ついていくとき

2011年4月9日 連載

 医者として技術がついてきて、しかしもうそろそろ最後の舞台を・・・と考えたとき、ある者は開業しある者はコネについていく。大半がこのコネに頼るわけだが、もちろん仲の良い、あるいは大変お世話になった人の仲介でとある責任職につく。

 前任者のあとを継ぐことになるわけだが、必ずチェックしていくおくべきことはそこのオーナー位置の人間の存在だ。院長職は募集すれば見つかるものだが、オーナーはそうはいかない。リスクを嫌われれば避けられてしまう。オーナーの後継が見つからなければ、院長ともどもおしまいだ。

 一番注意したいのが、そのオーナーが一匹狼の場合。一族経営していても、どうやら後継ぎがいそうにないケースが多発している。しかも僕の周囲にこういったオーナーが激増している。確かに彼は1代で築いた。人も集めた。借金を背負った。散財もした。そこで事業をもっとしたいが、実は裏手に回って楽をしたい。ところが・・・

 見つからない。誰もハンコを押してくれそうにないのだ。一匹狼だからだ。ファミリーがいない。いや、それらしき者を実は育ててなかった。これが原因だ。

 そのオーナーは、手取り足取り育てている腹心がいるのかどうか。過去の苦労話を聞かされても、こういう話題チェックも忘れずに。


 今も余震は続くが、被災地の激震を経験しなかった自分でも揺れには敏感になっている。横になって耳を澄まし・・そのまま横向けに寝ると・・水平面が、わずかに傾いているような感覚を覚える。あるいは自分の鼓動を、仮想的な揺れに感じる。感覚が研ぎ澄まされるように、そのまま眠りにつく。こういった日がけっこう多い。
 
 大阪のどうしようもない借金集合体、第三セクターは天保山に多数存在する。ATC、WTCにOCAT。バブル的発想の遺残物で無駄の無駄。それでも府庁を移す構想など、アイデアだけはあるが宙ぶらりんの区域だ。

 この近くに府営住宅があるが、ここにも震災から逃れた人々を受け入れる動きがある。しかし・・・実際の環境や支給品を聞いて驚いた。

 支給品は毛布1枚や歯磨きセットくらいで、エレベーターなしの5階で風呂なし。高齢者を住まわし、近くはコンビニなどの店舗はない。というか、何もない。もともと、がら空きの住宅だったというのも納得できる。しかもすぐそこは大阪湾。あちこちの役場で、直々の問い合わせ(苦情)が殺到している。
 夏に向けての情報が飛び交っており、USB扇風機やアイスノンがひそかに買いだめられている。扇風機はすでに品切れのものも。先を行く形で情報提供してきたつもりだ。

 実は勤務する病院でも、先を予測しての物品購入・対策を呼び掛けてはいる。しかし実際のところは聞き入れられないことが多く(コストの問題で)、結局事態は生じてしまい病院側が後悔する・・の連続だ。だが、そこは政府と同様で、経営側には反省も後悔もないようだ。

 だが自分は、今年も懲りずにいろいろ呼びかけるつもり。

 ではほかに、何が注目されていくかって?

 とりあえずは、サトウのごはん系統・おもちがバカ売れするであろう・・・。

 花見という形式には、なかなかお目にかかれない。日を決めて、場所も決めて・・・人数も。天候や仕事の緊急度によって実現しないことが多い。暇な人間がある程度確保される公立病院では、結構大規模に実現されるようだが。

 医局員でアウトドア派がいれば、割とバーベキューは成立する。日勤帯が終わったあと、不幸な当直以外がみな川・公園へと向かう。買い物好きがセレクトした肉。食うだけの連中が大半だが、それもいい。日勤を終えたナースも到着してくる。酒が入り、賑わう親睦。

 しかし・・・何やら叫んでいるのがいる。医者とナースの喧嘩だ。

「じゃーどーしろって言うんですかー!」(ナース)
「ちゃんとしろって、言ってんだよ!」
「だから、どーすんですかー!」
「モニター、ちゃんと見ろって!」
「呼んでも、すぐ来ないじゃないですかー!」
「来てるよ!」
「来てない!」
「なあ、みんな!俺ちゃんと来てるよな?」

 江口洋介のような、仲裁者は出てこない。もしいたら・・

「お前ら。そんなことで医療ができるのか。そこの2人だけじゃない。傍観者のお前らもだ。治療から逃げてるに等しい。怒りがあるのなら、それは仕事にぶつけろ。とにかくそんな人間を、俺は認めない。帰らせてもらう」

 あ、あとかたづけは、みんなでー!

まず敵を知る。

2011年4月3日 映画

 職場でも、常に選択を迫られる。治療すべきか、しないか。どの治療をするか。結果から、その選択はどうだったのか振り返り、次に生かす。

 ただ勉強だけしてればいいのではなく、いやそういう連中も多いが・・・そういうのは搾取され続けて、気づかないままの人生を辿る(悪い生き方とは敢えていわん)。

 どうしても利害がからんでくるので、特に経営側とは距離を置いておく必要がある。簡単に仲間になるのは危険だ。経営側は<よりよく楽になる>のが目的だから、他人を利用しようとする。

 まず、経営側からの情報は聞くだけ聞き出す。味方の振りをして(実際、心の距離は離れたまま)。会話の中で、敵対にあたる人物などを聞き出す。日を改め、その<敵側>からの情報。<味方側>と<敵側>は交信が通常なく、<敵側>の情報は参考になる。同じ質問を投げかけていくうちに、選択が見えてくる。

 一番陥りやすいのは・・・

 経営側から無理な課題が指示。これに対して苦情。こちらから退職のほのめかし。出てくる末端。末端と激論。されど進まず。心労。言うてる間に妙な協力心が生まれてしまい、それまでのハードルが低くなる。この内向き電流こそが、日本の悪しき伝統だと思う。

 


 今どき聴くと赤面しそうな歌詞もあるが、とにかく前向き。たとえば誰かが落ち込んでいても、ちょっと厳しく叱ってすかさず背中を押す。「どうしたの?それって君らしくない。やれるんだよ!」と一瞬のうちに元気を与える魔法のようだ。

 現代の風潮では「どうしたの?どうでもいーんじゃね?好きやればいーし」と、問題から逃げてもいいことになっている。

 あなたには、背中を押してくれる人はいますか?エーシー?

 
 上野樹里のキャラみたいなのは、病院でもよく目にする。それがまた、仕事もイマイチだったりする。

「しぇんしぇい。てんてきまちがえましたでしゅ」
「あさのくすり、わすれちゃったでしゅ」

 とんでもない話だが、だがこういったナースらスタッフに弱い医師も多い。優しくすぐ許してしまう医師が増えたと思う。少なくとも自分の周囲は。

「うん。いいけど別に」
「え~しゃんしゃえほんとに、おこんないですにえ」
「はい」
「しぇんしぇえ、こんどのみにつれててください。もちろんしゃんしぇのおごりでしゅ」
「また今度」
「いー。けっこうもらってるはずじゃのに」

 それでもこのキャラは引き下がらない。

「また今度また今度って。いちゅになったら、つれてってくれるんしゅか。そうしてまた、てんきんしちゃうんでしゅか!あーもうしおくりだ。ゆうがたのてんてき、おわるまでまててもらえましぇんか。せんせい、しじだしすぎでしゅ」

 ああ、どんどん低レベルな話に・・・。


 怖い話。医局で時々、する。怪奇現象などが中心だがノンフィクションが原則。一番怖かったのがいくつか。

・ 当直室に入って、電気を消した瞬間。近くの鏡に顔の残像が。消えずに残る。目を閉じても残っている。ぽかーんと口を開けた顔だという。つまり当直医師の疲れた顔。おかげでよけいに眠れず。

・ 「寝たきり」で入ったはずの婆さん患者が、歓談中の詰所横で・・無音で立ってた。というナースの話。

・ 当直室の外で、何やらすすり泣きが聞こえた話。足音が立ち止った音。そんなときに限ってプルル!心臓飛び出す呼び出し音!

・ 当直室の内線に、まさかの無言電話。誰だ?犯人は限られるんだろうが。

・ 夜中に、いきなりついたテレビ。貞子は出てこなかったが。

 これくらいにしとこう。でも一番怖かったのは、予備校時代に大音量で聞かされたオフコースの「YES YES YES」。≪お願い。わたしにも聴かせて≫。

水の価値

2011年4月2日 連載
 関東へ水を送り続けて1週間。知り合いが多いということが、これほどまでに大変なことだとは・・・だがやりがいのある仕事だった。どうやら事態は落ち着きつつあるようだ。しかし通販は未だ不足が続く。

 例外的に南アルプスの天然水が激安で在庫有り。これもどうなるかは分からん。http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC-%E5%A4%A9%E7%84%B6%E6%B0%B4-%E5%8D%97%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%97%E3%82%B9-2L%C3%979%E6%9C%AC/dp/B0030IMHYG/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1301751895&sr=8-2

※ すみません。この記事アップ数時間後に完売したようです。

 酒屋のじじいから聞いたが、今月には有り余るほどの在庫が潤ってくるという。しかし価格改定(値上げ)の形だと。水ビジネスはアフリカで幅を利かせているという話を聞いたこともあるが、日本でも十分その市場にされそうだ。

 



トラボルタ

2011年4月2日 映画

 だんだん老けていくトラボルタ。もちろん僕も老けている。

 トラボルタの役はたいてい、最初は酔っ払いキャラ→居眠りキャラ→本気キャラ→真面目キャラ→冷静キャラで終わる。吹き替えで表現すると、

「そーら俺が来たーさーどうだー!」(やけくそ)
「あー。どうでもいいじゃないか?このクソ坊主!」(そして打ちのめされる)
「やったろうじゃないか!さあかかってこい!」(能力発揮)
「お前は何も知らなかったのか?でも序の口だ」(冷めた顔)
「こういうことだ」(え?これで終わり?)

 病院での業務も見習いたい。トラボルタ・パターンでは、

「そーら遅刻したぞどうだー!」
「こおんなに患者が貯まってる誰のせいだまったく!」
「さあ次いけ次!」
「いつまでかかろうと、俺はへこたれん。なぜかって知りたいかあん?」
「教えてやる。明日から産休なんだ。サンキューってな」

 そのオチカタがまた、トラボルタ!

 理想的なトラボルタ・パターンは、

「そーらまだ誰も来てない患者すら起きてない!」
「夜勤のナースらめちゃんと診てたのか?」
「ほらもう!総回診終了だ!」
「朝の救急は積極的に。そうさ入れた」
「おはよう。だがもう満床だ。どうしろと?」

 軽症を、早く出せ!

 みんなもトラボルタの、いいとこ取れよ!

エネループ!

2011年4月2日 連載

 単1・2のバージョンがあったなんて、今回の需要で初めて知った。今もまだ単3・4しか店頭で見かけない。

 単3エネループはもう2年ほど前から使用している。ヴァーチャルヘッドフォン、ゲームリモコンなど。ただ、1年ほど使用していたら電池が充電できなくなったケースが多かった。しかし十分モトは取れたつもりでいる。

 これにソーラーシステムが加われば最強!

 ・・・反面教師を語るうえで欠かせないテーマだ。

 みな、たとえば勉強でも仕事でも最初は童貞っぽいところからスタートする。しかし慣れと競争で凶暴になっていき、マシーンになる者こそがスポーツでも勉強でも仕事でも勝者となる。

 その過程にはチームなどの存在もあるため、正直自分の能力より下の人間はどうしても足手まといと思ってしまう。損得も明瞭になり、人付き合いまで変わる。これらの選択の結果、一部の上流だけが情報を分け合いまず生き残ろうとする。遺伝子の持つ本能なのか。

 それは正義とも悪とも言われないんだろうが、少数の<力のある者>が楽をするために、多数でも<より力のないもの>に苦を平気で受けさせる精神は明らかに悪だろう。人間味がない、もう人でないということ。

 しかし<力のある者>は楽が目的だから、手段を選ばない。そこで違法が生じて、徹底的な隠ぺい・嘘に走る。利権があるから何重にも隠される。あとは数十年も解凍される心配もない。

 そういうピラミッド体質があるから巨大マンション・ニュータウンができるし、報道も制御できる。医療も依然、医師会の手の中にある(これはちょっと言い過ぎ)。

 文章を遡ると分かるように、そもそもの過ちの出発点は・・・「自分だけ楽をしよう」という発想だ。人間の本質なのかもしれないが、サルでなく文明人ならあえてこの発想と戦いたい。すました人間より、まだせっかちなほうがいい。



得られた教訓

2011年4月1日 連載
 いろんな報道、サイトなどを総合的に見て、日本の政府が戦後もいかに国民を騙しつづけているか感じてきた。原発にからむ様々な利権だ。バブルで浮かれていたときすでに、ずさん建築の原発はすでに完成していた。そこではたまたま大きな地震がなかった。これがかつての<平和な国>の正体だ。

 いいときは、いいのは当たり前。だって何も(悪いことが)起こってなかったから。悪いときの対応が一貫して用意されておらず、今回こういう結果になった。

 それにしても・・・これ見よがしに野党的な連中(宗教まで含めて)が暗躍しているが、こいつらもしょせんポストを与えられないへの歪みにすぎん。

 ならば、やはり反面教師として生かすしかない。疑い深い国民になったのならそれもメリットだと思う。1つ1つ、疑いつつも情報を自ら選択していける。この情報・・・は、残念ながら下に行けばいくほど修飾されたもの。ならその手段として、勉強でも何でもして<上流>に近づいていく努力がいる。

 自分はおそらく今後数年して増加していく、悪性腫瘍・血液疾患の早期発見の勉強に(これまで以上に)力をいれるように・・と思った。ああ、でも思っただけではまだダメなんだ。反面教師を気にしつつ、自分の言葉に責任を持ちたい。

 

ACのCM

2011年3月31日 連載 コメント (1)

 癒し的なポポポーンはいいとして、どうも生理的に受け付けないのがトータス松本だ。大学医局で、みんな瀕死の状態なのに医局長が「みんな忙しいと思いますが、そこはお互いで助けあって気合で乗り越えましょう」と言って彼はぬくぬくと5時に帰っていたのを思い出した。

 なので、自分はあまり「大丈夫だよ」とかいう言葉はあまりにも軽く思えて、使ったことがない。

N95

2011年3月30日 連載 コメント (1)
 鳥インフル騒ぎの時、あちこちの病院でひそかに揃え眠っている<N95>。放射能対策にも効果を発揮する。千葉では自治体がとんでもないことをやらかしておりhttp://takedanet.com/2011/03/41_19d9.html、国による圧力は予想以上のものと思われる。

 責任の所在があまりにも大きい組織ばっかりで、その中のどこに届くべきか見えない。その責められるべき存在は、実は届かないところにいる。

 やはり世間一般と同じ危機感ではいけない。まずい。水の確保も手を緩めず風向きチェックなどを継続しマスクも常備しておこう。騒ぎが起こったときは、業者がもう買い占めている。
 電力会社、とりわけ東京電力http://nensyu-labo.com/kigyou_tepco.htmは年収も高いなりに一流大学の出身者が多いhttp://2chreport.net/nt_08_x.htm。よってコネがあちこちに多数ある。

 医者の場合もそうで、新聞社などマスメディアのコネも多いから、例の<たらいまわし事件>のような偏った報道ができる。お互いに「何かあったら頼むぞおい」的な存在なのだ。

 なので、みのもんたがこの会社に「ごくろうさん」と演出しているように思えた。もちろん現場に出ている人たちの苦労には脱帽だが、肝心な発言がどこにもみられない。
 それは・・・責任者の追及。http://news.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&p=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B+%E7%A4%BE%E9%95%B7+%E6%B8%85%E6%B0%B4%E6%AD%A3%E5%AD%9D&ei=UTF-8

 医療の世界でも、時々「責任とれ」と思うような撤回があるよ。カテーテルの誰々式デバイスとか、新薬とか。そういうのを奨めてた医者も、謝った姿見たことないもんな。


 文部科学省のここは毎日必見。

http://www.mext.go.jp/

 

プルトニウム

2011年3月27日 連載
 ・・の漏出が現実的になってきた。半減期が2万年以上?海水への放射性物質のことも考慮すると、東北だけでなく関東の海沿いはもはや生活どころか強制避難の対象なんじゃないか?パニックとか言うてる場合じゃないと思うんだが。

http://imagic.qee.jp/kairyuu.html
海流は概してこういう流れ。水道水も重要だが、海水のモニタリングは。

 しかしそれとは別に、プルトニウムの影響を冷静に見ている専門家もいる。というか、こういう人の意見を先に聞くべきだろう。

http://takedanet.com/

 うーん・・・でも。今すぐに退避するのではなくとも、即刻退避の指示が出てもし国が具体策を出さなかったとき・・・自分は、我が家はどう行動すべきか考えておく必要があるのでは。その地域の人だけでなくその親戚・仲間にも責任がかかっている。
 仮に自宅の電気供給がうまくいかなくなった場合、それも長期でなら、正直家では暮らせない。無理だとしても、一時的に家から逃避したい。乗用車で出かけもするだろうが、それなら寝る場所も兼ねたい。

 現実的ではないが、そこで浮かんだのがキャンピングカーだ。写真のようなドデカいものとは限らず、一般車に近いものもあるし中古車も売っている。軽での値段はピンキリで50-300万円くらい。

 実際、アメリカでは家をもたずキャンピングカーで野営を張る団塊世代も多い(これにはサブプライムの背景などもあるが)。

 管理は大変そうだし駐車場をどうしたらいいか、盗難など不安だが・・・。でも仮眠がゆっくり取れる車はうらやましい。一般車では眠れても完全な水平面が確保できず、首や腰に悪い。

夏に向けて

2011年3月27日 連載
 先日紹介したUSB扇風機のほかに、役立ちそうなアイスノン枕。計画停電→エネルギー・パニックによる真夏の猛暑は東北~関東のみとは限らない。海はアレだからプールは混むだろうし、熱中症も増える。風邪で高熱になるとも限らない。

 なにより繰り返し使える、という機能に安心する。

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