ブラック企業はいまも健在だ。その言葉に進化はないが、境界線が曖昧になっている。じゃあブラックでないのはどういうものか?誰もそれに答えられない。しかし、自分の過去を顧みると・・大学病院などの研修時代は、かなりブラックなことが多かったと思う。

 もちろん病院であるから必要悪もやむを得ない、と言えばそれまで。しかし、システムはかなりの犠牲の上に成り立っている。想像を絶する最下層の自己犠牲、それで破たんないシステムとして維持できるのか・・・?マイケル・クライトンでもこのテーマは難しかっただろう(すでに故人)。

以下、ラップ調で。

 早朝5時起床。負荷試験を患者、起床時、さっそく開始。医局と病棟、行き来をしつつ、指導医への準備、病棟記録。採血当番、注射当番、7時回診、早朝カンファ。ICUへも、遠い道のり、8時、先輩方への、各種伝達、報告相談、日夜会談、降りる階段、9時外来、検査業務も、つきっきりきり、予定の3倍、伝票ラベル、詰まる出力、各部署へ向かい、結果取り行け、まあだ出てない、PC上予約、緊急カテーテル、などの準備と、粋な同僚、検査急かして、俺も寝かして、12時超えても、余裕終わらず、病棟で重症、患者の評価に、愛の対応、そしてぎりぎり、検査オーダー、14時には、先輩方の、手技の介助で、面目躍如、講師は悪女、午後のカンファに、スライド準備、他科に相談、ビビり横断、ビビる黄疸、黄色い夕陽、長いムンテラ、その後説教、イエスも真っ青。病棟患者を、プアに考察、土下座覚悟で、時間切れ指示、不潔なお手手、食事をしつつ、先輩方へ、まとめ報告、当直医のため、エロ本準備、ティッシュ確認、17時くる、病棟回診、研修医同士の、相談に愚痴、学術書開き、ミミズ書き書き、また回診へ、来たよ副直、自慢話に、付き合わされてる、俺は飯まだ、いきなり呼ばれて、白衣で焼き鳥、残りが注射、当番でいい、急変患者の、呼び出しがあり、救急外来、入院介助で、どれも雑用、21時にゃ、肉の出前を、待つよハイテンション、詰所夜勤と、弾む陰口、23時、研修医同士、まるでネット喫茶、お前いつ寝る。24時では、消灯また点き、来たよ同僚、タイタニックのよに、演奏再会、深夜2時、呼ばれたICU、重症経過、眼精疲労、3時にはには、屋外患者、ため愚痴話、仮眠取るにも、しかし起こされ・・以下繰り返し。

 どう?疲れた?
 小さい子供を持つ両親方へ。小児科の知識はそんなに難しくはない。判断できなくとも、知識への関心は持っておくべき。せめてドクターの説明が分かりやすいようにするために。分かって初めて疑問が出るものだ。
 
 子供の病気は時期によって流行性がある。免疫がないために、ブームのように移りゆく。今だとインフル・胃腸炎、春は鼻炎、夏は流行性のウイルス、というふうに。気管支炎・細気管支炎はいつか不明だがまとめた一定時期に来たりする。さすがに発疹の判断は難しいとは思う。高熱の風邪症状で手の発疹とか見る癖などあれば(溶連菌疑い)大したもんだ。

 1つ1つの病気を調べるのもいいが、大事なのは1つ1つがどれと似ていて、だから互いに独立した病気になったのか。そう思えば勉強も楽しくなる。
 

アカデミー賞

2015年2月23日 読書

 アカデミー賞は、いちおう経済効果のある祭りだから、必要悪だ。医療ものでの受賞とかあればいいが、社会性のあるメッセージとなると難しそうだ。

 自分なら、これまでの訴訟などを踏まえたドキュメンタリーだ。個人的な訴訟でなく、企業を対象としたような。以前<ブラックフィッシュ>という水族館でのシャチ事故(スタッフが襲われた)が海外で公開されたが、秀逸な内容であったものの賞には恵まれていない。その内容が経済的逆効果をもたらしそうなのか、日本でも公開されていない

 。日本は原発以後、あからさまな隠蔽が続いているので、(僕らにとっての)ドキュメンタリータッチの映画に対する吸収意欲は盛んだ。テーマの対象は製薬会社、その体質だ。最近のある薬は問題続きだから、これを取り上げてもいい。
 
 なぜ、そんな薬を使ってまで売らなければいけないのか・・・。副作用報告が簡瓶になった理由は、MRの給与体質は・・・ゾロ品発売前の焦り、データの巧妙な仕組み、企業に従事する医師たちなどなど。上層部の役人態度、MR内での表彰式、実生活などにスポット。

まず上層部へ突撃。

「重大な副作用が出てますが。死亡例も多数・・」
「・・・・・・」

MRらの合宿へ。お寺。

「お前らは、なっとらん!」「ヒッ!(一同)」
1週間後の大円団。

MR表彰式。選ばれた上位者。

「ボーナスをどのように?」
「その前に海外旅行だ。この仕事?やめられんよ。イーハー!撮ってる?」

企業医師
「完璧な薬さ。神が俺に作れというんだ。ゴッドラッグ。ゴッドラック、グッドラック」

もと企業医師
「あいつらは、血も涙もない・・・」

プログラマー
「統計をちょっといじりゃさ、ほら。世の常さ。ハミだし組は切り捨てる。俺たちみたいににね」

そして、業界の尻尾すらつかめないレポーターたち。

「さっきのMRはどこ行った!ああ!消えている!辞めたのか?もしくはこれは・・」
「(通行人)おいどうしたんだ!」
「未確認飛行物体・・・」



それはMRじゃなく、MMRだろ!

流星ワゴン

2015年2月22日 読書
 ついつい、感情移入する。これがもし医者版ならどうか?

「俺の父は、俺に借金を残して病気になった。開業医をついだというのに!」
「そうでもないですよ」バックミラーの吉岡。

「そうでもないって。どうしてわかるんですか?」
「それは、開業バブル時代に戻れば分かります」
「バブルって・・・わっ!」

(車、ワープ)

「こ。ここはどこなんだ?」活気ある街。目の前に新築開業医。

「タイムスリップで頭痛が。ここを受診しよう」入ると・・

「なんで、この保険証が使えないんですか!じゃあしょうがない!この札で。えっ?じゃあ小銭なら・・とにかく受診!」

 入るとそこには・・

「なんじゃあこら!頭痛ごときで受診するとは!」
「こら、僕は患者だぞ?」
「こっちはなあ!昼になったら病院閉めてデスコにお出かけじゃあ!」
「軽症だからって馬鹿にするのか!なんて医者だ!」
「おう?嫌やったらもうこんでええがな。上等や!」

 近くの写真に気づく。

「これは僕の幼少・・・なんであなたがこんな写真を?」
「取るなやこら!人の息子の写真を!」
「息子?いまなんて言いました?」
「なんや、おかしなやっちゃなあ!」
「息子・・・(得意の涙目)ってことは!まさか!(唾)」

(回想シーン)

「このイカツイ男が!僕の父親!」

「おとうちゃん!」近くに現れる子供。

「では、これが俺・・・そうだ。このあと息子は名門校の受験に行く。医師の道を進む。そうだ。医師にならなければ借金を継ぐこともない。よし!」

 西島君、いったい何を決めたんだ?(バイ吉岡)

「…別に、どうでもいいよ。そんなの」

 そっちはウシジマ君!

あえて走る夏

2013年8月10日 読書
 暑いのか、熱いのか、もはやどっちでもいい!毎日が続いている。暑いから、冷房をつける。プールで泳ぐ。アイスを食べる。しかしそれでは、俗世間そのままだ。考え方まで、皆と同じになる。

 よしここは逆説的に考えて、自転車で出かけてみた。一瞬、後悔。だがこれも代謝と思えば、苦あれば楽ありの前半部。どこで引き返すか・・・?迷いを感じつつ走る。結婚して自由時間もそんなにはない。だが、その限定された時間内にどれだけ自由を謳歌するか、というのも密かな楽しみだ。

 僕の周囲医師の大部分は(妻に対して)オープンにしすぎて、もはや電車の乗り降り時間まで管理されている。晩のおかずまで買わされている始末だ。帰ったらなぜか来る(妻の)両親との付き合い。もはや、彼らはマゾ友どうしで仲良くするがよい。

 自転車のコースは、中央区から北上して伊丹空港へ向かうコース、あるいは東大阪の生駒で引き返すコース、南方は大和川で折り返し。西は舞州がお勧めだ。そうだ。この舞州はだだっ広いゴーストタウンのようなところで、橋に登るまでのらせん階段が地獄だ。ここを、途中足もつけずに登りきる。あとで飲むコーラの旨さといったら!

 すると、そこは「ニューヨーク1997」「デスレース」の世界だ!

相続

2012年10月17日 読書

 医局でもよく話題に上る<相続>。各人の心配からくる話題だが、高齢者入院患者の家族と対話していると、それに関する何かが見え隠れする。世の中がどんどん非情に、家族が軽薄に、現金になるにつれて・・・具体的な死期の問い合わせみたいなのが入る。

 相続すると国に半分は取られるので、その前に何とかしたいという考えからだ。普段なぜそうしてなかったかというと、子らが孝行しておらず叉は兄弟・親子の確執があってそういう話題にすらならなかった、もしくは親そのものに欲があったり秘密主義だったり。そもそも親が財産関係を早期に子らに委ねてしまったら、子らはすぐに親を見切るかもしれない。

 ただここ最近になって、負の相続を懸念する人たちが増えてきたように思う。これまでは長年の土地・タンス預金など手堅いものが多かったが・・最近価値の暴落した物件、借金を抱えた事業、それこそ借金とか、フタを開けたらとんでもないものが多いと聞く。相続拒否すればいい話だが、そこに預金がからんでも国がまとめて持っていく。

 国が持っていく。相続に関しては巧妙に法律を作ってきた国の勝ちと言える。


 まあここまで持論をオープンにノベられると、かえって潔い。そりゃそれだけ意見を出せば周囲からつつかれるし。矛盾も出てくる。突つく人間に限って、確固たるワールドを持ってないだけに。

 小林よしのりの語り口はマンガの編集をうまいこと利用しており、剛には柔、柔には剛、といった感じで対応する。熱には冷を、冷には熱を。数段階の感情によって、読む者の気持ちを高める。

 病院関係の本も、彼ならきっと上手に書いてくれるものと思われる。



 ゴーマンかましてよかですか?



 参入に法外な手数料を要求し、言うこと聞かない病院は村八分。医師会という存在が医療の進歩を遅らせているのだ!

 こんなふうに。


英語の重要性

2012年9月5日 読書
 医者の世界で充分経たが、果たして英語はどれだけ必要だったのか。留学、万年的な論文作成は別として、勤務医の場合はどうか。

 正直、医師の最初の時期というのは珍しい症例を経験することができる。最初は基幹病院だから、貴重な症例が集まってくるからだ。そのため症例発表や病理解剖、資格の獲得に欠かせないレポートなど、できるのは今のうちといったところ。あとは講演会にも意欲的に出席すべき時期だから、ヒヤリング力もかなり問われる。知識人が集まる会ほど、英語が弱ければ置いていかれる。

 しかしおおよそ5年もして民間病院に配属されるようになると、論文も日本語でなんとかなり講演会も寝るようになり、外人とも接しなくなる。

 でもやはり意欲的な時期の英語は能力を問われる。特にヒヤリング力は、医師になって身に着くものとは思えない。今でも「スピードラーニング」とか聞くと、自分の浅はかな英語力を思い出してしまう。

 書く力・読む力は時間をかけてなんとかなるが、聞く力は速さを問われる。医学生時代に鍛えておくべき。

おじさん図鑑?

2012年9月1日 読書
 うーん。確かにおじさんは、若返った。今の40代は早くも20代の懐古趣味、結婚しても第2の人生プランを掲げる者も多い。つまり、人生まだまだ俺様、ってところだ。

 医者おじさんも40代ならば分岐点でもあり、さてどんな分岐にしようかな、と夢を描ける世代でもある。苦労話も、やっと価値のある時期に入ってくる。老後の生活も、悲観的でもまだコメディ。

 しかし実際はおじさんというのは孤独なもので、本音はできればさっさと家に帰りたいという人が多い。食事もできたら1人が気楽だ。なので<孤独のグルメ>にはなるほどと思う。漫画の方ね。

「ラーメンは・・うん。いける。コシがあるようで、ないようで。はは。どっちなんだ。俺は。さて・・・」

 ガラッと戸を開けて、カバンをかざして小雨の中、早歩き。

 図鑑じゃなく、孤独な1人目線というかさ、そんな映像を撮ってくれよ。「フレーバーフィールド BAKAISYA」とかでもいいからさ!

本気=素

2012年7月28日 読書

 こ、これは・・!

 夢を追いかける中年、しかし周囲はあくまで現実的で容赦なく罵声を浴びせる。その中年は、静かだが実は重く1つ1つを受け止めている。ただそれに悩んだりとか落ち込んだりしても次の日にはきちんとリセットされており、しつこい連中を交わしていく。友人は少ないが、垣根なく大事にする。

 日々の結果がどうであれ・・・他人の、おそらく大半の他人による攻撃(誹謗中傷、干渉など)に晒されたとしても、そんなものに自分の人生を変えられてはいけない、鈍感にでも進んだほうがマシ、そんな教訓を読み取った。

 確かに病院で知り合いが増えるほど、大半はこちらの様子を伺う人間が大半だ。どう見られているかに徹すると、自分の本来でない生き方になってしまう。自分が自分を生きてない。しかし、実はそういった<引き下がれない大人>は多いのだ。

 ここで、話をいったん切る。






http://ww5.tiki.ne.jp/~momotti/kage/hn100.htm


ねこ→(偉そうな)医者に置き換えるといい。



すると・・・


医者は だれよりも 自分が すきだったのです。



ほら、このほうがわかりやすいだろう?



やがて白いねこが出てくるのだが、読者はここでもう泣きの準備に入らざるを得なくなる。



この白いねこの存在感。文章的には淡々としているのだが・・・この存在感は、読者の何かを呼び起こす力があるのだろうか・・・?



さて。君の、白いねこは・・だれ?


医療兄弟

2012年4月22日 読書
 医療版で、リメイクするなら・・・
 
 平田弘明でお願いします。

 弟が医者。大学病院で名医。一方の俺(兄)は、最近とある3流企業をリストラ。弟はいつも学校でトップ。それに引きかえ俺は・・・。

 0からのスタートとして、まずは病院事務員。偉そうな医者に命令されつつも、患者の心を掴む。営業魂を評価され、事務当直へ。異例のスピード・・出世か?

 専門学校に通い、レセコンをこなしこれも前職のPC経験が役に立った。総務課へ配属、事務次長へ。そんなとき、事務長がお縄。俺が舵を取ることになったわけさ。照れるね。

 各病院を回り医師をスカウト。プライドを削るくらい、それは自分の真骨頂。あとは管理開設者。これはどうしても医師でないといけない。医師の上にも、いや下にも何年だ。

 弟は美人局に引っかかっていた。相手は組の女だという。確かにキレイだ。だが俺たちはすでに兄弟だ。

 金を払って別れさせ、その恩返しに院長に就任してもらった。組の奴らがまーだ金を要求してくる。入院して長居はするわ、スタッフとしてまでやってくるわで。あーそこ。ガラが悪くなってないかい?

 弟は優秀だ。誰にも文句は言わせない。理想の診療を追い求めてほしい。保険診療外だろうが、かまうもんか。赤字なら、この兄が組にけしかけて、ほーら魔法のカバンだ。

 大阪で、よくある構図。

 



 


 



 アメコミの映画化は、自由なようで非常に制限が強い。たいていが3部作で契約がなされ、いくら人気が出ても<4>は作れない。作るとするならスピンオフか、新規契約下での焼き直し。

 3部作が前提なら、<1>はどうしても紹介編。<2>でやっと自由な展開で、思わせぶりな謎も残せる。しかしここで役者のギャラ高騰と製作費の制限がかかり、また<3>は丸く収める義務もあり、結果的には盛り上げに欠けることになる。したがって面白さ的には2>1>3となることが多い。

 医者の人生も3部作とするなら、<1>は研修・大病院編。<2>は民間病院での活躍編。<3>は引退直前の療養編で、家族のため冒険は避ける。ギャラの高騰など、アメコミ映画の運命と似てないこともない。

生化学

2012年2月16日 読書

 もうそのまんま、化学の本。構造式、DNA、横文字の羅列。どこまで覚えて、いったいどこが大事なのか。知識の海で溺れそうだ。

 今読み返しても、仕事で直接使う知識はほとんどない。しかし薬の機序や治療の過程で生じるミクロな化学反応を掘り下げれば、ここに行きつく。

 ただ大学病院で実験を行う身分であれば、身近な部分は多い。大学の実験・論文のポイントは「いかに誰もやってないことを自分だけ生化学レベルにまで追求できるか」ということにかかっている。質問にどんどん答えて、有り余るほどその余白を埋めていく。

 妥協を許さない力。それが生化学。ただし現場では、そういう奴は避けられる。

 

生理学

2012年2月16日 読書
 これが大の苦手だった。とりあえず覚えるものではなく、理解するといっても「これがはて、将来どう役に立つのか?」なんて、同級生には分からない。物理・化学が好きな人なら人の倍速で理解できる。しかし自分には当時、その良さというものが分からなかった。

 しかし仕事を始めて、特に人工呼吸管理後の動脈血液ガス分析の理解のためそこでやっと役に立った。ICUでずっと本とにらめっこ。ああなるほど、行きつくのはこの事実か。と何度も何度もページをめくった。生物の「なぜ?なに?」の機序をたどると、ここにいきつく。それが生理学。だったのだ。

 ああ、あと尿細管のイオンの交換の仕組み。つまり電解質。ああ、こういうメカニズムが事実で、これが仮定で・・・!そうだったのか!・・と、仕事を始めて改めて偉大さが分かった学問。

 なので、その意味も分からぬままの学生に難解な問題を出して、生理学アレルギーを作るのは問題だ。あ、でも試験せんと学生は勉強せんからな。

骨学

2012年2月16日 読書

 骨を立体的に学ぶには、実物大モデルが最適だ。実際、高い費用を出せば揃えることもできる。しかし、まずはスケッチ図をしげしげと鑑賞しとりあえず名前を憶え、実物モデルを見て「ああ、そうか!」と感動したほうが楽しい。

 さきほどの組織学・解剖学も暗記の基本は、ノート左半分に図と各パーツ番号、右半分に各番号にあたる名前。それを丸暗記。英単語みたいに毎日開き、同じ順番で読んでいく。そのノートそのものを丸暗記するわけである。

 理解して暗記など、理屈っぽく感動があるようでない。まずは奴隷的に暗記し、それからパズルを組み立てる方が君、まるで家を作るみたいで創造主、いや<想像主>である楽しみそのものじゃないか。

 いずれも暗記の腕試し。暗記の試練だと思えばいい。

解剖学

2012年2月12日 読書

 自分はこれまで、ここまでハマった医学書はない。といえば大げさになる。しかし、編集が上手い。これと高価な図解本と組み合わせれば最強だ。

 医学生初期の勉強の中では、勉強の本体そのものといえる。この知識でメシを食う。戦う。忘れるなど罪。なら本ごと頭にそのまま叩き込め。

 特に血管の走行に関してはその特有の図解もあってインパクトが強い。医者になっても、あああの図解があったら判るのに(おいこら?)、という場面もある。内科医はCTとかいろいろ見るわけで、解剖の知識はアップデートなし(ほぼ)の一生の知識となる。

 どの本でも身につける知識は同じでも、一度見たら忘れない体臭みたいなものが、医学書には必要だ。


組織学

2012年2月12日 読書
 組織学は医学生の初期段階にて学ぶ。組織の細胞を顕微鏡で見て、あとはバーチャルの図解で理解しながら暗記。単語は英語とセットで。この本は<各論>とセットで1日で全て読んでやろう、という征服欲をかきたてるものだ。

 本の匂いが独特。蛍光ペンでなぞると反対側にうつってしまった記憶がある。固有名詞が太字だったのが嬉しい。

 ところで組織学は医療の現場では直接役には立たないが、薬の効用を理解するうえで必要な知識となる。どこの病院でもある薬の勉強会(弁当会?)を聞くうえでその知識が役に立つ(それ以前に、病理学はこれが分かったうえで展開する)。

 なので組織学の本は、医者になっても捨てるわけにはいかない。年々知識がそう入れ替わるものもないし。失礼!


 4Sを利用して一番不便なのは、その電池消耗の早さだ。朝出勤して音楽⇒職場⇒時々メールあり、病院ドクター・患者らとのやりとり⇒帰宅中の音楽・電話・・・そう、この帰宅中に電池がいつも切れかかる。

 しかし、あぁ助かったと思うことはある。夕方以降にかかってくる電話は長電話が多く、その日の一部始終まで聞かされることが多い。正直、会って話の方がいい。なので「あっ、もう電池が!すみません。またかけまーす!」と切って正解だったこともしばしば。

 ただ、ネット・メールの中断はいただけない。できれば電池は電話用・ネット用に分けて欲しいのが本音。

45歳からの不安

2011年10月14日 読書

 アマゾンなどの本紹介を読むと、その紹介そのものがサマリーだったりして得をすることがある。

 この45歳から~(自分はまだそこまでいってない)の本のコメントは、医師にも参考になる。


内容紹介
・給料はもらいすぎるな。早い出世は命取り
 → 雑誌の紹介欄には高給ばかりだが、あとにツケが回ってくる。
・スペシャリストを目指すな。キャリアの幹を太くしよう
 → いざその手技が必要なくなったとき、一気に居場所・やりがいを失う。
・ビジネススキルより人格を磨け
 → どんなうまい技術もトラブる。ふだんの人格がトラぶったときの予後にかかわる。
・人脈は広げるよりメンテナンスが大事
 → 人脈は、知らない間に常に変動する。大半が不安だから。
・自分の強みにこだわってはいけない
 → 過信は他人を見下げ、やがて自ら孤立する。
・年収3割アップ程度で転職するな
 → 降ってきた空きポストにはそれなりの意味がある。
 
「 45歳はキャリアのターニング・ポイントだ。45歳になると、
それまでの20数年におよぶキャリアの答えが出てくる。」

「 よくがんばり結果を出してきた人、部下の使い方がうまい人、
人望のある人には、取締役や執行役員になり、腕をふるうチャ
ンスが訪れる。」

 大学病院で、あるいは各地の病院で培ってきたコネ・蓄積が今こそものをいうときだ。

「 そうでなかった人はポストを外され、転身を迫られる。
 子会社に行ける人、社内で窓際族になる人、転職する人と道
が分かれていく。外資系の企業なら、取締役とか執行役員にな
れなかった人は、転職していくしかない 」

 病院ではそういうことはないが、能力・人脈がないと悟られると足元はみられる。居てほしい医者はそのうち飽きられるが(増えてくるため)、辞めてほしくない医者は永久保存版。

「 そのときにきいてくるのが、45歳までにたどってきた人生だ。
人脈を持っている人、特殊なスキルを持っている人は、それを
活かしてうまく転身できる。そうでない人はいろいろと苦労する
ことになる」

 医者の場合、このスキルは特定の手術・手技というより体力範囲内での好ききらない数こなし、なおかつそれに見合う信頼性・評判。スキルだけではそのうち体力がついてこないから、ついてきたものを持ち合わせているかどうか。

「 あなたの45歳からのキャリアは、それまでにあなたがどういう
準備をし、どのような経験をし、どういう人脈を作り、どういう
スキルを身につけてきたかで変わる 」

「 だから、45歳までに周到な準備が必要になる 」

 45歳の時点で、結局なにも持ってこなかったというのはかなり苦しい状況。持って来れば、これから体力が衰えようがつぶしがきく。

 医者には概して退職金はない。それだけに、あと何年か考えると<評判><実力>だけでは物足りない。


 

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