも観る側にそんなポテンシャルやレセプターがあるか。あると思える自分は幸せ者だ。

 本でもなんでも。数分、数時間の経験の前に思う。このあと、自分をどう変えてくれるのか。自分は変わるのか。そういう意味で、自分はある意味宇宙みたいなものだ。

 果たして自分はFURYで変わったか?いやいや、ブラピからは学んだ。いい歳の取り方をしたい!本当の忍耐だ!

悪い例

2015年3月19日 連載
 経営者(病院長や社長など)と仲の良い医師。経営者はコネがあるから、おいしい話をいうものを持っている。株式投資や病院の買い取りなどの話だ。

 こういう人種とは決して仲良くなるな。そもそも、どうして<おいしい話>を君だけに話すのか?そいつが独占しないのはなぜか?他人がなぜ?

 そんな疑問を呈しても、彼らはその話にとびついていく。いや最初はビギナーズラックみたいに花火が何本も打ち上げられる。小銭話が馬鹿らしくなる。すると何人も崇拝者が現れる。ひとつのグループができ、医師はそのリーダーの地位に立たされる。

 医師は支払い能力が高く、それ自体が担保みたいなものだ。なので経営者は集団は、その担保を利用して利ザヤで儲けようとする。そもそも困っている彼らは、他人を思いやる余裕などない。ただし笑顔でも、なんでもする。とにかく医師の実印。それが重要なんだ。

 で、みな50代くらいでやっと気づく。気づいたら貯蓄は投信や株など、よく考えると手持ち現金はすべて<出撃>しており、家や車は数年で回転。自分のもののようで、実はそうでない。他人が自分の責任のもとで遊んでいる。

 いやほんとにそんな50代が多いんだ。困ったことにここまでくるともはや反省などない。むしろそれを否定する流れに攻撃的になる。しかし年齢的なリミットが近づき自暴自棄になる。診療には当然、身が入らない。患者がきちんとついてない。こういった医者に限って20-30代、わりと豪腕だったりするから驚きだ。

 いや、彼らはある意味一貫していた。常に輝きを求め放っていたという点では。

誰を信じるか

2015年3月19日 連載

 ・・ということは、ホントに大事だ。学生・研修医の時は診療やオペの上手い医者を神格化したりして、宗教的な盲目さでもって崇める。いやそれは当然のことだし、それはそのときだしそれでいいと思う。

 ただ、民間病院とか行きだすと<経営>や<家計>に支配されるようになる。いやいや、それがむしろ重要になる。患者を2の次にしろというのではない。

 しかし学生の時から競争してきた性からか、何かを指標にしたい。成績をつけてくれる指標が。それは企業もまあそうか。指標は具体的には理事・院長・指導医などのリーダーだ。間違ったリーダーについてしまうと、そいつの人生も間違う。それも気づかない形でだ。しかも、間違いだと認めさえもしない。これが、多くの医師がたどる一生だ。

 間違ったリーダー・・?とは診療面でなく、その安易な生き方だ。安易な生き方とはつまり反省のない生き方だ。どんどん前進するのが美徳という医師が多いが、そんな奴に限って死体をどんどん築いている。カッコなんてつけるはずがない。恥を知る者なら、安易には生きてはいない。常に我に返る。そんな姿勢を君らが果たして感じ取れるかどうか、だ。

60代の医師たち

2015年3月19日 連載
 自分はときどき考える。何歳までこの仕事ができるのだろうか?老後はいつからか?みんな、どうなの?

 日経メディカルなどのマージン大好き雑誌では、高齢開業キャンペーンを謳っている。医師をとことん搾り取る構図が目に浮かぶ。いろんな広告がハイエナのように集まってくる。エムスリーも最近はそんな様相だ。こんな軍勢が医師の未来を思いやっているとは到底考えられない。

 あまり仕事もしない医師が60代になったとき、経営側の評価が急に厳しくなることが多い。この年代だと企業と同様、給与面を一気に下げることができるからだ。世間的にも、60代で高給を維持することは難しい。なので生活水準を下げたくないなら、50代での評価がかなり重要となる。体力的にしんどくなっているから、診療のスタイル・要領を身に着けておく。変化のない、安定した人格だ。で、安定した患者層。辞められたら困る医者。

 このころの人間関係も大事だ。50代となると、実は孤立していることが多い。若い医局員との話題も距離があり、理由がなくとも敬遠されがち。長期勤めていれば、患者の好評判も追い風に。

 困るのは、経済的な困窮だ。30-40歳でデカい顔をしたり大盤振る舞いだと、長続きできない現実に気づくことになる。派手な医者は派手な未来を望むから、投資など夢見るがたいてい失敗する。それがセコい人格を育てる。気が付けば、100円ショップマニアになっている。

 しかし60代でも、その後半はより厳しくなる。非公式に継続勤務はできても、老後ということを考えるのなら、いやそれよりも周囲のやりやすさ・やりにくさを考えればここで引退を考えるべきだろう。
 

 スタローン学を病院勤務に生かせたら。

 詰所で申し送り。
「スタローン院長。院内感染で重症患者が多数」
「他の医者は?」
「あまり処置をしてくれません」
「むぅ・・」

 医局。

「へ~い!先生ら~!お~う!」無理やりハイタッチ。
みな円卓を囲む。攻撃的な医師がスタローン院長をにらむ。

「俺たちは、給与分しか働かねえ」
「ほう?」
「なあ。ジムもサリーもそうだろう?」「ああ」「ええ」
「むう」
「責任者はアンタだろ。アンタがケツ吹きなよ」

 キエエエッへへ!と下品な嘲笑。

 睨むスタローン院長。
「今から3つ数える。それまでに詰所へ向かえ」
「ヤダね。うわっはは!」
「アインツバイドライ!オワアア!」いきなり首をつかむ。

「今は病棟は満床だ。お前が病人になっても入る余地はない。なら俺が紹介してやる。地獄へな」

 いかん。これじゃ暴力医師だ。

 ハリウッド映画がVHSなどの媒体としてパッケージ化される頃、その商品足りうる作品を連発してきたのがスタローンだ。分かりやすく、短時間で善悪明快。洋画劇場も手伝って、ある意味日本の国民的ヒーローだ。

 こうやって映画というものが生活に根差していたから、それ以外の作品はどうしても派手さや難解さで勝負せざるをえなくなる。派手さはCG、難解さは長編シリーズ化など工夫が凝らされるものの、やはり<基本>を超えることはできない。

 エクスペンダブルズもシリーズを追うごとに、ジェイソン・ステイサムのハゲが、いや影が薄くなっていく。それがまたスタローンの安定さを際立たせる。

マイナンバー

2015年3月13日 連載
 上戸彩がCM?ってことは・・・韓国がらみか。しかしあそこはアメリカ様様だから・・だから戦略的にアイドルを利用しているのか。やはり最終目的はゆうちょか。

 制度の可能性は未知数。まずは税金の延滞や隠し財産が明らかになるだろう。そこからは徐々にハードルを落としていって、税金をかけたりするんだろうな。おとなしいNHKも、ここを狙っているんじゃないかな。まさか下品な言葉のたびに、ブーとかいう機械をおかないだろうな。

 肝心の個人情報が心配だ。漏えいしたとしても、責任の所在はあってないようなもの。犯罪撲滅に役立てれれば、国民の支持も得られるだろう。

 病院の患者データもアクセス可能になるのだろうか。ただし高額医療、生活保護などのデータとリンクして、不正受給している者はなんとかしてもらいたい。

 携帯電話とリンクした医師マップは作成されないか。近くにどんな医師がいるか。非常事態に備えて。身近な病気のワンコイン診療なら、請け負ってもいい。ただし前金で。無医村では大変なことになりそうだ。

「衛生兵は、いりませぬか~?」「なんでも医師、環状線電車で常駐してます」
「USJで遊んでます」「カジノ化大阪、賭け事中の家族介護。大歓迎」

と、逆に商売してどうする?

 特殊なスコープをかけるとアイパッドに・・・おお、医師がいるいる!キャバクラに!ゴルフ場に!さてはハリソンフォード、知ってて墜ちたのか。

 ゲラウェイフロン、マイプレエエン!バキ!ボキ!

 さあ何の映画でしょう?

 宇宙戦艦ヤマトのサントラがALMANACシリーズで出た、と思ったら今度はハイレゾか・・・。これじゃキリがない。尾崎豊もブルースペックが出てそれで・・・。無形の物に、そんなに出費したくない。ハイパーインフレで現物主義になったらぶつぶつ・・・そんなこと喋りだしたら危険!

 名盤「17歳の地図」は今でも時々聴く。リリースは1983年。この時代の流行歌ランキングhttp://nendai-ryuukou.com/1980/song/1983.htmlを見ても、いかにこのアルバムが時流に流されてなかったか、が分かる。

 確かに今は新規薬剤だ、電子カルテだ、デバイスだ!とは言っても!そんなものに流されるな!医師と患者はあくまで1対1!

 投資家医師向け↓

♪ ぼく~がぼく~であるために、借り~つづけなきゃ、ならない・・・らく~な老後が何なのか、それ~をこの目で見届ける、ま~で、僕は、酒に飲まれて、少し、増築、副業しながら~、この北の新地で~歌い、続けてる~

 嬢とキャバクラでな!(ちょっと言い過ぎました)

♪ さんぜんまん~の負債くらい大目にみろよ~
 不渡り出して闇金行っても許してあ~げない

 パヤッパパヤッパパッパ~・・(略)テ~レ、レ~・・・


ドラッグ野郎

2015年3月13日 映画
 大御所が亡くなるたび、往年の名作がリリースされたりするなんとも皮肉。だが、特にリマスターされたものは当時の興奮、いやもしかしたら今の新作を凌ぐほどの強烈な印象をもたらす。

 特にビデオもなかった当時のムービーは映画館での1本勝負だから、画面に入れ込む絵が半端でない。特にスコープで作られたものはそれだけで劇画的。

 トラック野郎などのかつての元気ムービーに散見されるのは、その<気前の良さ>。ドライブインでの大騒ぎは損得など無視した、好景気そのもの。ハイウェイの下の若者らにこそ貧困があり、彼らがチャンスを与え、運ぶ。それを具体的な現物である、トラックがもたらす。しかもブンタがポケットから鷲づかみに差し出す紙幣。現金。

 若者がそこで言葉をもよおす。
「えっ?こんなに?」
「いいんだ。とっとけ!」
「あ・・ああ。ありがとう!」
「じゃな」

 そんなところに、かつての自分が重なる。

親に対して
「えっ?こんなに?」
「ほう多いんか?じゃ・・」
「ああっ待って!いるいるいる!」
「金もらときだけ、うれしそうやの!」

5分後。自転車を走らせながら。
「っしゃ!あの台!絶対出したる!誰も座ってんなよ!」

 セロトニンやドーパミンに支配されていたかつての私は、まるで<ドラッグ野郎>。

市場と治療

2015年3月13日 連載

 株式市場やギャンブルなど、とあるヒラメキに慣らされた医者どもは、医療上での治療で反映されるふしもあるそんな印象を受ける。

 いや、割と重労働はしてくれる。いろんな症例を見るので段取りがうまく、決断も速い。地団駄踏むことも少ない。

 ところが地道なところが残念なことが多い。せっかく薬剤選択は正しいのに輸液が多すぎたり、副作用や配合を無視したり、あるいは治療の変更、見切りが速すぎる。その読み方は、まるで市場の動向への反応のようだ。

 治療がコロコロ変わるから病状の評価はあくまでもリアルタイムなもので、悪化したら(まず治療の副作用を疑わず)病状の進展と考え新しい治療を上乗せする。

 危険なのは、こうなるともう治療した本人しか分からなくなり、誰にも評価しがたいものとなる。ただ、「何となく一生懸命はやっている感」だけが残る。保険点数は結果的に上がるから、たいていの無能な経営者は「よくやってる」と解釈してしまう。

 株をやっている医者はダメだ、という話ではない。そういう治療の考え方の背景が、市場での素人思考とすごく似ていると感じたのだ。




縁起

2015年3月13日 連載
 どこの医局でも、日経平均の話題は起訴中の基礎話題。好景気の折りに、部下から上司に「今日も上がってますね」との投げかけは重要で好印象。それは会話の潤滑油・・・ただし下がっている時の干渉は絶対禁忌。

 そこは受験生と同様。「あ、本が落ちた」とか縁起の悪いことを言ってはならない。そう、この縁起というものこそ、未だにアラフォー以上が大事にしているものなのだ。彼らはわりと良い時流を経験している。最近はそんな大波がやってこない。ボードの上でチャプンチャプン待ってる状態だ。

 株取引などのビッグバジェットを動かす場合、それはもうコントロールできない、とてつもない力なのだ。昔のアニメの巨大な貨幣のように、踏み潰す力がどこへ向かうかももはや分からない。その方向は運に任せられるところが大きい。残るは祈る気持ちだ。宗教に近いと言っていい。

 そんな日々だから、縁起というものを無視できない。手首に数珠があるとかネックレスとか、貴金属が増えだして日経新聞、医局に誰か入ると同時にマウスのクリック音(画面を素早く切り替え、ガン見)なら、もはや崖っぷち症状だ。

 夕方の株取引、日経平均でもいいからナース?MRの人は参考にすればいい。乱高下したその夕方は、あまり元気に近づくでない。



テストOVA ④ 

2015年3月11日 連載
 教授回診。

「おや、あなたですか。頑張ってるようですな」老教授。
「はいっ!でもこれからも、もおっと頑張ります!」

 さきほどの中年女性がほほ笑んでいる。
「点滴を明日にも終了します。全身精査とダイエットも」
「君。ダイエットは余計だろう」と准教授。しかし
「ふんふん。ま、大事なことですわな」と教授が庇う。
「ありがとうございます!」

 准教授、舌打ち。

「この患者さんですが。心不全の悪化で尿量が減少していて」と優等生の野中。
「夜間はたしかにそうじゃが。で、どんな努力を?」
「いちおうラシックスは・・」
「いちおう!だと!」

 病室の患者のベッド上をカルテが半開きのまま、スッ・・とそれは羽ばたくように飛んで行った。

「いちおうとは、なんですか!」杉下右京のようなキレっぷり。
「け、軽率でした」野中はヒートアップした顔。
「もうちょっと、必死にやりなさい!」

 道理に合わぬような雰囲気がありつつも、マーチは進む。ゆかりは感情ペースを乱していた。
「こ、これが。かいしん・・・」

 頬が震える。脈がとぶ。腹がしまる。吸う息が冷たい。いろんな医師とぶつかる視線。返す答えなどない。

「あ!あたしですこの患者さん!」
「ぼけっとすんなぁ!ふふふ・・・」准教授が笑む。

 あわててカルテを開く。
「あ、アルコール性心筋症の患者さん。腎機能が悪く・・」
「ふうむ。DCMみたいで腎臓も悪い。たしかに治療がしにくいな・・」
「おうちでの治療を、希望されています」

准教授が助手にこそっと話す。
「在宅で?見放された老人だろ?」

「うーん。准教授。どうかね?この不安定な状態で」
「いやそのですね。そもそも1人暮らしで不安定だから入院としたのであってですね」

 患者が、息苦しそうだが喋りだす。
「はぁ、はぁ。た、たしかに私には支えがなかったけども・・この研修医の先生に会って、考えが変わりました。はぁはぁ」

 教授はゆかりを尋ねた。
「どんなことを君は?」
「はいっ。あたし、音信不通の家族に電話、しちゃいましたー!そしたら、話がうまくまとまっちゃって!なかなおり!」
「わたしは、病気よりも、大事なものをなおしてもらいました!」と患者。
「へへ!(両手で両目を囲み)メーイメーイ!」

教授は感動していた。
「それだけでか。ほぉ~・・・」

 教授は、准教授に詰め寄った。
「医師は、患者のなんたるであるべきか、教えられた1例ですな。つまり潤滑油としての」
「えっ?そうですか?」
「わしに対してなんと?・・うりゃあ!」
「くわっ?」

 ベッドの上、今度は白衣がブウン、と飛んで行った。
「うおおおっ?」

 ゆかりが手で日光ごとかざした。
「たーまやー!」

 そのまま外の巨大プールに、ズドーンと大きな水柱が巻き上がった。あたかも大きな花火のようだ。

 准教授、地獄の黙示録のように顔の上半身出す。
「ぶぶぶ。ぼぼべべびやばべ(おぼえていやがれ)!」

(終)



 最初の予定通りにはならなかった。だが進むにつれて話は進展させないといけないし、万人に向けた話でないといけない。伏線も回収しなくてはいけない。気を付けたのは、商品が売れて続編の話が出たとき、それとなく続ける最後にすることだった。女医のキャラがどうしても魔法少女なんちゃらみたいのになってしまったのが悔やまれる。

テストOVA③

2015年3月11日 連載

 50代中年女性、肥満型。呼吸困難でベッドに横たわる。

「ひゃっ!すごい汗・・・」ゆかりはマンシェットを巻くが、腕が太すぎて巻けず。そのままスイッチを押してしまい。

ドン!
「きゃああっ?」

 近くで優等生の野中が、ゾンビのようにふらつく。
「酸素、足りない・・ささ。酸素が」
「えっ?モニターでは88?マスクでけっこう流してんのに?よほど悪いってこと?」

 目が合ったのは、家族の老人。
「は?しし、知らん知らん」
「ひゃ!ごめんなさい!既往は?」
「きおう?大丈夫かこの看護婦さん!」
「看護婦じゃありません!これでもドクターです!」

 酸素増やすが、酸素濃度は増えず。超音波を引っ張り出す。画面に食い入る。
「皮下脂肪が厚すぎて、見えない。まだ下手だし」
「いたた・・そこ痛い?」
「心電図はこれ?揺れすぎで意味不明・・・レントゲンも心臓大きいとしかわかんないし。CT運びます!」

 清潔そうな白衣の放射線技師が登場。
「おおっと待ちな。研修医のぶんざいで、やすやすとCTなど!じゃなに?さっきわざわざレントゲンここで撮ってやった、俺の立場は?え?」
「ここ。こわ~でもどいてっ!」
「わっ!」

 ドカン、とベッドごと廊下へ飛び出す。
「ほほ、ほうしゃせんの場所へ!」
「やめろって~」引きずられる技師。
「胸を調べるんだから!百聞は一見に」
「し・・・ぎゃあ!」技師が驚く。

 カンファレンス中の部屋。10人ほどが食事中。そこの入口に・・・
 バーン、とベッドがぶつかる。10人ともひっくり返る。

「おお、お願いします!」
「こんな夜中に?」技師長が腰を押さえつつ立つ。
「ごめんなさい。ついハイで高速で来ちゃって。すみませんあ。クスリはやってません!」

 技師長は顔をしかめた。
「ハイで高速・・?はいでこうそく。そうか!全員!スタンバイ!」

 みな、一斉に近くのドアに突入していく。1人ずつ防護服、ゴーグルを着て両手挙げて戻ってきた。

「ええ?なちす?」
彼らはそのまま彼女の両側を通り抜け、ベッドごと別室へ。数10分後、画面に血管の画像が造影。技師長が操作室へ招く。

「肺動脈に塞栓!」
「えっ?すごい!」
「すごいって。君の方だよそれは!血栓溶解剤!ようそろう!」

 ゆかりはバン!と撮影中の部屋へ。

「(大勢の技師・医師)おい!」
「状態が!かんじゃさんの状態がみるみるよくなってく!」

「すみませんが、撮影がまだこれから・・」と放射線科の医師。
「あ!ごめん出ます!技師さん!医師さん!あはは!どっちでもいいや!」
「なっ・・?」

 廊下へ出て、知らせに走り回るゆかり。

「おーい!みんなー!」
朝日が差し込み、スローでフラッシュバック。続く。

テストOVA②

2015年3月11日 連載
 ゆかりが初担当した患者、アルコール性肝障害・心筋症の68歳。

「ひっ・・・!」なかなか病室に入れないゆかり。
「まあまあ、さ、こちらへ来てくだされ先生」
「せっ、先生?あたし、そんな柄じゃないですっ。まともな人と、あまりつきあいないし」
「大丈夫。わしはもともじゃないよ。だったらこんな病気にならないさ」

 偏見と違って、人格者のような男性。悟りの境地のような。

「カンファレンスで、薬や検査のこと、検討してきますっ」
「わしはもう、いいんだよ。十分生きた。酒のせいで迷惑かけて」
「あ、あたしは」
「自分のせいでないのに病気になっている人に、申し訳ないよ。先生。このとおりだ。もう、退院させてほしい。げほげほ」
「まま、まだ治療中です!」
「げほ・・いいんだよ。もう誰も心配しとらん。わたしは罰を。これまでの罰を受けねばならんのだ・・」
 会えない孫の写真が立ててある。

 涙ぐんだゆかりは、拳を握りしめる。

「あ、ああ、あたしがいるじゃないですかっ!」
「なに・・」
「あたしがあなたを守るからっ!お孫さんや、仲の悪かった人たちやみんな!あたしが病気をなおして、みんなに会わせてあげるからっ!」

(前回のプレゼンにもどる)

「びょ、病気だけじゃないんですっ!なおすのは!」
「病気をまず治すのが、我らの使命だ!」准教授、怒る。
「生きる希望を大事にしてあげてはじめて、病気はなおるんですっ!」
「なんだとおい・・」
「心にも免疫はあると思いますっ!グロブリン大量投与ですっ!」

(バタン!と反省部屋のドアが閉まる。出ていく助手)

「そこで、ドタマ冷やしてろ。ブス」去っていく助手。
「医者が病気だけ治そうとするから、よけい人の心がすさんでいくんですっ!平均寿命だけのびて、不必要な人生を延命しているだけですっ!光を与えてあげないといけないんですっ!」

 医局で、准教授がみんなへ。

「あの研修医は壊れてる。アルバイト勤務のみさせろ。じじばばの健診のみのな」
「はっ!」と助手ら。
「くくく。平均寿命か。ならお前の平和主義とやらで、それを有効化してみよ」(富野的独り言)

 郵便受けの小さな穴から、差し入れ。
「ゆかり。差し入れだ。研修医一同から」
「野中くん。あたし、どうしてあんなこと・・」
「心配するな。君の患者は僕らが受け持つ」
そんなとき、ポケベル。

「いけない。行かなきゃ!」
「きんきゅう?」
「呼吸困難が来たんだ。副直の僕が診なきゃ。当直医は休んでもらわないといけないからねごほっ」
「かぜ?」
「インフルさ。みな移し合って医局員は全滅状態さうげっ。いってくる」

 数時間後。寝ていたが飛び起きる。
(人手が足りない救命室を妄想)
「みんな・・・みんな!患者さんが。かんじゃさんが危ない!」

 部屋にある古いDC。ドアに当てる。
「あっけろー!」
 ドーン!とドアが吹き飛ぶ。

 救急室では、案の定研修医らがのたうちまわりつつ、患者の処置にかかる。野中は患者のベッド横にうずくまる。
「ダメだ。インフルのせいで力が出ない・・・」

 そこへ、ゆかりが登場。
「あんぱんまーん!新しい顔だよ!いや医者だよ!なんちゃって!」

「ジャムおじ・・?がくっ」倒れるほかの研修医ら。

 無責任に、続く。



テストOVA①

2015年3月11日 連載
 主役の女性研修医、間宮ゆかりは学生の時の萌えキャラが抜けない、という設定。

「ここ、こんにちはっ!医師になったゆゆ、夢は・・人類を幸せにして、戦争のない世の中を作ることですっ!あれ?」

 ほかの3人研修医も紹介。
「野中アキラ。学年ダントツ1位。エリートコース希望」
「川口リカ。ゆかりちゃん共々、女医にはやさしくねっ」
「ゆうきです。まーなんていうか。なんとなく医者になったわけでほんで・・」

 みな、尿検査や外来補佐。汚物まみれの尿・検査室で会話。ゆかりが先陣。

「はやく患者さんもってさー、よくしてあげてさー、病気なおしたいのにさー。なんで雑用ばっかなんだよーぷんぷん」
「みんなこうしてたたき上げられてきたんだ。必要なことさ」と野中。
「野中くんってさー。心筋こうそく来たら1例目もらうんだよねー。いいなー!」

 数日後、プレゼン。准教授。

「わたし、野中から。急性心筋梗塞です」
「待ちたまえ。いきなり病名か?そんな順番からでなく、ストーリーテリング的にだな!」
「ストーリー・・ですか?」
「質問は許さんわ!」

 ビビるゆかり。
「あんな成績トップでも怒られちゃうんだ。ひぃい。あたしならたぶん・・・」

(ハンマーで押し潰される妄想)
「ひいいいっ!あたし、トイレ!」

「できないできない!あんなのできない!」
(妄想。追っかけていた宝塚キャラが登場)
『姫。どうしたんですか。落城が迫っとりますぞ。姫が戦わないで、どうするんですか?王の私はともかく、民衆の彼らがあなたを待っている』

 バーン!とトイレが開く。

 怒られているユウキが泣きかけの中、ゆかりは横にそびえたつ。そして彼女の番に。

「か、患者さんは68歳男性。アルコール性の肝障害および心筋症ですっ。経過は・・」
「CT所見は?」
「これ!見てのとーり!」
唖然とするほかの研修医たち。

「超音波もこれ!みなさん、もう分かってるはずだから!」
「しかし、自業自得の病気だな。でもおいいよなこんな人種は。国が面倒見て負担してくれる。わしらも気ままに生きたいよ」

 ゆかりの手が震える。

「そそ、そんなこと、ないですっ!」

 周囲が固まり、続くへ。



 もし大学病院での話をジ・オリジン的に4回で完結させ、商品としても成功するのはどうしたらよいか。

① 自己紹介・プレゼン・回診編
② 最初の入院患者・アルバイト編
③ 寝泊り編
④ チームワーク編

 こんなところだろうか。テスト的に、やってみる。

ジ・オジン

2015年3月11日 映画
 安彦良和のキャラが際立っているのは、キャラの個性をいとも短時間にその表情でもって説明・表現してしまうところにある。つまり無駄な語りなしでも、キャラの性格付けが格段に上手い。OVAという限られた時間ならなおさらだ。

 しかし、いまどきのマーケティング戦略。商品が売れなければストーリーも続かない。あとあと面白い展開と分かっていてもだ。なのでどうしても色んな層にウケが良くなければいかず、2199の萌えDJみたいな不必要描写が加わっていく。

 そういう意図が、ファーストのファンであるオジン軍たちには見透かされてしまうのだ。彼らの想像力は、アニメの背景まで及んでいた。本編以外の想像力も豊富だったから、今になって実はこうだと言われても矯正が難しい。

 ああもっとも、ジ・オリジンのマンガ世代からの人は別か。なら、その人々はなおさら失望している点もあるんじゃないか。

 生き残っている声優たちが、まだまだ長生きでありますように・・・。

諸刃の剣

2015年3月10日 連載
 攻撃性のある事件が続く。なぜか在○に関連した件が多いように思えるが、事件の内容が凄惨極まりない。かといって犯人が、そうしそうな前歴を持っていたわけでもない。

 思い出したのがSSRIだ。ふつうに副作用を調べても<攻撃性>は全面に出てこない。そういう指摘をしても、原疾患によるものかも、未だに言ってる医者がいる。実際、自殺・凶悪事件の背景としての指摘はされている。http://u-drill.jp/archives/2009_06/19_132753.php http://npn.co.jp/article/detail/74202649/いずれも衝動的なものだ。

※ セロトニン自体は有害なものでなく、その原料は食物より<トリプトファン>という形で摂取している。http://www.human-sb.com/tryptophan/food.html

 衝動と言うのは字の通り、先が読めない行動だ。誰しも自分なりの掟、抑制でもって生活しているが、もしそのブレーキが突然外れたら、と考えると・・・処方する側も安易な判断は避けたい。

 

 

 

 

給与面

2015年3月9日 連載
 
 古畑任三郎ライクに読んでください。

 最近わどの医師も。医局でそんな話ばかり。院長室にははい、よーく聞こえてくる。自分のイビキは必ずしもそれではないのですからして。

 頑張る医師は確かに重症患者を好んで担当し、治療の密度も濃くて、救急を積極的にとる。だがどこかしか、他の医師に追随を許さないという見栄みたいなものが出てくるんですねーこれが。他の医師のカルテを見て、ナースら背景に「これはダメだな!」とか自慢をする。そういった話ははい。すーぐ聞こえてきます。

 そんな医師は半年もたつと、総務・院長室へ給与の増額を求めにくるんですね。だいたい年200万くらいの増しが多いかな。まあ口約束はする。しましょう。すると彼はまあ、もっと頑張りだすんです。しかし、破たんが見えてくるアレヨアレヨと(処置や患者数に手が回らなくなる)。そして患者に迷惑がかかりそうになるんですねそこで。自分がフォローに入る。打って変わり、ひと説教浴びせる。これで彼ははいパチン。目を覚ます。

 すると不思議なことに、もうあの話はしなくなったんですねーもちろん給与は増やさない!だって口約束だよ。あのときの空気が証人なら、そいつを袋に入れて連れてくることですね。そういうことですよ。ワトソン君。

 これぞ、ムービー・マジック。

※ 最後が惜しかった!



人間関係

2015年3月9日 連載
 実際は、これで辞める医師が大半だ。少なくとも僕の周囲では。たいていは院長・理事への反目だ。意見が合わない。病院を変えたいという意見が通じない。しかし、入局間もなくで病院を変えたい、というのは内容以前に自分勝手だ。だって、そいつが辞めたらまたリセットだ。手間がかかる。

 院長・理事というのはそれなりに横柄になる運命にある。もしスタッフ全ての意見を聞けば、そのシステムは瞬く間に破たんする。鈍感力も必要になる。

 もちろん上層部のやってることが犯罪行為なら辞職して当然だ。そういうケースでなくてでも病院を辞めたいなら、責めるべきはまず自分の無駄な選択の愚かさだろう。だって、その後もそれを繰り返す可能性に満ちているからだ。

 女に置き換えると分かりやすい。いい女を望むほど、一方的命令に従わねばならない。逆の考えならOKだった?ではなぜだ?

 なら、自分の悪い点を1つだけ改めたらどうか。むしろ逆のことを。放置してみる、謝ってみる、従ってみる、頑張ってみる。要はふりをする。呼吸ができる酸素があれば、春夏秋冬、季節風だって吹くかもしれない。せめて1年以上はやってみよう。

 ま、その間に次の病院候補、の大規模調査でもやりたまえ。

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