http://www.fami-geki.com/recommendnext/index.html

 来年は、「1」シリーズのリメイクがテレビで放映されるという噂。果たして今の世間にとって、ヤマトはどう受け取られるのだろうか。実写化が決まっているだけに、その責任は大きい。

 もし病院が、ヤマトみたいに移動出来たらどうだろう?と空想するのは私だけではあるまい。患者の受け入れ先を探して・・・。

 小学校の時のギャク「全○門、開け!」が、地元の僻地にむなしくコダマする・・・。

 繰り返すが、今年はワクチン(季節性)の入荷がどの病院も<昨年実績(使用本数)の7-8割>となっており、在庫わずかな病院も出てきているようだ。なので、たとえば本日病院を定期受診してでは次回、となるとひょっとしたら・・・ということもありうる。

 大阪の一斉ともいえる学級閉鎖は11月1日まで。2日の月曜日より登校。だが3日は休日だろ?ケッ!

忘年会、続き。

2009年10月28日 連載

 ここはチャンスの場でもある。他の病院を探している医師は、ゲストで来ている非常勤医師とプライベートに話せるまたとないチャンスだ。もちろんナースや他の職員にもチャンスの可能性はある。

 忘年会のシーズンは楽天的な雰囲気が支配していて、大風呂敷を広げやすい。人脈を広げたりタナボタを受けるにはいい機会ともいえる。そういう意味では新年会は対象的な雰囲気だ。

 つまり、末端へ流れるはずの情報を、その中途で捉えることが可能かもしれない。もちろん、仕事面での話だ。とにかく、とことん話す。話題を1与え、2頂く。もらえなければ2与え、3頂く。で、必ずメールか何でもいい、次の機会のためのアポイントを。与えた分が多くてもいい。いざというときのお願いがしやすくなる。会話は2対2から1対1というふうに。

 忘年会は絶対に出て、酒に飲まれぬこと。出席しないのはもったいない。むしろ陰口ネタにされてしまう。こういう世界では。 


今年の忘年会

2009年10月28日 連載

 ・・・またしても、やってくる。数少ない、全員集合の日。順番からすると、乾杯の音頭がそろそろ回ってくる。

 自分が未だに嫌なのは、次々とやってくる挨拶回り。こっちに迷惑をかけてキチンと謝罪もない奴らが、帳消しにやってくる(意味わかるかな?)。忘年会には、それこそ恩赦でももらえそうな不思議なポテンシャルがある。

 で、サプライズもある。実は隅っこに座ってる男性は・・・

『来年から、来ていただく先生です!』

 と、盛り上がることがある。後日、この紳士はこのように物語ることになる。

「まだ入局も決まってなくて、<来るだけでいいから>って言うから来ただけなのに。あのときは、やられましたよ」

 あれは・・・その後、彼が入局するための効果あるパフォーマンスだったのだ。

 私がしかけた。
 
 医局で自分らが勝手に「第一艦橋」と呼んでいるうどん屋が、新大阪駅の改札くぐったところにある。名前は忘れたが、本屋の横だ。雰囲気がどことなく「総員、戦闘態勢」なのだ。京都までアルバイト行った帰りなどに立ち寄る。ここまで戻るとホッとする。

 客のオーダーを受けた艦長室から、艦橋に指令。

「肉うど~ん!一杯!発射!」

 そこまで言わん言わん。

 さあ食い終わったら、コスモタイガー発進!

 違った違った、セルフで片付け。

 

大流行

2009年10月22日 連載
 こちら大阪市。学生らがインフルに罹りまくっている。特に中高校生。この間まで小学生主体のように思えたが。学級閉鎖が相次いでおり、今度の日曜日まで休みが決まっているところも多い。両親らは意外と平気だ。

 内科医ながら小児科をある意味続けられているのは、(たまにだが)親からの感謝に勇気づけられている理由もある。やはり何事もそうだが、感情的な達成感を感じてこそ長続きできる。

 ・・・というのが、今日とある小児科でアルバイトして帰ってきたあとの感想であった。

大阪でも今日から新型インフルワクチン・・・なのだが、民間病院は回ってくる数がどこも限定的。知ってる病院(200床前後)で平均20-30本。つまり職員数レベル。自分も近々、注射する。

 次の入ってくる分が11月下旬とかいう噂なので、果たして患者分まで回ってくるのか・・・?これはかなり深刻だ。

 一方の季節型も危機感からか、発注の遅れたところは(例年より)かなり待たされる模様。開業医、特に小児科でかなり押さえられていると聞く。

 その点、企業などはしっかりしているらしい。特に病院との<契約>があるところでは数がきちんと押さえられる。まるでUSJの<ダイレクトイン>みたいな。ちょっとした矛盾にも思えるが。

 
 で、そのバーベキューで女どもから聞いた話でいろいろ感心した。ホントに彼らは、毎日人の会話だけでなくその(周囲の)相手の髪型から服、靴下の色まできっちり<評価>しているんだなあと。

 自分は、以下のように評された。

・ 髪型 ・・ たまに後ろだけツンと突っ張っていることがある(寝ぐせ?)。もみあげの長さが左右微妙に違うことあり(ほっとけ!)。耳にやや髪がかぶるのが気になってしょうがない(「耳かぶせ」とか呼んでいるらしい)。散髪に行ったあとは直っている(そりゃそうだろ!)。

・ 表情 ・・ 朝は不機嫌そうで、こわいことがある。昼前になると優しくなる。

・ 言葉 ・・ 直接話すときは優しいが、PHSのコールだと別人みたいに怖いときがある(そっちの内容にもよるだろが)。いきなり切られるとショック、その日は皆で落ち込む(あのなあ)。

・ 白衣 ・・ たまに(処置後の)血がついていて気になる。エリが多少曲がることも。長そでをめくるのなら、短い白衣に変えてほしい。足を組んでるのはよくない。背中に時々髪の毛があるので、ガムテープでそっと取ったことがある(そうなのか?)。職員食堂には白衣で来てほしくない。

・ 靴下 ・・ たまに派手な色があって面白い。今日は何色かと当てあうことがある(ヒマ人が!)。でも先っぽまできちんとはいてほしい。

・ 医局の机 ・・ 私たちが入ると、パソコンをサッとたたむのが怪しい(このブログをしてるとき)。いやらしい予測をしている。何か暴くのが目標。

・ 車 ・・ 後ろの座席にゴミがポイしてあるのが気になる。ガソリンがいつも<E>に近くて大丈夫?と思う。



 そんなとこまで見てたのか!






 冊子には一応<案>とあるが、医師らが今頃これを読んでいる。

※ 「・・」「→」は自分が勝手にほざいている内容です。


① 慢性呼吸器疾患

・喘息・肺気腫・慢性気管支炎があって受診している場合

 ・・ 6ヶ月以上咳・痰があれば慢性気管支炎ということを考えると、本当はヘビースモーカーのうちかなりの数が入るかもしれない。本来。

・以下の肺疾患でHugh-Jones分類3(平地歩行でさえ健康者ほどでなくても、マイペースで1マイル以上なら歩行可能)以上の重症度がある場合:陳旧性肺結核、非定型抗酸菌症、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、間質性肺炎、塵肺など。

 ・・ まあ結局、症状があるすべての呼吸器疾患ということか。ただこの基準(3)はつまり(2:平地は人並みにOkだが坂道・階段歩行が人並みにできない)と(4:休み休みでないと50m以上歩けない)の間と思えば分かりやすい。

・過去1年以内に誤嚥性肺炎の既往あり

 ・・ 特別養護老人ホーム、療養病棟にかなりの数をもつと思われる。


 → 肺癌以外の呼吸器疾患で症状のある人は、ほとんど当てはまるのではないか。



② 慢性心疾患

・ NHYA2度以上の慢性心疾患ありの場合。1度は病名ありでも生活は普通。2度は軽度の制限。つまり安静では症状ないが、日常的な行動で症状が出てしまう。日常以下の行動でも症状が出ると3度となる。

 → 日常に支障をきたす2度以上なら、何らかの投薬を受けているはず。治療中ならあてはまるはず。

③ 慢性腎疾患

・ 慢性透析中
・ 透析導入間近
・ 腎移植後
・ 以下の腎疾患に対してステロイド・免疫抑制剤で治療中:ネフローゼ、慢性糸球体腎炎、血管炎、自己免疫疾患など。
・ 腎機能高度低下のケースで重篤な合併症、特に免疫能低下、慢性呼吸器、心疾患など。

 ・・ 腎機能が悪い場合、たいてい合併症がある。腎の血管に障害があること自体、他の部分の動脈硬化があるのは明白。

 → 腎障害があること自体、複数の疾患をもつことになえいそれ自体ワクチンの適応に入ると思うが、数値的な基準に(そもそも正確な測定が困難な)GFRを持ってきていてややこしい。

 → 確かに腎機能が悪い人が入院して点滴治療など受けると、入院が長期化して心不全など合併しやすくなる。インフルワクチン以前に、肺炎球菌ワクチンも見直すべき。

④ 慢性肝疾患

・ 肝硬変でChild分類ABCのうちBとC。

 ・・ つまり5項目(脳症、腹水、総ビリルビン値、アルブミン値、PT値。後者3つは採血結果)をそれぞれ点数化したそのスコア数が7点以上。ただ、腹水が中等度以上たまっててアルブミン2.8以下のみだと6点どまりというのが微妙。

・ 自己免疫肝疾患でステロイド・免疫抑制剤使用中。


⑤ 神経疾患・神経筋疾患
⑥ 血液疾患

 は箇条書きといった印象で、具体的病名が挙がっている。

⑤のうち症例数が比較的多いと思われる重症筋無力症、皮膚筋炎、多発性筋炎もリストアップ。ただしALS、筋ジストロフィー、パーキンソン病、脊髄損傷などは「呼吸障害などの身体脆弱性をきたした者」とある。

⑥では全ての造血器腫瘍(白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫など)があてはまる。なお幹細胞移植後は半年<以降>となる。理由は6ヶ月以内ならむしろワクチンによる免疫獲得が期待できないから。


⑦ 糖尿病

・ 合併症(詳細あり)あり、または糖尿病合併妊婦。
・ 1歳から高校生の年齢までの糖尿病。
・ 上記2つに該当しないもインスリン治療を要する者。

 → つまり血糖コントロールがどうとか現状は関係ない。血糖が高くてもインスリン拒否してたりする者もいて、そこが複雑。

⑧ 疾患や治療に伴う免疫抑制状態

8-1 悪性腫瘍

・ 幹細胞移植予定あるいは移植後半年以降
・ 造血器腫瘍患者。ただし、治療終了から5年以上経過し治癒したと判断される患者。

 ・・ この<治癒した>というのはあくまで客観的な材料(画像)で再発の兆候がないと判断されたもので、将来永久に再発がないとまで保証するものとまではいかない。

・ 白血球減少を伴う抗がん剤治療を受けている患者。受ける予定の患者も含む。

 ・・ 抗がん剤自体、ほとんどが白血球を減少させると思われる。ただ、合併症が少ない特殊な治療(免疫細胞療法など)を受けているケースはどうか。

 → 悪性腫瘍自体がある意味免疫を低下させるわけなので、それ自体ワクチンの適応と思うんだが。

※ 「固形がん手術後の非担癌(癌を担ってない、つまり取り残しなし)患者および早期癌患者では免疫能低下は通常認めないため優先対象ではない」とある。手術で取りきれた場合は優先対象でないということ。


 8-2 関節リウマチ・膠原病

・ ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤を使用中の者。

 ・・ ただし詳細があって、ステロイドはプレドニゾロン換算で5mg/day以上。


8-3 内分泌疾患

 ・・ 専門外来に受診中と思われる特殊なもの以外では、<甲状腺機能が正常化していない甲状腺機能低下症>。極度の肥満(BMI>30あるいは腹部内臓脂肪面積100cm2以上)に慢性疾患(睡眠時無呼吸、慢性心不全、慢性呼吸器疾患、慢性腎不全など)が加わった場合は優先される。極度の肥満で無呼吸を調べたら、たいていひっかかるような気もするが。

 8-4 消化器疾患(肝硬変以外)

・ 消化器癌(切除後、未切除も)で抗癌剤治療を受けているまたは受ける予定の者

・ 炎症性腸疾患のうち免疫抑制療法を受けているまたは受ける予定

・ 自己免疫性肝疾患やすい臓疾患で免疫抑制薬・ステロイド治療中

8-5  HIV感染症・その他の疾患や治療に伴う免疫抑制状態

 ・・・ 先天・後天性の免疫不全、免疫抑制治療中、医師が免疫抑制と判断した場合

⑨ 小児科領域

 ・・・ どの分野にもかかわらず、「小児慢性特定疾患受給者証」を持参している方、特定疾患対策事業の「対象疾患受給証」を持参している方、とある。

















 



 










 この6年、友人と話して「ひょっとしてそれは自分のサイトの話じゃないか?」と冷や汗かくことが幾つかあった。サイトの話がこれだけ蓄積するとつい油断して、重複した話を人にしてしまったこともある(あとで気づいた)。いや話というものではなく、独特の言い回しやギャグなど。

 そこで悩みが出てくるが、ふだんの会話とここでの会話の距離がだんだん近づいてきていることだ。内容が違っても、話の運び方が似る。いや、理由はもっと別のところにある。

 それは自分がある程度上の責任役をやることで(それが偉いとは限らない)、相手に語って聞かせる立場になっていること。このサイトでも平気で堂々と載せている。

 実はここで堂々と述べていることを、確信したものとして職場で発揮しているような面もある。

 つまり、内容が<下の立場>→<上の立場>で書く意識が潜在している。<上の立場>の場合、主張を書き込むことは職場でのストレスと一致する。道理でキーがためらうわけだ。

 そうか。それで、更新の頻度が減ったんだ・・・。



 友人を通じてアルバイトを紹介してもらった際、契約につきメルアドなど個人情報を登録した。以来、怒涛のようにメールが来る。ま、時々「図書券」などを餌にしたアンケートも個人情報が目的なのだが。MRのアンケートも、担当MRの成績・サラリーまでがかかっている(ときがある)。

 これらのアンケートの最後には「先生の病院の病床数は?」などとさりげない核心問題が掲げてある。頭を使う内容が終わって、油断したところに存在する。

 話が戻るが、このメールはメールで参考になる。いまの病院の現状、給与体制の現状などを垣間見ることができる。メールで回ってくるのは末端情報なので、言い換えると「あちこち回ったが駄目だった」話。お見合いの写真みたいなもの。なのでそれなりのデメリットがある。それが何か考える練習になる。

 末端情報というのは、つまり受け身でも入ってくる一見お得な情報だと思っている(惚れてはいけないもの)。ただ自分から行動できないのであれば一旦その情報に従って、水面下から本当の情報をスパイする考えもある(最初は非常勤まがいから)。

 なので一見無意味な<迷惑>メールも、有益な反面教師であるとする考えがここにある。
 






おでかけ転送

2009年10月13日 連載

 みんなの通勤時間は、いかほどだろうか。自分はこれまで5分から長くて1時間。勤務年数にしたがって、延びてきているのがお笑いだ。特に循環器スタッフが少ない場合(しかも緊急カテが受け入れ必至の場合)、半径30分以内というのが暗黙の原則だった。

 大阪市内で車通勤は、場合によっては殺人的というくらい渋滞に見舞われる。行きはともかく、帰りが大変だ。なので自宅から勤務先は、車で行くケースと電車で行くケースに分けている(勤務地を選ぶ時、これも考慮した)。

 電車で行く場合にはモバイルで音楽もいいが・・・ときに事故による停車などのアクシデントによって、思わぬ時間つぶしを要求される(もちろん帰り道)。

 レコーダーの動画をモバイルに転送しておき見れる体制にしておくのも、生活の1つの知恵。自分はCSのミュージックビデオ、ドラマ、BSの劇など。漫才は笑ってしまうから問題だろう。ハイビジョンコンテンツは転送にかなり時間を要し、画質もかなり劣化するようだ。

 いや、ゲームもしたいんだが・・自分の場合、思わず「あっ!」「くっ!」とか口に出してしまった経験があるので。



結束

2009年10月10日 連載

 最近、病院内での<結束>が固くなっているという。いや、これにケチをつけるつもりはない。ただ、この<結束>は団結の意を指すとは限らない。分類を大きく2つ。

① 医者サイド ・・ 医者が辞めたら病院は終わり、という強気な意識が普通に芽生えている。院長は別として、その他大勢は<体制>の流動を微妙にキャッチし、<やること>と<しないこと>を明らかに区別する。で、<やること>は必ずする。が、<しないこと>は絶対にしない。つまり・・・<場合によってはしてあげる>姿勢が消えつつある。過労への危機感、さらにこの不景気(病院もそうなってる)も関係しているものと思われる。

 要約:<やる>と決めたことにのみ、お互い閉じこもる傾向(協力は2の次)。

② 医者以外サイド ・・ 情報を重要視した<集団>が、職種が入り乱れつつも階層を形成し、安定している。ただし旧態然たるもののイエスマンが生き残るのが常であり、若手は精神的苦行を要する。彼らが知りたいのはズバリ、上層部・医者サイドが握っている先行情報だ。みな、こぞって様子を伺う。ときに集合しお互いを確かめ合う。一見集まりはいいが、常に選ばれたメンバーだ。みな土着性が強くなる。

 要約:秩序ある理想郷を内部に作り、その帝国を守る(タナボタ待ち)。

 またネガティブな話をしたが、これらは反面教師。ルールを盾に閉じこもったり、過剰に警戒したりすれば・・・1年1年が同じ年。単純な人生だ。つまらない。輪の中から出れる人材は個性に満ちていて、いつか必ず貴重な存在だ。



 

 




復帰

2009年10月8日 連載

 やっとパソコンを買い換えた。故障してから購入までの長い間は、ひたすら傍観者。ここ数週間は慣れないために使い勝手が悪く、例えばせっかく作った文章が・・・ふとした拍子に<飛んで>しまったりして、書く気をかなり削がれたこともあった。

 しかし故障は続くもので、プリンター、掃除機、BDレコーダーが次々と機能不全となり、かなりの財政出動となった。仕事柄、退職金が出ない将来が危惧される。

 ひょっとしたら退職時には趣味のコスト規模を縮小しておいたほうがいいのか・・・?

 だがこの期間、またまた色んなところで色んな現状を耳にした。また少しずつ話していこう。






 自治体としてはおそらく・・・将来的に希望がなさそうな我が故郷に、この連休を利用して里帰りした。市立の病院は医師がどんどん引き上げ、夜間の救急は断っており悲惨な状況だった。実家にはどこからか刺客(市の職員の知り合い)がやってきて、僕の勤務先などを詳細に聞こうとしたという。

 自分はいったん実家の近くで診療に従事したことはあるが、そのときの(10年ほど前)病院長はどこも強気だった。医者が増えて行き先なくしたらリストラ嵐が吹き荒れる、という噂すら流れたほどだ。<内申書>がかなり価値を持っていたのもこの頃だ。

 これら、強気だった面々も僕らはよく覚えている。ああいう時代にもうちょっと彼らに謙虚さがあれば(将来困ったらヘルプよろしくなど)、こちらもちょっとは考えてあげたんだが。

 あくまで考えただけ、だろうけど・・・。
 もうあと2話程度になってしまったNHK<再生の町>。僕らの間では、早くも会話劇が話題になっている。以下、主役と若造をもじった会話。

「この病院の今後を考えますと、院内旅行にかける経費を削減したいと」

「先生。あなた何おっしゃってますのん。院内旅行は、みんなが唯一楽しみにしている一大行事ですよ?それを最近来られたアナタがいきなり中止をやなんて、誰が納得するんですか?しませんよ」

「・・・ですが。院内旅行したからって、絆が深まるわけやない。本当の絆は病院の中で育むもんや。仕事して汗かいて、ぶつかって悩んでお互い泣いて、それが絆やと思うんです」

「何をふざけたこと言うとんですか。僕ら、普段もちゃんと仕事はやってはります。綱渡りのように業務もこなしてます。でもレクレーションは潤滑油と思いますねん。みなこの不況の中どこか殺気立って、イライラしている。そのことぐらい、僕だって分かります。僕だってキャバクラに行きたい。でも先生、1回でも連れてってくれたことありますか?」

 そのとき、岸部一徳に変貌。

「・・・お前。何を期待しとんねや?」

 ここで笑った奴が負け。そんな変なゲーム。







落とし穴

2009年9月15日 連載

 医局でよくする会話。に関しては以前とりあげた。朝はちょっと早めに来て、皆が揃ったところで・・・

「こういう人がいるので」

 とオープンな情報開示。その上で(専門により)特定のドクターに「よろしければ一度確認を・・・」と声かけ。すかさず詰所に「○○ドクターに声かけたんで。来たら宜しく」と。

 余裕がない人は、いつもギリギリにやって来てテキパキ動いて消えていくので、誰からも声がかからなくなる。余裕がないと言ったが、心の器での話。こういう医師ほど自分で問題を起こしては、自分でもみ消すようなことをする。

 だが、たいていはこのオープンでないタイプになっていく。年を取って無口になるのは世の常だが、そこは気をつけたい。

「翼の折れたエンジェル」を知ってるか?


25 患者と泊まり
30 飲み屋と仕事
35 理想に燃えて
ため息覚えた40

今の自分がそこ。それ以降はおそらく・・

45 家庭に追われ
50 当直やめて
55 鶴の一声
60 隠居寸前
年金おりずの65
70 はじめての入院(は?)
内縁付き添い75

なんで内縁なんだ!そんな人生はいやだ!








落とし穴

2009年9月15日 連載

 いつぞやの(内科)医局の会話で、発見の遅延経験(発見時、すでに進行状態にあった)がある疾患。

① 乳癌 ・・ ふだん、ノーマーク。たまの腫瘍マーカーくらい。これの検診は(内科系正常でも)絶対受けてほしいとの声。

② 胆管癌・膵臓癌 ・・ 腹部エコーの胆管の拡張に気づいたときには・・・との声。

③ 肝臓癌 ・・ 飲酒やB・C型ウイルスありでなくとも、起こりうるとの声。やはり通常の検診で受けときたい。造影検査までするかどうかもケースごとに課題。

④ 胃癌・・ 胃バリウム・胃カメラ以外の検査が正常でも、初期病変の可能性は否定できないとの声。検診でバリウムない人はそれで安心はせずに。

⑤ 大腸癌 ・・ 中年女性で便秘なら、便と腫瘍マーカー正常でも検査すべきだったとの声。

⑥ 肺腺癌 ・・ 教科書どおり、タバコを吸わない女性にも多い。最初はパチンコ玉のような影に出会うことがあるが、水が貯まってからの発見だと治療がまた異なる。つまりタバコ吸わなくても肺は見ておいて損はないという声。

⑦ 喉頭癌 ・・ この部位もある意味、暗黒大陸。喫煙者が多いので、痰が多いような人は呼吸器だけでなく耳鼻科にも通わせようという声。

⑧ 悪性リンパ腫・縦隔腫瘍 ・・ CTの際、偶然見つかることも。そういう意味では、画像は二重所見チェック体制(主治医と放射線医師、あるいは主治医と別医師)を重視したいとの声。

 やはり、消化器系が圧倒的に多いと思う。呼吸器・循環器では非侵襲的な検査から、比較的ヒントが揃うように思われる。

 確かに人間ドックは有益だ。だが働き盛りだとなかなか暇がない。僕らはせめて、受けたほうがいいと決めた患者に本当に受けてもらうよう勧めるしかない。

落とし穴

2009年9月15日 連載
 30-40代の医師たちへ。院長職の仕事斡旋には、くれぐれも注意したい。それが自然と出た話ならなおさら。この世にタナボタなんてものはない。

 たしかに、平和な日々は続く。みんなに頭を下げられ、鶴の一声で決まる。男院長なら、女にも不自由しない(この意味はかなり深いところにある)。病院名義で自家用車というのも珍しくない。だが、このページを訪れた医師にはお勧めできない。

 なぜこういうネガティブ論を言うかというと、僕の周囲の院長職の人間たちが色々ぼやいているからだ。

・ 医師不足の際、勤務上での最終責任を取らされる。つまり他の職員が嫌がった勤務時間など自分で埋める責任がある。院長は平日勤務で条件づけられることもあるが、名目だけ。

・ 次の候補が見つからない。それまでする義務がある。

・ コスト減のため、目をつむる事項が増えてくる。心を鬼にする。もちろんそれで問題になったら新聞に載る名前は自分。

・ 経営者による業務自体が拡大した場合も、自分が穴埋めしなくてはならない。仕事が増えるから皆で分け合おう、と訴えても、いまどき他の医師は平気で断るという。


 つまり・・・こういうことだ。他の医師が「やらない!」と言ったとき、全てを自分が穴埋めしていかねばいかんのだ。

 以前は病院は、ある医局のミニ階層版だった。だから上がサボれるという利権がった。だがこれからは研修制度・医局離れの影響でバラバラなとこが増える。そういった背景がある。





落とし穴

2009年9月15日 連載

 自分は夜の外来時、帰ることばかり考えているわけではないが・・・やはり疲れると、さああと何分でいよいよ・・と心の準備にかかる。

 夜の外来でも通常の検査は待機状態だが、診療終了のおおよそ30分前が<心ここにあらずモード>になる。というのは、検査待ち時間30分くらいと計算しているからだ。採血がだいたいそれくらい、画像や生理検査はそれ以内。

 たとえば夜診の終了が8時として、7時半過ぎに患者が来たら・・・よほどでなければ検査は延期。あるいは採血だけはしておいて、翌日の診療につなげるなどする。

 なので、インフルエンザ検査するなら診察終了のせめて10分前までに・・・。

 おい、終了間際に受付でウロウロしている医師!お前の気持ちは分かっている!

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