勝敗がハッキリした。大阪で立候補の医者も、とうとう敗れた。

 幸福実現党は、自分らの立場を今どう解釈しているのだろうか。「国民は分かってない」→「こちらの信心も足りない」→「ならもっと活動を!」となって、ローコストでありつつハイパワーな<経済効果>を生み出すのかもしれない。

 日本の財政の現状をみると前途多難だが、どういったアイデアを出してくれるのか楽しみ(?)だ。これからは<ものの言い方>が大事になってくると思われる。
というのは、無理な注文が降ってくるのは間違いないからだ。あとはその納得のさせ方がどうなるか。

 

再生の町

2009年8月30日 連載

http://www.nhk.or.jp/dodra/saisei/

 第一回が8/29放送された。泉佐野市あたりがモデルなのだろう。というより大阪府の集大成的なモデルのようにも思える。ロケ地が門真市なのは(撮影上での)交通の便も関係あるのか。

 自治体が国に言われたまま借金を抱えてきて、次年度の予算を前借りした上での会計報告。それももうボロどころか膿まであからさまになり、予算上のリストラを余儀なくされる。

 興味深かったのは、削減の対象となるであろうニュータウンの、その計画を阻む者の存在。どこまで描かれるのか分からないが、ニュータウンという一大事業の裏にはいろんな利権がからんでいて、甘い汁を吸おうと待ってる業者・役人が大勢いる。大阪では以前ここでも触れた<彩都>の失敗が記憶に新しい。

 病院の中でも経費の削減に関する会議が行われることはあるが、それを一部の部門で<させない>者もいたりして、なかなか不平等がおさまらない(コネなどの複雑な事情)。逆に、増築の話となるとこれもややこしい(銀行や建設関係などいろんな業者の利益がからむため)。

 要は、みな今の水準を守るため。みな守りの姿勢で日々戦っている。しかしそれを下げるときがあるとしたら・・?いろいろ応用して考えてみたい。



 

 

もう9月。

2009年8月28日 連載
(以下、コピー)


新型インフル流行 10月にも第1波ピーク クローズアップ2009
09/08/27
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


クローズアップ2009:新型インフル流行 10月にも第1波ピーク



 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>

 全国的に流行の勢いが止まらない新型インフルエンザ。厚生労働省は、集団感染の発生件数は23日までの1週間で前週から2割も増えたと発表した。新学期が始まった直後に休校する学校も相次いでいる。新型インフルはどこまで拡大するのか。流行拡大に伴い、重症患者が増え続けると、医療機関の受け入れが困難になったり、患者同士の接触で感染が広がることも懸念される。

 ◇沈静化後、第2波も 専門家「春までに3600万人」

 「10月が流行第1波のピークかもしれない」。冬とみられていた新型インフル流行のピークが大幅に前倒しになる可能性を、専門家が指摘し始めた。国立感染症研究所の安井良則・感染症情報センター主任研究官は「秋に感染者数が減る要素がない」と説明する。

 浦島充佳・東京慈恵会医科大准教授(疫学)によると、過去の新型インフルのパンデミック(大流行)は、流行期入りからピークまで約1カ月半。厚労省は今回、今月21日に流行開始を宣言したためこれを当てはめると 10月にもピークを迎えることになる。厚労省は10月下旬にも新型用ワクチン接種を始める方針だが、ピークに間に合わない恐れが出てきた。しかもこれは第1波のピークで、いったん沈静化した後に第2波があるとの見方も強い。

 では最終的にはどこまで拡大するのか。

 季節性インフルエンザは毎年、約1000万人が感染し、流行期は12-3月。昨秋-今春に定点医療機関から国立感染症研究所に報告された患者数は、1月19-25日に1施設当たり37・45人に達し流行のピークとされた。これは厚労省が新型流行を宣言する根拠となった8月10-16日の同1・69人(全国患者推定数は約11万人)の約22倍に当たる。

  ほとんどの国民は新型ウイルスに対する免疫を持たないため感染は容易に広がり、新型が流行のピークを迎えれば、季節性の数倍規模になるとされる。

 東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)は「この冬、必ず日本で大流行する」とし、季節性の3倍以上の規模となり、来春までに国民の約30%、約3600万人が感染すると予測する。浦島准教授は最大約5000万人の感染可能性を指摘。押谷仁・東北大教授(ウイルス学)は「11年春までに約8000万人が感染し、患者は5000万人に達するのではないか」と警鐘を鳴らす。世界保健機関(WHO)は8月、大流行が終わるまでに世界の人口の約3割、約20億人が感染するとの予測を公表した。【江口一、関東晋慈】

 ◇重症患者対策が急務

  新型インフルの症状は季節性とほぼ同じだ。だが感染者が多くなれば、季節性に比べ重症患者も増加するとみられる。

 21日朝、救急車が千葉県東部の中核病院、県立東金病院(東金市)に到着した。運ばれたのはぜんそくの既往症を持つ50代の糖尿病の女性。体温は40度、胸の痛みを訴えていた。簡易診断キットでA型インフルと判明、多臓器不全の恐れがあり血圧も低下し始めた。

 「新型かもしれない。集中治療が必要だ」。内科医が付き添い、集中治療室(ICU)のある千葉市内の病院へ転院した。女性は5月を最後に通院しておらず、過去1-2カ月の平均的な血糖状態を示すヘモグロビンA1cは10%(正常値は4・3-5・8%)を超えていた。 糖尿病をはじめ腎臓病、心疾患、呼吸器疾患などの持病がある人は、新型インフルに感染すると重症化しやすい「ハイリスク」とされる。

 東金病院の平井愛山院長は「非常に厳しい状態だった。流行のピーク時にはICUはどこも満床になるだろう。その時はここで診るしかない」と話す。とはいえ、常勤医師はわずか14人。医師らが感染すれば、十分な診療ができなくなり得る。地域の重症患者発生をできるだけ減らすことを目指し▽ハイリスク者への注意喚起の通知発送▽糖尿病治療中断者の把握と早期受診の勧奨▽ 細菌性肺炎を防ぐワクチン接種--などを始める。

 死亡者が出た名古屋市内の病院では、看護師ら6人への感染が疑われた。医療施設では院内感染防止が極めて重要だ。

 東京都内の人工透析クリニック。仕切りのない部屋に20床を超えるベッドが並び、腎不全で人工透析を受ける患者でいっぱいだ。治療は4-5時間で週3日ほど。院長は「新型インフルの患者でも透析は中止できないから受け入れる」と話す。

 日本透析医学会は5月、新型対策をまとめた。「(感染)患者は約2メートルは離して透析すべきだ」としたが、院長は「ベッドの間隔を広げるのは現実的には難しい。患者にマスクをつけてもらい透析する」と打ち明ける。

 国内の透析患者は約28万人。クリニックのほとんどが手狭になっている。亀田総合病院(千葉県鴨川市)の小原まみ子医師(腎臓内科)は「患者の異変に素早く対応するため、透析室には仕切りがない。入室前にスタッフらに伝えてくれれば、透析時間をずらしたり、ついたてで隔てるなど対応ができる」と説明する。

 東京大医科学研究所の上昌広特任准教授(医療ガバナンス)は「大学病院や大病院が、空いた個室に重症患者を受け入れやすくするために、国が補助金を出すなどして支援するのも一つの対策だ」と指摘する。【永山悦子、河内敏康】

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 ◇重症化を警戒すべき症状(WHOによる)

・休息の間でも息切れする

・呼吸困難

・顔が青白くなる

・たんに色が付いている、血たんがでる

・胸が痛む

・意識もうろう

・3日を超える高熱

・低血圧

 子供ではさらに▽息が速い▽注意力欠如▽遊ぶ意欲がない--などを警戒すべき症状に挙げ、急速に悪化する可能性があると注意を促している




(コピー、ここまで)



 騒ぎ立てることはないが、確実なことは現場がこれから より忙しくなるということ。患者の数が増えるのはもちろん、夜間の受診も増えるし、重症化で検査をする機会が増え入院も増える。ベッドの高回転も望まれる。もう満床だから、と自分とこだけ守りに入らないようにしたい。

 忙しくなると夜間ナースらの人手不足も深刻になり、これだけ忙しかったらコスト出せなど声を出す人間が増えてくる(こういうスタッフが増加中)。そうでなくて、後々のために今できる準備が・・・考えればあるはずだ。

 たとえば基礎疾患がある患者の場合それを完治しておく・・なんて無理なことをするのでなく、もし(新型に)かかったとしても最小限の被害に抑える姿勢を持ちたい。当たり前だが、それに今一度、立ち返る必要がある。

 基礎疾患がありながら、ろくに検査も受けてないのに「落ち着いてますから(いいです)」とおっしゃる患者もいる。まずは彼らから。


※ お知らせ

 来週、ある会議に委員として参加してきます。やや早いワクチン情報を載せる(9/4ごろ)予定です。

 


抵抗力

2009年8月27日 連載
 インフルエンザの死亡報告が、神経質なほどに流されている。ただパニックを促す意味であってはならず、そこから読み取るべき情報を分かりやすく(メディアは)差し出すべき。

 基礎疾患があればそれがインフルによって増悪し、それらが互いに増悪していくという悪循環を生み出す。糖尿病や心疾患など。

 新型インフルエンザだけに限らず炎症を起こすものは高熱を発したり、その炎症が他の臓器に飛び火する恐れがある。たいていの炎症は人間の免疫で長期戦ででも限定的にやっつけれるものだ。が、相手(病原体)が強すぎると一方的に負け続けるし、ましてやこちらの防御に穴(基礎疾患)があればそっちのほうでやられてしまう。

 そうなると、強すぎる相手がいるかもしれないとき(今がそのとき!)は、自分の力だけで勝負を挑むのは最初から避けよう、という考え方になる。何らかの入院歴がある人は特に(交通事故とかは別)。

 だるくて食欲もなく、その上に高熱。病院は行かずとりあえず市販の薬でみてから・・という段階はあくまで(ほぼ)自力で戦ってるという不透明な状態。自分のことなのだから、とりあえず病院へ行く以外に相談の余地はない。

 ただ、なるべく夜間にならんようにしてくれ・・・(きょう、当直です)。


 


 

 
病院で勤務していると、根も葉もない噂がどこからかやってきて、職員全体の雰囲気が物々しくなることがある。不安になるとスタッフらは、自信あるものにすがり付く。あるいは我さきに助かろうとする者が出てくる。

 具体的には、院長や僕らドクターに巧妙な罠をしかけてくる。

「先生。今度、飲み会しましょう」

 そして、囲い込む。

「先生、(僕らは)大丈夫ですよね。(少なくとも僕は)大丈夫ですよね」

 で、こちらが適当な返事をしたとする(例:いけるんちゃう?)。

 すると、その<情報>は彼らの間でサブプライム的に取引され・・・

「いけるんちゃう」→「大丈夫です」→「絶対大丈夫」→「俺が保証する」→「俺が背負ってやる」→「俺が院長になる」→「そしたら優遇してやる」

 やがて一兵卒が医局にやってきて、こんなことを言う。

『先生、給料上がるって本当ですか?』

 ええい!都合のいいことだけマッハGo!


 薬物・酒などに関する<癖>のニュースが続く。性癖による犯罪も含め、共通しているのは繰り返した上での発覚であり、今後も再発の可能性が十分にあるということ。

 彼らの背景にはかなりのストレスがあり、私生活自体に達成感はない。ところが<それ>をすることで日常を超える達成感を味わえる。それ以外は非日常なのでストレスになる。すると達成感を味わう手段は・・・こうして繰り返してきたのだと思われる。

 自分の<癖>は何か・・・?以前あれだけファーストフードを否定しておきながらのマック買い、机に向ってすぐの長時間パソコン、手持ち金に達するまでの買い物、「だるい」の口癖、首のコキコキなど。

 解決策をいろいろ考えたが、やはりここは<頭を冷やす>こと。旅に出る。パソコンならコンセントを抜いて隔絶する。食いかけたマックを捨てる。本を読み偉人に会う、など。すなわち第三者の自分になる。

 それで癖が消えるとは思えないが、クールダウンすることでE=mc2の法則の呪縛(たまったものが突然爆発)からちょっとは逃れることができる。

 学会風に締めくくる↓

 従いまして、<癖>の要因といいますかその背景としましては、処理できないストレスがあること、それは抱えきれないものであり蓄積されたエネルギーであること。あるいはそれに加えた何らかの因子が存在すること。これに関しましては今後当局で研究を重ねたうえ、またの機会に発表させて頂く次第であります。

 おい君、もう卒業だったろ?うまく逃げたね~(by 教授)。

 (座長)では私も腹が減ってきましたので、あとの話題は懇親会でご勝手に。



2009年8月24日 時事ニュース
 通常のインフルエンザワクチンのアンプルの大半が、1アンプルにつき1mlタイプ。接種量は0歳(1歳未満)は0.1ml、1~5歳は0.2ml、6~12歳は0.3ml、13歳以上は0.5ml。採算は1人1アンプルで請求しているものの、実際は1アンプルから少なくとも2人分以上使用させてもらっているのが現状。

 だから政府が何千万人分必要とかいう計算が、こういう事実を踏まえたものなのかどうか・・・?投げかけてみた次第。

 

要望書

2009年8月24日 時事ニュース
 日本小児科学会http://www.jpeds.or.jp/がHPで公開している通り、厚生省に対して、国民への伝達を呼びかけを促す要望書を提出した。

(以下、それのコピー)


厚生労働省
新型インフルエンザ対策推進本部御中

社団法人 日本小児科学会
会長 横田 俊平

謹啓
 現在、新型インフルエンザは、静かに感染を拡大させています。夏季に入ったにもかかわらず、インフルエンザ定点からの報告数が増加し、また病原体定点からは現在の流行の大半は新型インフルエンザウイルスによるものであることも明らかになっております。そのようななか、国内において小児のインフルエンザ脳症の報告例もこのところ続いています。平成21年8月13日現在、インフルエンザ脳症は国内で5例報告されており、うち1例は重症例です。私ども日本小児科学会としては、今後、罹患年齢層の低下に伴い、幼児を中心とした小児のインフルエンザ脳症の増加や、海外で報告されているARDSを含む重症肺炎の国内発生を危惧し、地域診療体制の整備を始めたところです。
 以上の状況に鑑み、厚生労働省におかれましては、以下の点について、国民への情報伝達と知識の普及の推進にご協力いただけますようお願い申し上げます。

1 今まで国内に重症例が殆ど報告されなかったことから、国内社会においては「新型インフルエンザは軽症である」との認識が拡がっているが、今回、新型インフルエンザに伴う脳症重症例が発生したこと。

2 夏季であるにもかかわらず、国内や米国などの北半球において、小児の脳症例の報告が続いていること。

3 今後、秋・冬の感染拡大の中、幼児における新型インフルエンザの流行は避けられないものと考えられ、この年齢層を中心とした小児のインフルエンザ脳症の発症数の増加が危惧されること。

4 以下の症状は、インフルエンザ脳症の早期の症状として、保護者等一般の方が注意すべき点であり、これらの症状がみられたら医療機関(小児科であることが望ましい)を受診すること:

インフルエンザ様症状(発熱、気道症状)に加え
A.「呼びかけに答えない」など意識レベルの低下がみられる
B.痙攣重積および痙攣後の意識障害が持続する
C.意味不明の言動がみられる

5 強い解熱剤(例:ボルタレン、ポンタールおよびこれらと同様の成分の入っているもの)はインフルエンザ脳症の予後を悪化させるので、必ず解熱剤はかかりつけの医師に相談して用いること。

 以上の5点を国民へ確実に伝達できますよう、厚生労働省に早急な対応をお願いする次第です。
 なお、インフルエンザ脳症は、5類全数届出疾患「急性脳炎」に含まれるものとして届けることになっております。合わせて臨床医への再喚起をよろしくお願いいたします。

謹白

(コピー、ここまで)

以下、私見。

1 ・・ 脳症が増加しているのは明らか。緊急性を要するわけだから、その(脳症が疑われた段階)場合受診する病院の受け入れ状況、脳症の早期判断の目安が必要になる(4へと通じる)。当然、家族への責任の比重は大きくなる。

2 ・・ 参考のため、海外での蓄積データを公開する必要がある。少なくとも今後負担が増えるであろう内科医にも詳細を知らせるべき。

3 ・・ ワクチンの具体的接種プランを早く教えてくれ、ともとれる。夏休みが終わったとはいえ連休は数々あるので、せめて国は内需拡大(旅行とか)の姿勢を控えるべき。

4 ・・ 痙攣時、また様子がおかしいときの両親の対応法などを具体的にすべき(携帯受信を含めたパンフ配布)。大流行の前段階の今でこそ、CPRについての関心も含め徐々に浸透させるべき。

5 ・・ 内科医にとって判断しづらい場合の窓口が欲しい(医者vs医者)。

 正直、内科医をどれだけ<巻き込んでおく>かで小児科医の負担も変わってくると思う。若年の脳症の経験が、日頃そんなにないだけに(脳外科にすぐ紹介してしまう傾向があるためでもある)。


 i-TUNESからも購入できるが、自分はrapidshare経由で。

 ハンス・ジマーの音楽は「ブラックレイン」あたりから馴染んでいて、お決まりは<ダダン!・・・ダダン!・・・ダダン!ダダダダン!><ブァーン・・(小音→)チャカチャカチャカチャカ・・・ブァーン><ジャ、ジャ、ジャ、ジャ、ダン!ジャ、ジャ、ジャ・・・ダン!>

 「トップガン」の最初、空母への着陸シーンはみんな、意外と覚えているのではないか?

「心配ない。空中の散歩だ」

ジャジャ!・・・ジャジャ!
ドコオ!グァァァァ!

「(交信音)」

ジジャ!ジジャ!

ガァアア(着陸)キーン・・・

コンコンコン!入れ!あ、行きすぎだ。


 彼の音楽はまるでモニターの不整脈のようだ。インパクトの強い期外収縮が、間違いなく正確に振り下ろされる。チャカチャカチャカチャカは心房細動。まるで血栓形成前のモヤモヤパターン。

 心音の勉強会をしても、現場で生きなければすぐ忘れてしまう。しかし心音・不整脈の勉強のときハンス・ジマー風に<ダン!チャカチャカダン!>などと声を出してやれば、退屈せず覚えやすいかもしれない。

 勉強会の係は、指揮者の情熱で!

「はい!ジャジャン!こうきてジャジャ!みんなでジャジャ!はいはいギャロップギャロップ!」
 
 ひっそりと発売されていた「ヤングガン」のコレクターズ版。輸入BDは持っているが英語がさっぱり分からん(特に音声解説)!興味のない人には、ただそれだけの作品。特にウエスタンというジャンルは、競馬と違って女性に見向きもされない。それだけに価値があるかもしれない。

 たしか当時ともに鑑賞した女性の感想は、「あの人(ビリー)のせいでみな追い詰められた。だから全てあの人が悪い。仲間に入れなかったら良かったのに」という女性らしき内容だった。

 特筆すべきは途中で登場する老軍人。トイレに隠れ、ショットガンをヌ~と出して・・あ、チャーリー・シーンが撃たれた!の衝撃。みな一斉に反撃するが、正直どう決着がついたのか分からない。

 今でも駅などで見かける、ほっ立て小屋のような公衆便所。それを見かけるたび、この<シーン>を思い出す。

 以前、医局にいきなり乱入して言ってた言葉。

「ジョン・キニーだ!」

 当時の仲間はみな開業したが、1人は借金して音信不通。

 まさしく<ヤングガン=おたずね者>だ!

 いまどきの開業は、資金を集めてから(結論)!

 ヒッヒャー!チャベスは弾をイッパイ持て!ロデム変身、地を駆けろ~(寒)!

 外来でウンザリするほど説得してきたが、よほどのインパクトを与えないと難しい。自分は、いつもこうする(肝障害所見があった場合)。

 単純に禁酒令 → 執行猶予1ヵ月ののち再検 → 改善なし → 家族呼び出し+禁酒令 → 執行猶予1ヵ月ののち再検  → 改善なし → 家族呼び出し、処方追加、ここで!

「薬を追加したけど、酒をやめたら(その薬は)やめれるかもしれない。でも飲み続けるなら、薬はどんどん増やさざるをえない。こっちはしたくないんだけど」

 と説明 → 執行猶予1ヵ月ののち再検  → 改善なし、処方追加、ここで!

「同じ状態が長引いているが、このケースが長引くと寿命にも影響してくる。たとえ長寿でも不自由な時期が長くなる。そんな生活は、正直つらい」

 と、だんだん断定的に。

「うちの親族がいくつも薬飲んでいて、酒をやめたら数値もよくなって今は薬もかなり減らせた。そこまでしなくちゃ、無理だそうです」

 と作り話。

「でも○○さん(患者)はまだ取り返しがつく段階。今ならまだ間に合う。でも今しかない」

 と、腹部エコーの暗闇で説明し(暗闇で妙な連帯感が生まれる)、

「年取って後悔してきた人らを、僕はかなり見てきましたからね。家族や孫(←ポイント!)にまで迷惑かける。ほら、介護の面とかで」

 とナルっぽく。

 最後に家族の人に・・・

「ま、要は酒を買わんことじゃないですか」

 と責任の一端を。さすがに<小遣い渡すな>とかまでは言えない。

 こちらが優柔不断だと、相手は都合のいいように考える。<オレンジロード>の春日恭介みたいなキャラで相手しないよう用心したい。

「そのとき、僕は・・・(画面中央に丸)・・・この人が酒を飲むことが楽しみだと思いつつも、その将来が心配なわけで・・・しかし厳しい言葉を投げかけて嫌われたらどうしようと、心配でもあり・・・でも病院の収益を考えると必ずしも迷惑ではないわけで・・・」

「でも酒は万病のもとであり、そう言いたいんだけど世の中スポンサーらが黙ってないわけで。だから声を小にして言うしかないわけであり・・・それはある意味、ドラッグと同じようなものと思われ・・・それが単に合法なものであるというだけだと思えるわけで・・・」

 ええい、はっきりせんか!この男は!

 インフルエンザに対する基礎疾患対策は、まず断酒!

 といっても一生飲んだらいけないなんて、それはあんまりでもあり・・・

※ 酒の影響

① 脳の委縮(若くてもありうる)
② 潰瘍や食道静脈瘤 → 吐血 
③ メタボ
④ 感染が治りにくい、または感染そのもの → 発疹~肺炎など様々
⑤ 糖尿病
⑥ 独特な風貌(黒くフニャアとなった表情)
⑦ 将来、病院にかかったときの同情↓
⑧ 暴力性
⑨ 麻酔が効きにくい
⑩ いざという治療のとき、使いたい薬が(肝障害のために)やむなく見送り






 

 この時期にインフルエンザを発症すること自体が<新型>の疑いとして明らか。

 保健所の判断は各地で異なるようだが、自分になされたアナウンスでは「10人以上の集団での流行可能性」を疑う場合にのみPCRを行うこと、となっている。つまりこれに該当してなければ本人・家族が希望しても施行することにはならない。とはいえ集団というのが必ずしも親密なものとは限らず、分散したあとの情報収集も可能とは限らない。

 今はワクチン製造の報告を待つしかないが、常識的な予防はもちろん、感染後の予後を左右する基礎疾患の検索も重要となる。検索というのも変な話だが、調子が悪くなって検査しても評価が分かりにくい。調子がいいのなら、その時こそあれこれ調べておく時期のはず。

 ヘビースモーカーや肥満の場合、それだけで検査を受けておく理由になる。


選挙か・・・

2009年8月20日 読書
 ポストに投票案内状が届いていた。忙しさを理由に行かないことになりそうだが、患者の中には(病状に関係なく)投票はもちろん、選挙活動にまで出向く者もいる。

 マニフェストという便利なアイテムがあるが、当選してしまえばこっちのものなので、なんとでも言える今のうち。ローコストだが効果大なやり方だ。国には金がないので、いかに出来るように見せるかだ。

 ただ、幸福なんとか党とか公○党とか、<教祖絶対>的なところが実権を握るのは脅威だ。もし彼らの政策がうまくいかなかった場合・・・

「国民に功徳が足りなかったから → 国民の信心が足りなかったから → 信者補完計画 → 見せしめに邪教撲滅計画 → 神社落とし(?) → 宗教省設立 → 日本鎖国 → 逆グローバル化 」

 チョンマゲはいやだ、チョンマゲは・・・

 結局、ラストサムライのように切られるのか。

「やめろーーーーー!」


 

 
 
 大学医局人事から離れる人は増えている。ドクターバンク登録も多いが、これら業者に登録すると後が大変な部分もある。いきなりの転勤を半分強要されたり、長距離引越しを迫られる可能性もある。業者にとって医者は商品。それを実体のないワンフロア事務所で、大してキャリアもない人たちがやっている。マージンで食うしかない人種だ。正直、勧められない。

 それはおいといて、それ以外・・つまり個人で病院に面接する際。前にも話題で出したが、まず<末端>が交渉に出てくる。経営側の立場で話す。

 まず経営側が押さえたいのは、ローコストであること。義務的な契約を早めに飲んでもらうこと。嫌がらせではないが、医師が去った理由の背景には<無理な勤務>があり、うやむやのうちにでもハッキリさせたい。

 この最重要課題を決めるにあたっては、現場の人間ではかえってまずい(核心をついた即答を求めらた場合に不利)。なので現場から遠い<末端>が便利。末端は前もって<これ以上出せない>という提示額、<これは絶対やらせろ>という命令が下される。

 不思議と末端は食らいつく。理由はジャパニーズドリーム。すなわち一攫千金だ。

 もちろん末端にはやらせる権限などないため、内心は<あわよくば>の心境で臨む。そのドクターについては情報収集がしてある。MRや職場のパラメディカル経由が大きい。妻帯者などは家族構成、車、子供の教育内容もポイントだ。前の年収、性格なども調査済みだ(もちろん簡単に調べられる)。

 で、この<あわよくば>交渉で当然のように問題が発生すると、面接場所から出た時点でこの末端から経営者へダイレクトな携帯電話報告が入る。「これはいけて、これは難色示してました」というものだ。

 そこで経営者が1歩譲るかどうするかは個人差。ただ、末端が受けた印象がダイレクトに伝わるので、面接を受ける側は決して安心感を与えてはいけない(発言含めて)。それと余分な情報も与えてはいけない。「まあいいですけど」これは禁句!

 そして次の面接で、聞こう。「どう、おっしゃってました?」と。それでもかなり不利なものなら、ちょっとキレて動揺させよう(丁寧語で喋っておきながら、途中で<なに?>などと挟む)。性格の悪いやり方だが、相手の会話のペースを乱すのは、腰を折ってリセットするのが一番だ(動揺した人間は、つい思わぬ有益な情報を漏らすこともある)。

 やはり渡辺謙のほうがいいか。

「拙者、そちらの提示する条件にて思うところ誠に遺憾であり余りにものお言葉、現在の医療状況厳しいものと相まみえるも(?)、これまで極貧ならびに戦火永劫飲まれていた者としてはそのストレス胃に潰瘍を発生させるほど余りあり、これ従って病院への奉仕どころか体調の異変を来すものなり今一度再交渉を望むところでござりまするこれも武士の情けがあってこそ」

 お前が情けをかけて、どうすんだ!
 







 

OBON

2009年8月15日 連載
 ここ数日大阪の交通網はスカスカで、良い走りができた。救急もある程度覚悟していたが、そこまで(搬送問題で)大変な噂も聞かなかった。こういう雰囲気だと、日ごろ持ち上がっている医局会の話題などが忘れられてしまう。気をつけよう。日本人特有の事なかれ主義である。

 夏のボーナスが新しく切られた、という病院は少なかったようだが今はどこも様子見。ただ、医者に関しては今後給料据え置きという考えが支配的になってきた。若年も高齢も、給与体系が通年同じという考えだ。

 医局人事の場合は裏で全て決められるが、大学つながりでない場合で交渉する場合、最初に決まった額でずっと続く(減っても増えない)と思ったほうがいい。なので希望通りで決まらなかった場合、見通しは厳しい。だから、特に最初の交渉は末端と絶対にしないこと(するにしても長引かせる)!

 自分もこういうことを論じるのはプライドが許さなかったが、譲歩すると経営側がいいようにしかねないので目を光らせている。渡辺謙のように落ち着いた交渉といきたい。

「今回、労働基準法をはるかに上回るほどの過剰な勤務時間、これ減免お願いしたく候、帝におかれましてもさぞ心苦しい心境察しておりつかまつる。ひいてはこの私、医師として役目を全うする意思天地のごとく不動なれども、いかんせんこの体1つにありてスミスの如く複数化できぬゆえ、業務の縮小ならびに待遇の改善を求めるものなり。ここは帝のご慈悲に添い寄りつつ、されどもそれが当院のさらなる発展に寄与するところなり」

 うむ、彼ならどういった立場でも切り抜けれそうだ。これこそ理想の総理像にふさわしい。






 いろいろ相談を受けるが、結論としては<食べない>ことと<続く運動>。<食べない>といっても、朝から晩までほとんど食べないという意味ではない。

 実際の成功例からすると・・・夕食を食べない。これのみ有意差ありだった。ビールを減らすとかオカズのみとか、<減らす>こと自体がたいてい気休めだ。そう宣言していること自体に、すで甘えがある。

 脂肪を減らすためには運動も不可欠だが、毎日の散歩は効果はあると思う。中高年以降で時間があってなら長続きしているが、忙しい人には無理。仕事が終わったらそんな時間もない。天気も常にいいとは限らないし。

 Wiiフィットやビリーも最初は楽しいようだが、飽きたらその義務感が不快感になる。当然、長続きしない。

 なので仕事場の控え室・ロッカーなどに小さなダンベルを置いて雑談しつつ1日2-3セット、帰宅後にフル入る前の腹筋20回程度。長続きしそうなのが勝ち。あとは通勤をちょっとでも歩行に変換し、浮いた料金を朝・昼ごはん代にまわす。

 朝・昼ごはん代が多くなり、量が増すが夕食を避けるならダイエット上問題はない(と自分は結論する)。夕方腹が減ってしんどいかもしれないが、そこは早寝+お茶ペットボトル1本で解決する。朝は腹が減るので早起きになる。

 またモデル級か理想体型の人が出てくる番組などを(晩に)鑑賞するのも、熱意を燃やす材料になるそうだ。グラビアアイドルのは?だと思うが・・・

 正直ここまでやらないと、自分周囲のスタッフは成功しなかった。だが成功した者はこう喜んでいる。

① 前よりモテだした
② 患者に指導が堂々とできた
③ 服を買うのが楽しくなった
④ おしゃれになった。ファッション雑誌を立ち読みするようになった
⑤ 鏡を見れるようになった(?)

 ただ、悪い面もあったようだ。

① 付き合いが悪いと言われた(飲み会など)
② 妻など家族に嫌がられた(妻帯者などの場合)
③ 周囲に人間ドックを勧められた
④ 食べるという楽しみが減った
⑤ 以前着てた服が着れなくなった












 今のところ<巻き込まれ型サスペンス>を演じさせたらナンバー1なのが、彼だと信じている。

 巻き込まれて泣きそうな顔をしたりするのだが、「本当かこいつ?何かあるんと違うか?」とか「いや、まだ信用でけへん」など常に警戒感を持たせる不思議な俳優だ。悪く言うと、オドオドしていて落着きがなく、演技に余裕がないのである。

 彼の素の表情(斜め上目づかいで、腑に落ちぬ表情)は、ぜひ見習いたい。


巨大な市場

2009年8月14日 映画

 バブル当時から、何かと存在感を出しながら庶民に親しまれていた芸能人・・のはずだったが、この事件。過去の映像が流れるのだが、その経緯がまさしくバブル後の日本の歴史を物語るようで、余計に悲しい。

 麻薬関係はかなりの市場規模だろうから、その市場を守るための工作は複雑すぎて、捜査をかなり混乱・遅延させるものと思われる。

 こういった<巨大な市場>は、なかなかしぶとい。鬼気迫る雰囲気としか思えない<だんじり祭り>などの祭りは死者が出ても平気でやるし、賭け事市場(パチンコ・JRAなど)も増長して債務者を増やしている。パチンコは警察の天下り、JRAは国の利権として生き続けている。宝くじも利権。政治家の利益のためのものだ。

 やはり、市場が大きすぎることが問題かもしれない。大きすぎると利権が何段にも発生していて、市場が潰れたら上層部が<おいしい汁>を吸えない。なので莫大な資金で莫大な工作を行える。最近の薬の講演会も、そういう打算をかなり感じている。

 おそらく国は・・・国民に<気付いてほしくない><賢くならない>ことを望んでいる。あの戦争のときも、そうだったのかな。

 反面教師的な部分として、今後も留めておきたい。

 



 病院スタッフは、みな人間関係に悩んでいる。高齢チームは保身に走り、若造は身勝手。保身は集団で攻めてくるし(利害が一致するため)、身勝手は無反応バリヤーではじきかえす。

 僕らはおそらく大半がその間であえぐ存在。保身=不変、と無反応=無神経と闘わなくてはならない。しかし、たいていがその闘い方を間違う。

 そもそも医者が呆れて去る場合、キレるのがきっかけ。ただそのキレる場所とタイミングを誤る。不変+無神経にキレ続けるとそこは相手の思うつぼで、やがては過激な意見や暴言、相手への否定へと突き進む。相手への否定はシステムの障害をもたらし、自分へとツケが回る。

 どうしても医師は学級委員タイプが多く、問題点は指摘するものの人間性レベルまで追求していくところがあり、不本意な多数決によって圧倒される。敵の数が多いほど明白だ。

 まず・・・その団体の首領頭をつきとめ、閉鎖した空間に1対1で呼び込む。そこへ中立な第三者を呼ぶ。感情を排し、答えにくい質問に答えさせ、こちらが復唱。第三者によって記録に残す。質問が逸れたり逃げられたりするたび、第三者とともにストップし追及する。

 この2対1の関係を作ってしまうことが、相手の快進撃を阻む。

 オラはヤン・ウェンリーか?



斜め読み

2009年8月13日 連載

http://www.nhk.or.jp/dodra/saisei/

 ストーリーがかなりバラされているようだが、得意の<大まか斜め読み>で逃げ切った(ぼんやりとした大筋のみとらえた)。放送が楽しみだ。

 さて、この<大まか斜め読み>は(自分にとって)英語の論文を読む前に欠かせないもので、後になるほどつまり結論にいくほど味が出るものだ。論文は結論が当然最後にあるので収束するようになっている。

 最後に達したところで要約(abstract)を読み返し、すると抜かした内容がどこか意地になる。するとそのうち、どこに何が書いているか漠然とだが分かる。ここで妙な達成感が生まれる。すると眠くなくなり、線を引き始め段落を区切り行間に自分なりに要約した日本語を書く。

 これを、日本語の分厚い医学書に応用する。<聞いたら分かるけど>レベルの本を選ぶ。この際、要約+長文形式のものを。さきほどの要領で読む。で、分厚くない本を選ぶ。贅肉が取れた文章に見えて、大地が水を吸収するほど丁寧に読める。

 これは、説明会の司会や仲間への説得にすでに応用している。悪用ではないが、何度もこれで乗り切った。

 つまり人間は、<とても無理>と思われるものが<あ!そっか!>となった途端、積極的についてくる。すると彼らは放っといてもシャケのように上流に行く。そこで用意しておいた<やや無理>な資料を用意する。

 実にローコストだ。しょせん、<一見無理>は<あそっか>の集合体にすぎない。








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