インフルエンザワクチンの独自の情報は得られず。ほとんどが知ってる内容だった。
ただ、スペインかぜ(1918年)つまりこの頃のインフル流行では、幼児・高齢者のほかに死亡のピークが20~40歳代で突出してみられている。季節性の年齢別死亡グラフとここが全く違う。この冬、この年齢層での死亡例も予測されることになる。基礎疾患がなくても重症例が多発するということか。経済の停滞も予測される。
となると、秋の連休~正月は外出は最小限としたい。新型ワクチン接種といえど、効果を考えるとせめてその1ヵ月後まででも要注意。余計な御世話だが、1000円高速でもサービスエリアとか立ち寄るのは避けたい。
ワクチンの優先順位がメディアで伝えられたものの、医療従事者でも国公立が優先ではないかという噂。民間病院は後回しだろうというのがメーカー予測。ワクチンを作るのはメーカーでも、国が買い占めるから。供給は行政からなのでこう予測されている。
新型という名の通り、みな免疫を持ってないから今後患者数が増えるのは明らか。現在のインフルはすべて新型として扱うのがすでに常識。
新型に対するワクチンの打ち方、回数は従来のものに沿う。卵アレルギーへの懸念も同様。
H1N1死亡報告の肺は病態的にはARDS。H5N1での、サイトカインストーム由来のARDS+MOF(多臓器不全)という病態とは区別される。
新聞・テレビの報道は医療に対して素人が<聞きづて>で流しているものなので問題があるという。間違いも多いらしい。医療関係者が記事を直接扱っていると評判なのは、以下の2つ。
・ 日経新聞(日経メディカルも)
・ http://www.nih.go.jp/niid/index.html
ただ、スペインかぜ(1918年)つまりこの頃のインフル流行では、幼児・高齢者のほかに死亡のピークが20~40歳代で突出してみられている。季節性の年齢別死亡グラフとここが全く違う。この冬、この年齢層での死亡例も予測されることになる。基礎疾患がなくても重症例が多発するということか。経済の停滞も予測される。
となると、秋の連休~正月は外出は最小限としたい。新型ワクチン接種といえど、効果を考えるとせめてその1ヵ月後まででも要注意。余計な御世話だが、1000円高速でもサービスエリアとか立ち寄るのは避けたい。
ワクチンの優先順位がメディアで伝えられたものの、医療従事者でも国公立が優先ではないかという噂。民間病院は後回しだろうというのがメーカー予測。ワクチンを作るのはメーカーでも、国が買い占めるから。供給は行政からなのでこう予測されている。
新型という名の通り、みな免疫を持ってないから今後患者数が増えるのは明らか。現在のインフルはすべて新型として扱うのがすでに常識。
新型に対するワクチンの打ち方、回数は従来のものに沿う。卵アレルギーへの懸念も同様。
H1N1死亡報告の肺は病態的にはARDS。H5N1での、サイトカインストーム由来のARDS+MOF(多臓器不全)という病態とは区別される。
新聞・テレビの報道は医療に対して素人が<聞きづて>で流しているものなので問題があるという。間違いも多いらしい。医療関係者が記事を直接扱っていると評判なのは、以下の2つ。
・ 日経新聞(日経メディカルも)
・ http://www.nih.go.jp/niid/index.html
基礎疾患が悪化したとき、<急性増悪>と呼ばれる。基礎疾患というのは今持ってる病気ということになるが、治った過去の病気つまり既往歴の情報も重要になる(特に結核など)。
内科医の自分が、見渡してよくみかける急性増悪は・・・
まず入退院を繰り返していることが多く(増悪してるからなのだが)、
基礎疾患としては
① 肺疾患;特に肺気腫
② 心疾患(慢性心不全);中でも心臓の収縮力が悪い人、進行した弁膜症の人。
③ 腎不全
が多い。では何による増悪が多いかというと、やはり<感染>。インフルエンザかどうかいう以前に、感染だ。その最たるものが肺炎。肺炎は肺がレントゲン上一部白いわけだが、①体の化学物質との戦争で炎症が全体に及んだり(ARDS)、②肺疾患、低栄養、腎不全や止むを得ない過剰な点滴からくる心臓への負荷による水の貯留で(心不全)、いずれもレントゲンの肺が全体的に白くなる。白い所以外が呼吸をする部分と考えると、余計不利な状況が続く。呼吸にダイレクトに関係する部分だけに、死につながる。
なら、やはり急性増悪させない、予防的<予感的な考えがやはり重要だと気づく。熱は出てないか。家族は何か気付いてるか。体重は変わってないか。それ以前に、タバコで肺が汚染されてないか。吸う人は周囲まで汚染してるから、基礎疾患を他人に分からないように植え付けていることになる。きわめて悪質だ。酒や食事面でも同じく考えられないことはない。悪い習慣は何の罪もない孫の代まで感染しやすい。
増悪したとき、主治医が(隠れて)けっこうつぶやく言葉。
「あ~・・・この時だ。この時に来てたらなあ・・・」
内科医の自分が、見渡してよくみかける急性増悪は・・・
まず入退院を繰り返していることが多く(増悪してるからなのだが)、
基礎疾患としては
① 肺疾患;特に肺気腫
② 心疾患(慢性心不全);中でも心臓の収縮力が悪い人、進行した弁膜症の人。
③ 腎不全
が多い。では何による増悪が多いかというと、やはり<感染>。インフルエンザかどうかいう以前に、感染だ。その最たるものが肺炎。肺炎は肺がレントゲン上一部白いわけだが、①体の化学物質との戦争で炎症が全体に及んだり(ARDS)、②肺疾患、低栄養、腎不全や止むを得ない過剰な点滴からくる心臓への負荷による水の貯留で(心不全)、いずれもレントゲンの肺が全体的に白くなる。白い所以外が呼吸をする部分と考えると、余計不利な状況が続く。呼吸にダイレクトに関係する部分だけに、死につながる。
なら、やはり急性増悪させない、予防的<予感的な考えがやはり重要だと気づく。熱は出てないか。家族は何か気付いてるか。体重は変わってないか。それ以前に、タバコで肺が汚染されてないか。吸う人は周囲まで汚染してるから、基礎疾患を他人に分からないように植え付けていることになる。きわめて悪質だ。酒や食事面でも同じく考えられないことはない。悪い習慣は何の罪もない孫の代まで感染しやすい。
増悪したとき、主治医が(隠れて)けっこうつぶやく言葉。
「あ~・・・この時だ。この時に来てたらなあ・・・」
末端(職業上の意味ではないよ)の特徴として先ほどあげたように、ギャンブル癖というのを挙げた。従って、食う金のほうは2の次。そこは末端の<親>が面倒を見る。食費は経費でどうとでもなるので、お互いの利益になる。
この末端が目指すのはもちろん<親>であり、この<親>の生活ぶりを見せつけられることで夢を見ている。外車・時計・手持ち現金は特に効果がある。で、末端はますます頑張る。
頑張っているうちに後輩の末端が入ってくる時期、末端は次のステップに移る。いわゆる末端の子会社化だ。<親>にある程度の信用を得れば、末端はその<子会社>になることができる。実体がなくとも自宅にパソコンがあればなんとかなるようだ。これで末端は経費が使えるようになり暮らしが豊かになるが、少しでもミスれば<親>からすぐにでも切り離される。<親>の一喝だけで鬱になる。
したがって<親>のどんな頼みでも聞くのが生きる条件となり、組織的にはアムウェイ以上、宗教の学会以下か同等のものとなる。
リッチそうに見えるのに多忙で媚を売ってくる人間。こういう<末端>に、情報も何も与えてはいけない。
逮捕された自衛隊員だけでなく、僕らの周囲にも個人情報を狙ってる人間は大勢いる。そう考えると、商品券などのための安易なアンケート記入など控えたい。ああいうのはそれ(個人情報)自体が主要な目的だからだ。
だが、個人情報は何も名簿的なものだけではない。ちょっとした発言・展望など、<明日の株価>に影響しそうな話ならそれだけで価値がつく。
ジャパニーズ・ドリーム(<一攫千金による出世>と自分は定義)を狙う末端たちが暗躍している。ここ大阪はおそらくその末端の密度が、異常に高い。これらの末端には将来のチャンスが全くないため、上澄みでもせっせと掻き集めて色を塗り(価値をつける)、高く売りに出そうとする連中だ。病院でも事務・交渉係に多数いる(特に大阪はひどい)。
未だにルートが不透明なのが、大阪で多発する外国人による空き巣関係(被害状況によると、選んで狙っているのは明らか)。名簿の行きつく先は、つまりその究極の目的は・・・個人・世帯の資産関係と思われる。
こういう末端は、ほぼ例外なくギャンブル由来の借金を抱えている。それには見境ない人間が多く、個人の情報だろうとかまわない。ギャンブル特有のアドレナリンが、彼らには流れているからだ。
そういう末端をどう見抜くか・・・それは<いかにもそうでない>人間というのがヒントだ。
http://www.nhk.or.jp/dodra/saisei/
第一回が8/29放送された。泉佐野市あたりがモデルなのだろう。というより大阪府の集大成的なモデルのようにも思える。ロケ地が門真市なのは(撮影上での)交通の便も関係あるのか。
自治体が国に言われたまま借金を抱えてきて、次年度の予算を前借りした上での会計報告。それももうボロどころか膿まであからさまになり、予算上のリストラを余儀なくされる。
興味深かったのは、削減の対象となるであろうニュータウンの、その計画を阻む者の存在。どこまで描かれるのか分からないが、ニュータウンという一大事業の裏にはいろんな利権がからんでいて、甘い汁を吸おうと待ってる業者・役人が大勢いる。大阪では以前ここでも触れた<彩都>の失敗が記憶に新しい。
病院の中でも経費の削減に関する会議が行われることはあるが、それを一部の部門で<させない>者もいたりして、なかなか不平等がおさまらない(コネなどの複雑な事情)。逆に、増築の話となるとこれもややこしい(銀行や建設関係などいろんな業者の利益がからむため)。
要は、みな今の水準を守るため。みな守りの姿勢で日々戦っている。しかしそれを下げるときがあるとしたら・・?いろいろ応用して考えてみたい。
(以下、コピー)
新型インフル流行 10月にも第1波ピーク クローズアップ2009
09/08/27
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
クローズアップ2009:新型インフル流行 10月にも第1波ピーク
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
全国的に流行の勢いが止まらない新型インフルエンザ。厚生労働省は、集団感染の発生件数は23日までの1週間で前週から2割も増えたと発表した。新学期が始まった直後に休校する学校も相次いでいる。新型インフルはどこまで拡大するのか。流行拡大に伴い、重症患者が増え続けると、医療機関の受け入れが困難になったり、患者同士の接触で感染が広がることも懸念される。
◇沈静化後、第2波も 専門家「春までに3600万人」
「10月が流行第1波のピークかもしれない」。冬とみられていた新型インフル流行のピークが大幅に前倒しになる可能性を、専門家が指摘し始めた。国立感染症研究所の安井良則・感染症情報センター主任研究官は「秋に感染者数が減る要素がない」と説明する。
浦島充佳・東京慈恵会医科大准教授(疫学)によると、過去の新型インフルのパンデミック(大流行)は、流行期入りからピークまで約1カ月半。厚労省は今回、今月21日に流行開始を宣言したためこれを当てはめると 10月にもピークを迎えることになる。厚労省は10月下旬にも新型用ワクチン接種を始める方針だが、ピークに間に合わない恐れが出てきた。しかもこれは第1波のピークで、いったん沈静化した後に第2波があるとの見方も強い。
では最終的にはどこまで拡大するのか。
季節性インフルエンザは毎年、約1000万人が感染し、流行期は12-3月。昨秋-今春に定点医療機関から国立感染症研究所に報告された患者数は、1月19-25日に1施設当たり37・45人に達し流行のピークとされた。これは厚労省が新型流行を宣言する根拠となった8月10-16日の同1・69人(全国患者推定数は約11万人)の約22倍に当たる。
ほとんどの国民は新型ウイルスに対する免疫を持たないため感染は容易に広がり、新型が流行のピークを迎えれば、季節性の数倍規模になるとされる。
東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)は「この冬、必ず日本で大流行する」とし、季節性の3倍以上の規模となり、来春までに国民の約30%、約3600万人が感染すると予測する。浦島准教授は最大約5000万人の感染可能性を指摘。押谷仁・東北大教授(ウイルス学)は「11年春までに約8000万人が感染し、患者は5000万人に達するのではないか」と警鐘を鳴らす。世界保健機関(WHO)は8月、大流行が終わるまでに世界の人口の約3割、約20億人が感染するとの予測を公表した。【江口一、関東晋慈】
◇重症患者対策が急務
新型インフルの症状は季節性とほぼ同じだ。だが感染者が多くなれば、季節性に比べ重症患者も増加するとみられる。
21日朝、救急車が千葉県東部の中核病院、県立東金病院(東金市)に到着した。運ばれたのはぜんそくの既往症を持つ50代の糖尿病の女性。体温は40度、胸の痛みを訴えていた。簡易診断キットでA型インフルと判明、多臓器不全の恐れがあり血圧も低下し始めた。
「新型かもしれない。集中治療が必要だ」。内科医が付き添い、集中治療室(ICU)のある千葉市内の病院へ転院した。女性は5月を最後に通院しておらず、過去1-2カ月の平均的な血糖状態を示すヘモグロビンA1cは10%(正常値は4・3-5・8%)を超えていた。 糖尿病をはじめ腎臓病、心疾患、呼吸器疾患などの持病がある人は、新型インフルに感染すると重症化しやすい「ハイリスク」とされる。
東金病院の平井愛山院長は「非常に厳しい状態だった。流行のピーク時にはICUはどこも満床になるだろう。その時はここで診るしかない」と話す。とはいえ、常勤医師はわずか14人。医師らが感染すれば、十分な診療ができなくなり得る。地域の重症患者発生をできるだけ減らすことを目指し▽ハイリスク者への注意喚起の通知発送▽糖尿病治療中断者の把握と早期受診の勧奨▽ 細菌性肺炎を防ぐワクチン接種--などを始める。
死亡者が出た名古屋市内の病院では、看護師ら6人への感染が疑われた。医療施設では院内感染防止が極めて重要だ。
東京都内の人工透析クリニック。仕切りのない部屋に20床を超えるベッドが並び、腎不全で人工透析を受ける患者でいっぱいだ。治療は4-5時間で週3日ほど。院長は「新型インフルの患者でも透析は中止できないから受け入れる」と話す。
日本透析医学会は5月、新型対策をまとめた。「(感染)患者は約2メートルは離して透析すべきだ」としたが、院長は「ベッドの間隔を広げるのは現実的には難しい。患者にマスクをつけてもらい透析する」と打ち明ける。
国内の透析患者は約28万人。クリニックのほとんどが手狭になっている。亀田総合病院(千葉県鴨川市)の小原まみ子医師(腎臓内科)は「患者の異変に素早く対応するため、透析室には仕切りがない。入室前にスタッフらに伝えてくれれば、透析時間をずらしたり、ついたてで隔てるなど対応ができる」と説明する。
東京大医科学研究所の上昌広特任准教授(医療ガバナンス)は「大学病院や大病院が、空いた個室に重症患者を受け入れやすくするために、国が補助金を出すなどして支援するのも一つの対策だ」と指摘する。【永山悦子、河内敏康】
………………………………………………………………………………………………………
◇重症化を警戒すべき症状(WHOによる)
・休息の間でも息切れする
・呼吸困難
・顔が青白くなる
・たんに色が付いている、血たんがでる
・胸が痛む
・意識もうろう
・3日を超える高熱
・低血圧
子供ではさらに▽息が速い▽注意力欠如▽遊ぶ意欲がない--などを警戒すべき症状に挙げ、急速に悪化する可能性があると注意を促している
(コピー、ここまで)
騒ぎ立てることはないが、確実なことは現場がこれから より忙しくなるということ。患者の数が増えるのはもちろん、夜間の受診も増えるし、重症化で検査をする機会が増え入院も増える。ベッドの高回転も望まれる。もう満床だから、と自分とこだけ守りに入らないようにしたい。
忙しくなると夜間ナースらの人手不足も深刻になり、これだけ忙しかったらコスト出せなど声を出す人間が増えてくる(こういうスタッフが増加中)。そうでなくて、後々のために今できる準備が・・・考えればあるはずだ。
たとえば基礎疾患がある患者の場合それを完治しておく・・なんて無理なことをするのでなく、もし(新型に)かかったとしても最小限の被害に抑える姿勢を持ちたい。当たり前だが、それに今一度、立ち返る必要がある。
基礎疾患がありながら、ろくに検査も受けてないのに「落ち着いてますから(いいです)」とおっしゃる患者もいる。まずは彼らから。
※ お知らせ
来週、ある会議に委員として参加してきます。やや早いワクチン情報を載せる(9/4ごろ)予定です。
新型インフル流行 10月にも第1波ピーク クローズアップ2009
09/08/27
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
クローズアップ2009:新型インフル流行 10月にも第1波ピーク
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
全国的に流行の勢いが止まらない新型インフルエンザ。厚生労働省は、集団感染の発生件数は23日までの1週間で前週から2割も増えたと発表した。新学期が始まった直後に休校する学校も相次いでいる。新型インフルはどこまで拡大するのか。流行拡大に伴い、重症患者が増え続けると、医療機関の受け入れが困難になったり、患者同士の接触で感染が広がることも懸念される。
◇沈静化後、第2波も 専門家「春までに3600万人」
「10月が流行第1波のピークかもしれない」。冬とみられていた新型インフル流行のピークが大幅に前倒しになる可能性を、専門家が指摘し始めた。国立感染症研究所の安井良則・感染症情報センター主任研究官は「秋に感染者数が減る要素がない」と説明する。
浦島充佳・東京慈恵会医科大准教授(疫学)によると、過去の新型インフルのパンデミック(大流行)は、流行期入りからピークまで約1カ月半。厚労省は今回、今月21日に流行開始を宣言したためこれを当てはめると 10月にもピークを迎えることになる。厚労省は10月下旬にも新型用ワクチン接種を始める方針だが、ピークに間に合わない恐れが出てきた。しかもこれは第1波のピークで、いったん沈静化した後に第2波があるとの見方も強い。
では最終的にはどこまで拡大するのか。
季節性インフルエンザは毎年、約1000万人が感染し、流行期は12-3月。昨秋-今春に定点医療機関から国立感染症研究所に報告された患者数は、1月19-25日に1施設当たり37・45人に達し流行のピークとされた。これは厚労省が新型流行を宣言する根拠となった8月10-16日の同1・69人(全国患者推定数は約11万人)の約22倍に当たる。
ほとんどの国民は新型ウイルスに対する免疫を持たないため感染は容易に広がり、新型が流行のピークを迎えれば、季節性の数倍規模になるとされる。
東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)は「この冬、必ず日本で大流行する」とし、季節性の3倍以上の規模となり、来春までに国民の約30%、約3600万人が感染すると予測する。浦島准教授は最大約5000万人の感染可能性を指摘。押谷仁・東北大教授(ウイルス学)は「11年春までに約8000万人が感染し、患者は5000万人に達するのではないか」と警鐘を鳴らす。世界保健機関(WHO)は8月、大流行が終わるまでに世界の人口の約3割、約20億人が感染するとの予測を公表した。【江口一、関東晋慈】
◇重症患者対策が急務
新型インフルの症状は季節性とほぼ同じだ。だが感染者が多くなれば、季節性に比べ重症患者も増加するとみられる。
21日朝、救急車が千葉県東部の中核病院、県立東金病院(東金市)に到着した。運ばれたのはぜんそくの既往症を持つ50代の糖尿病の女性。体温は40度、胸の痛みを訴えていた。簡易診断キットでA型インフルと判明、多臓器不全の恐れがあり血圧も低下し始めた。
「新型かもしれない。集中治療が必要だ」。内科医が付き添い、集中治療室(ICU)のある千葉市内の病院へ転院した。女性は5月を最後に通院しておらず、過去1-2カ月の平均的な血糖状態を示すヘモグロビンA1cは10%(正常値は4・3-5・8%)を超えていた。 糖尿病をはじめ腎臓病、心疾患、呼吸器疾患などの持病がある人は、新型インフルに感染すると重症化しやすい「ハイリスク」とされる。
東金病院の平井愛山院長は「非常に厳しい状態だった。流行のピーク時にはICUはどこも満床になるだろう。その時はここで診るしかない」と話す。とはいえ、常勤医師はわずか14人。医師らが感染すれば、十分な診療ができなくなり得る。地域の重症患者発生をできるだけ減らすことを目指し▽ハイリスク者への注意喚起の通知発送▽糖尿病治療中断者の把握と早期受診の勧奨▽ 細菌性肺炎を防ぐワクチン接種--などを始める。
死亡者が出た名古屋市内の病院では、看護師ら6人への感染が疑われた。医療施設では院内感染防止が極めて重要だ。
東京都内の人工透析クリニック。仕切りのない部屋に20床を超えるベッドが並び、腎不全で人工透析を受ける患者でいっぱいだ。治療は4-5時間で週3日ほど。院長は「新型インフルの患者でも透析は中止できないから受け入れる」と話す。
日本透析医学会は5月、新型対策をまとめた。「(感染)患者は約2メートルは離して透析すべきだ」としたが、院長は「ベッドの間隔を広げるのは現実的には難しい。患者にマスクをつけてもらい透析する」と打ち明ける。
国内の透析患者は約28万人。クリニックのほとんどが手狭になっている。亀田総合病院(千葉県鴨川市)の小原まみ子医師(腎臓内科)は「患者の異変に素早く対応するため、透析室には仕切りがない。入室前にスタッフらに伝えてくれれば、透析時間をずらしたり、ついたてで隔てるなど対応ができる」と説明する。
東京大医科学研究所の上昌広特任准教授(医療ガバナンス)は「大学病院や大病院が、空いた個室に重症患者を受け入れやすくするために、国が補助金を出すなどして支援するのも一つの対策だ」と指摘する。【永山悦子、河内敏康】
………………………………………………………………………………………………………
◇重症化を警戒すべき症状(WHOによる)
・休息の間でも息切れする
・呼吸困難
・顔が青白くなる
・たんに色が付いている、血たんがでる
・胸が痛む
・意識もうろう
・3日を超える高熱
・低血圧
子供ではさらに▽息が速い▽注意力欠如▽遊ぶ意欲がない--などを警戒すべき症状に挙げ、急速に悪化する可能性があると注意を促している
(コピー、ここまで)
騒ぎ立てることはないが、確実なことは現場がこれから より忙しくなるということ。患者の数が増えるのはもちろん、夜間の受診も増えるし、重症化で検査をする機会が増え入院も増える。ベッドの高回転も望まれる。もう満床だから、と自分とこだけ守りに入らないようにしたい。
忙しくなると夜間ナースらの人手不足も深刻になり、これだけ忙しかったらコスト出せなど声を出す人間が増えてくる(こういうスタッフが増加中)。そうでなくて、後々のために今できる準備が・・・考えればあるはずだ。
たとえば基礎疾患がある患者の場合それを完治しておく・・なんて無理なことをするのでなく、もし(新型に)かかったとしても最小限の被害に抑える姿勢を持ちたい。当たり前だが、それに今一度、立ち返る必要がある。
基礎疾患がありながら、ろくに検査も受けてないのに「落ち着いてますから(いいです)」とおっしゃる患者もいる。まずは彼らから。
※ お知らせ
来週、ある会議に委員として参加してきます。やや早いワクチン情報を載せる(9/4ごろ)予定です。
インフルエンザの死亡報告が、神経質なほどに流されている。ただパニックを促す意味であってはならず、そこから読み取るべき情報を分かりやすく(メディアは)差し出すべき。
基礎疾患があればそれがインフルによって増悪し、それらが互いに増悪していくという悪循環を生み出す。糖尿病や心疾患など。
新型インフルエンザだけに限らず炎症を起こすものは高熱を発したり、その炎症が他の臓器に飛び火する恐れがある。たいていの炎症は人間の免疫で長期戦ででも限定的にやっつけれるものだ。が、相手(病原体)が強すぎると一方的に負け続けるし、ましてやこちらの防御に穴(基礎疾患)があればそっちのほうでやられてしまう。
そうなると、強すぎる相手がいるかもしれないとき(今がそのとき!)は、自分の力だけで勝負を挑むのは最初から避けよう、という考え方になる。何らかの入院歴がある人は特に(交通事故とかは別)。
だるくて食欲もなく、その上に高熱。病院は行かずとりあえず市販の薬でみてから・・という段階はあくまで(ほぼ)自力で戦ってるという不透明な状態。自分のことなのだから、とりあえず病院へ行く以外に相談の余地はない。
ただ、なるべく夜間にならんようにしてくれ・・・(きょう、当直です)。
基礎疾患があればそれがインフルによって増悪し、それらが互いに増悪していくという悪循環を生み出す。糖尿病や心疾患など。
新型インフルエンザだけに限らず炎症を起こすものは高熱を発したり、その炎症が他の臓器に飛び火する恐れがある。たいていの炎症は人間の免疫で長期戦ででも限定的にやっつけれるものだ。が、相手(病原体)が強すぎると一方的に負け続けるし、ましてやこちらの防御に穴(基礎疾患)があればそっちのほうでやられてしまう。
そうなると、強すぎる相手がいるかもしれないとき(今がそのとき!)は、自分の力だけで勝負を挑むのは最初から避けよう、という考え方になる。何らかの入院歴がある人は特に(交通事故とかは別)。
だるくて食欲もなく、その上に高熱。病院は行かずとりあえず市販の薬でみてから・・という段階はあくまで(ほぼ)自力で戦ってるという不透明な状態。自分のことなのだから、とりあえず病院へ行く以外に相談の余地はない。
ただ、なるべく夜間にならんようにしてくれ・・・(きょう、当直です)。
かけがえのない価値、それは情報
2009年8月27日 連載病院で勤務していると、根も葉もない噂がどこからかやってきて、職員全体の雰囲気が物々しくなることがある。不安になるとスタッフらは、自信あるものにすがり付く。あるいは我さきに助かろうとする者が出てくる。
具体的には、院長や僕らドクターに巧妙な罠をしかけてくる。
「先生。今度、飲み会しましょう」
そして、囲い込む。
「先生、(僕らは)大丈夫ですよね。(少なくとも僕は)大丈夫ですよね」
で、こちらが適当な返事をしたとする(例:いけるんちゃう?)。
すると、その<情報>は彼らの間でサブプライム的に取引され・・・
「いけるんちゃう」→「大丈夫です」→「絶対大丈夫」→「俺が保証する」→「俺が背負ってやる」→「俺が院長になる」→「そしたら優遇してやる」
やがて一兵卒が医局にやってきて、こんなことを言う。
『先生、給料上がるって本当ですか?』
ええい!都合のいいことだけマッハGo!
具体的には、院長や僕らドクターに巧妙な罠をしかけてくる。
「先生。今度、飲み会しましょう」
そして、囲い込む。
「先生、(僕らは)大丈夫ですよね。(少なくとも僕は)大丈夫ですよね」
で、こちらが適当な返事をしたとする(例:いけるんちゃう?)。
すると、その<情報>は彼らの間でサブプライム的に取引され・・・
「いけるんちゃう」→「大丈夫です」→「絶対大丈夫」→「俺が保証する」→「俺が背負ってやる」→「俺が院長になる」→「そしたら優遇してやる」
やがて一兵卒が医局にやってきて、こんなことを言う。
『先生、給料上がるって本当ですか?』
ええい!都合のいいことだけマッハGo!
薬物・酒などに関する<癖>のニュースが続く。性癖による犯罪も含め、共通しているのは繰り返した上での発覚であり、今後も再発の可能性が十分にあるということ。
彼らの背景にはかなりのストレスがあり、私生活自体に達成感はない。ところが<それ>をすることで日常を超える達成感を味わえる。それ以外は非日常なのでストレスになる。すると達成感を味わう手段は・・・こうして繰り返してきたのだと思われる。
自分の<癖>は何か・・・?以前あれだけファーストフードを否定しておきながらのマック買い、机に向ってすぐの長時間パソコン、手持ち金に達するまでの買い物、「だるい」の口癖、首のコキコキなど。
解決策をいろいろ考えたが、やはりここは<頭を冷やす>こと。旅に出る。パソコンならコンセントを抜いて隔絶する。食いかけたマックを捨てる。本を読み偉人に会う、など。すなわち第三者の自分になる。
それで癖が消えるとは思えないが、クールダウンすることでE=mc2の法則の呪縛(たまったものが突然爆発)からちょっとは逃れることができる。
学会風に締めくくる↓
従いまして、<癖>の要因といいますかその背景としましては、処理できないストレスがあること、それは抱えきれないものであり蓄積されたエネルギーであること。あるいはそれに加えた何らかの因子が存在すること。これに関しましては今後当局で研究を重ねたうえ、またの機会に発表させて頂く次第であります。
おい君、もう卒業だったろ?うまく逃げたね~(by 教授)。
(座長)では私も腹が減ってきましたので、あとの話題は懇親会でご勝手に。
外来でウンザリするほど説得してきたが、よほどのインパクトを与えないと難しい。自分は、いつもこうする(肝障害所見があった場合)。
単純に禁酒令 → 執行猶予1ヵ月ののち再検 → 改善なし → 家族呼び出し+禁酒令 → 執行猶予1ヵ月ののち再検 → 改善なし → 家族呼び出し、処方追加、ここで!
「薬を追加したけど、酒をやめたら(その薬は)やめれるかもしれない。でも飲み続けるなら、薬はどんどん増やさざるをえない。こっちはしたくないんだけど」
と説明 → 執行猶予1ヵ月ののち再検 → 改善なし、処方追加、ここで!
「同じ状態が長引いているが、このケースが長引くと寿命にも影響してくる。たとえ長寿でも不自由な時期が長くなる。そんな生活は、正直つらい」
と、だんだん断定的に。
「うちの親族がいくつも薬飲んでいて、酒をやめたら数値もよくなって今は薬もかなり減らせた。そこまでしなくちゃ、無理だそうです」
と作り話。
「でも○○さん(患者)はまだ取り返しがつく段階。今ならまだ間に合う。でも今しかない」
と、腹部エコーの暗闇で説明し(暗闇で妙な連帯感が生まれる)、
「年取って後悔してきた人らを、僕はかなり見てきましたからね。家族や孫(←ポイント!)にまで迷惑かける。ほら、介護の面とかで」
とナルっぽく。
最後に家族の人に・・・
「ま、要は酒を買わんことじゃないですか」
と責任の一端を。さすがに<小遣い渡すな>とかまでは言えない。
こちらが優柔不断だと、相手は都合のいいように考える。<オレンジロード>の春日恭介みたいなキャラで相手しないよう用心したい。
「そのとき、僕は・・・(画面中央に丸)・・・この人が酒を飲むことが楽しみだと思いつつも、その将来が心配なわけで・・・しかし厳しい言葉を投げかけて嫌われたらどうしようと、心配でもあり・・・でも病院の収益を考えると必ずしも迷惑ではないわけで・・・」
「でも酒は万病のもとであり、そう言いたいんだけど世の中スポンサーらが黙ってないわけで。だから声を小にして言うしかないわけであり・・・それはある意味、ドラッグと同じようなものと思われ・・・それが単に合法なものであるというだけだと思えるわけで・・・」
ええい、はっきりせんか!この男は!
インフルエンザに対する基礎疾患対策は、まず断酒!
といっても一生飲んだらいけないなんて、それはあんまりでもあり・・・
※ 酒の影響
① 脳の委縮(若くてもありうる)
② 潰瘍や食道静脈瘤 → 吐血
③ メタボ
④ 感染が治りにくい、または感染そのもの → 発疹~肺炎など様々
⑤ 糖尿病
⑥ 独特な風貌(黒くフニャアとなった表情)
⑦ 将来、病院にかかったときの同情↓
⑧ 暴力性
⑨ 麻酔が効きにくい
⑩ いざという治療のとき、使いたい薬が(肝障害のために)やむなく見送り
単純に禁酒令 → 執行猶予1ヵ月ののち再検 → 改善なし → 家族呼び出し+禁酒令 → 執行猶予1ヵ月ののち再検 → 改善なし → 家族呼び出し、処方追加、ここで!
「薬を追加したけど、酒をやめたら(その薬は)やめれるかもしれない。でも飲み続けるなら、薬はどんどん増やさざるをえない。こっちはしたくないんだけど」
と説明 → 執行猶予1ヵ月ののち再検 → 改善なし、処方追加、ここで!
「同じ状態が長引いているが、このケースが長引くと寿命にも影響してくる。たとえ長寿でも不自由な時期が長くなる。そんな生活は、正直つらい」
と、だんだん断定的に。
「うちの親族がいくつも薬飲んでいて、酒をやめたら数値もよくなって今は薬もかなり減らせた。そこまでしなくちゃ、無理だそうです」
と作り話。
「でも○○さん(患者)はまだ取り返しがつく段階。今ならまだ間に合う。でも今しかない」
と、腹部エコーの暗闇で説明し(暗闇で妙な連帯感が生まれる)、
「年取って後悔してきた人らを、僕はかなり見てきましたからね。家族や孫(←ポイント!)にまで迷惑かける。ほら、介護の面とかで」
とナルっぽく。
最後に家族の人に・・・
「ま、要は酒を買わんことじゃないですか」
と責任の一端を。さすがに<小遣い渡すな>とかまでは言えない。
こちらが優柔不断だと、相手は都合のいいように考える。<オレンジロード>の春日恭介みたいなキャラで相手しないよう用心したい。
「そのとき、僕は・・・(画面中央に丸)・・・この人が酒を飲むことが楽しみだと思いつつも、その将来が心配なわけで・・・しかし厳しい言葉を投げかけて嫌われたらどうしようと、心配でもあり・・・でも病院の収益を考えると必ずしも迷惑ではないわけで・・・」
「でも酒は万病のもとであり、そう言いたいんだけど世の中スポンサーらが黙ってないわけで。だから声を小にして言うしかないわけであり・・・それはある意味、ドラッグと同じようなものと思われ・・・それが単に合法なものであるというだけだと思えるわけで・・・」
ええい、はっきりせんか!この男は!
インフルエンザに対する基礎疾患対策は、まず断酒!
といっても一生飲んだらいけないなんて、それはあんまりでもあり・・・
※ 酒の影響
① 脳の委縮(若くてもありうる)
② 潰瘍や食道静脈瘤 → 吐血
③ メタボ
④ 感染が治りにくい、または感染そのもの → 発疹~肺炎など様々
⑤ 糖尿病
⑥ 独特な風貌(黒くフニャアとなった表情)
⑦ 将来、病院にかかったときの同情↓
⑧ 暴力性
⑨ 麻酔が効きにくい
⑩ いざという治療のとき、使いたい薬が(肝障害のために)やむなく見送り
大学医局人事から離れる人は増えている。ドクターバンク登録も多いが、これら業者に登録すると後が大変な部分もある。いきなりの転勤を半分強要されたり、長距離引越しを迫られる可能性もある。業者にとって医者は商品。それを実体のないワンフロア事務所で、大してキャリアもない人たちがやっている。マージンで食うしかない人種だ。正直、勧められない。
それはおいといて、それ以外・・つまり個人で病院に面接する際。前にも話題で出したが、まず<末端>が交渉に出てくる。経営側の立場で話す。
まず経営側が押さえたいのは、ローコストであること。義務的な契約を早めに飲んでもらうこと。嫌がらせではないが、医師が去った理由の背景には<無理な勤務>があり、うやむやのうちにでもハッキリさせたい。
この最重要課題を決めるにあたっては、現場の人間ではかえってまずい(核心をついた即答を求めらた場合に不利)。なので現場から遠い<末端>が便利。末端は前もって<これ以上出せない>という提示額、<これは絶対やらせろ>という命令が下される。
不思議と末端は食らいつく。理由はジャパニーズドリーム。すなわち一攫千金だ。
もちろん末端にはやらせる権限などないため、内心は<あわよくば>の心境で臨む。そのドクターについては情報収集がしてある。MRや職場のパラメディカル経由が大きい。妻帯者などは家族構成、車、子供の教育内容もポイントだ。前の年収、性格なども調査済みだ(もちろん簡単に調べられる)。
で、この<あわよくば>交渉で当然のように問題が発生すると、面接場所から出た時点でこの末端から経営者へダイレクトな携帯電話報告が入る。「これはいけて、これは難色示してました」というものだ。
そこで経営者が1歩譲るかどうするかは個人差。ただ、末端が受けた印象がダイレクトに伝わるので、面接を受ける側は決して安心感を与えてはいけない(発言含めて)。それと余分な情報も与えてはいけない。「まあいいですけど」これは禁句!
そして次の面接で、聞こう。「どう、おっしゃってました?」と。それでもかなり不利なものなら、ちょっとキレて動揺させよう(丁寧語で喋っておきながら、途中で<なに?>などと挟む)。性格の悪いやり方だが、相手の会話のペースを乱すのは、腰を折ってリセットするのが一番だ(動揺した人間は、つい思わぬ有益な情報を漏らすこともある)。
やはり渡辺謙のほうがいいか。
「拙者、そちらの提示する条件にて思うところ誠に遺憾であり余りにものお言葉、現在の医療状況厳しいものと相まみえるも(?)、これまで極貧ならびに戦火永劫飲まれていた者としてはそのストレス胃に潰瘍を発生させるほど余りあり、これ従って病院への奉仕どころか体調の異変を来すものなり今一度再交渉を望むところでござりまするこれも武士の情けがあってこそ」
お前が情けをかけて、どうすんだ!
ここ数日大阪の交通網はスカスカで、良い走りができた。救急もある程度覚悟していたが、そこまで(搬送問題で)大変な噂も聞かなかった。こういう雰囲気だと、日ごろ持ち上がっている医局会の話題などが忘れられてしまう。気をつけよう。日本人特有の事なかれ主義である。
夏のボーナスが新しく切られた、という病院は少なかったようだが今はどこも様子見。ただ、医者に関しては今後給料据え置きという考えが支配的になってきた。若年も高齢も、給与体系が通年同じという考えだ。
医局人事の場合は裏で全て決められるが、大学つながりでない場合で交渉する場合、最初に決まった額でずっと続く(減っても増えない)と思ったほうがいい。なので希望通りで決まらなかった場合、見通しは厳しい。だから、特に最初の交渉は末端と絶対にしないこと(するにしても長引かせる)!
自分もこういうことを論じるのはプライドが許さなかったが、譲歩すると経営側がいいようにしかねないので目を光らせている。渡辺謙のように落ち着いた交渉といきたい。
「今回、労働基準法をはるかに上回るほどの過剰な勤務時間、これ減免お願いしたく候、帝におかれましてもさぞ心苦しい心境察しておりつかまつる。ひいてはこの私、医師として役目を全うする意思天地のごとく不動なれども、いかんせんこの体1つにありてスミスの如く複数化できぬゆえ、業務の縮小ならびに待遇の改善を求めるものなり。ここは帝のご慈悲に添い寄りつつ、されどもそれが当院のさらなる発展に寄与するところなり」
うむ、彼ならどういった立場でも切り抜けれそうだ。これこそ理想の総理像にふさわしい。
夏のボーナスが新しく切られた、という病院は少なかったようだが今はどこも様子見。ただ、医者に関しては今後給料据え置きという考えが支配的になってきた。若年も高齢も、給与体系が通年同じという考えだ。
医局人事の場合は裏で全て決められるが、大学つながりでない場合で交渉する場合、最初に決まった額でずっと続く(減っても増えない)と思ったほうがいい。なので希望通りで決まらなかった場合、見通しは厳しい。だから、特に最初の交渉は末端と絶対にしないこと(するにしても長引かせる)!
自分もこういうことを論じるのはプライドが許さなかったが、譲歩すると経営側がいいようにしかねないので目を光らせている。渡辺謙のように落ち着いた交渉といきたい。
「今回、労働基準法をはるかに上回るほどの過剰な勤務時間、これ減免お願いしたく候、帝におかれましてもさぞ心苦しい心境察しておりつかまつる。ひいてはこの私、医師として役目を全うする意思天地のごとく不動なれども、いかんせんこの体1つにありてスミスの如く複数化できぬゆえ、業務の縮小ならびに待遇の改善を求めるものなり。ここは帝のご慈悲に添い寄りつつ、されどもそれが当院のさらなる発展に寄与するところなり」
うむ、彼ならどういった立場でも切り抜けれそうだ。これこそ理想の総理像にふさわしい。
ダイエットで有意差出すには・・・
2009年8月15日 連載いろいろ相談を受けるが、結論としては<食べない>ことと<続く運動>。<食べない>といっても、朝から晩までほとんど食べないという意味ではない。
実際の成功例からすると・・・夕食を食べない。これのみ有意差ありだった。ビールを減らすとかオカズのみとか、<減らす>こと自体がたいてい気休めだ。そう宣言していること自体に、すで甘えがある。
脂肪を減らすためには運動も不可欠だが、毎日の散歩は効果はあると思う。中高年以降で時間があってなら長続きしているが、忙しい人には無理。仕事が終わったらそんな時間もない。天気も常にいいとは限らないし。
Wiiフィットやビリーも最初は楽しいようだが、飽きたらその義務感が不快感になる。当然、長続きしない。
なので仕事場の控え室・ロッカーなどに小さなダンベルを置いて雑談しつつ1日2-3セット、帰宅後にフル入る前の腹筋20回程度。長続きしそうなのが勝ち。あとは通勤をちょっとでも歩行に変換し、浮いた料金を朝・昼ごはん代にまわす。
朝・昼ごはん代が多くなり、量が増すが夕食を避けるならダイエット上問題はない(と自分は結論する)。夕方腹が減ってしんどいかもしれないが、そこは早寝+お茶ペットボトル1本で解決する。朝は腹が減るので早起きになる。
またモデル級か理想体型の人が出てくる番組などを(晩に)鑑賞するのも、熱意を燃やす材料になるそうだ。グラビアアイドルのは?だと思うが・・・
正直ここまでやらないと、自分周囲のスタッフは成功しなかった。だが成功した者はこう喜んでいる。
① 前よりモテだした
② 患者に指導が堂々とできた
③ 服を買うのが楽しくなった
④ おしゃれになった。ファッション雑誌を立ち読みするようになった
⑤ 鏡を見れるようになった(?)
ただ、悪い面もあったようだ。
① 付き合いが悪いと言われた(飲み会など)
② 妻など家族に嫌がられた(妻帯者などの場合)
③ 周囲に人間ドックを勧められた
④ 食べるという楽しみが減った
⑤ 以前着てた服が着れなくなった
相手が多くとも、最大公約数で戦うという戦術
2009年8月13日 連載 病院スタッフは、みな人間関係に悩んでいる。高齢チームは保身に走り、若造は身勝手。保身は集団で攻めてくるし(利害が一致するため)、身勝手は無反応バリヤーではじきかえす。
僕らはおそらく大半がその間であえぐ存在。保身=不変、と無反応=無神経と闘わなくてはならない。しかし、たいていがその闘い方を間違う。
そもそも医者が呆れて去る場合、キレるのがきっかけ。ただそのキレる場所とタイミングを誤る。不変+無神経にキレ続けるとそこは相手の思うつぼで、やがては過激な意見や暴言、相手への否定へと突き進む。相手への否定はシステムの障害をもたらし、自分へとツケが回る。
どうしても医師は学級委員タイプが多く、問題点は指摘するものの人間性レベルまで追求していくところがあり、不本意な多数決によって圧倒される。敵の数が多いほど明白だ。
まず・・・その団体の首領頭をつきとめ、閉鎖した空間に1対1で呼び込む。そこへ中立な第三者を呼ぶ。感情を排し、答えにくい質問に答えさせ、こちらが復唱。第三者によって記録に残す。質問が逸れたり逃げられたりするたび、第三者とともにストップし追及する。
この2対1の関係を作ってしまうことが、相手の快進撃を阻む。
オラはヤン・ウェンリーか?
僕らはおそらく大半がその間であえぐ存在。保身=不変、と無反応=無神経と闘わなくてはならない。しかし、たいていがその闘い方を間違う。
そもそも医者が呆れて去る場合、キレるのがきっかけ。ただそのキレる場所とタイミングを誤る。不変+無神経にキレ続けるとそこは相手の思うつぼで、やがては過激な意見や暴言、相手への否定へと突き進む。相手への否定はシステムの障害をもたらし、自分へとツケが回る。
どうしても医師は学級委員タイプが多く、問題点は指摘するものの人間性レベルまで追求していくところがあり、不本意な多数決によって圧倒される。敵の数が多いほど明白だ。
まず・・・その団体の首領頭をつきとめ、閉鎖した空間に1対1で呼び込む。そこへ中立な第三者を呼ぶ。感情を排し、答えにくい質問に答えさせ、こちらが復唱。第三者によって記録に残す。質問が逸れたり逃げられたりするたび、第三者とともにストップし追及する。
この2対1の関係を作ってしまうことが、相手の快進撃を阻む。
オラはヤン・ウェンリーか?
http://www.nhk.or.jp/dodra/saisei/
ストーリーがかなりバラされているようだが、得意の<大まか斜め読み>で逃げ切った(ぼんやりとした大筋のみとらえた)。放送が楽しみだ。
さて、この<大まか斜め読み>は(自分にとって)英語の論文を読む前に欠かせないもので、後になるほどつまり結論にいくほど味が出るものだ。論文は結論が当然最後にあるので収束するようになっている。
最後に達したところで要約(abstract)を読み返し、すると抜かした内容がどこか意地になる。するとそのうち、どこに何が書いているか漠然とだが分かる。ここで妙な達成感が生まれる。すると眠くなくなり、線を引き始め段落を区切り行間に自分なりに要約した日本語を書く。
これを、日本語の分厚い医学書に応用する。<聞いたら分かるけど>レベルの本を選ぶ。この際、要約+長文形式のものを。さきほどの要領で読む。で、分厚くない本を選ぶ。贅肉が取れた文章に見えて、大地が水を吸収するほど丁寧に読める。
これは、説明会の司会や仲間への説得にすでに応用している。悪用ではないが、何度もこれで乗り切った。
つまり人間は、<とても無理>と思われるものが<あ!そっか!>となった途端、積極的についてくる。すると彼らは放っといてもシャケのように上流に行く。そこで用意しておいた<やや無理>な資料を用意する。
実にローコストだ。しょせん、<一見無理>は<あそっか>の集合体にすぎない。
田舎地方の実態(偏見あり)
2009年8月12日 連載 自分は田舎の出(ある県)だが、ここ10数年でかなり変わった。ただ、どこでも似たような変化のようだ。
特に県自体が田舎(失礼!)のところでは医局支配が強い・・ものの、新手の病院が進出してこない分、やっぱりその県内の医局員でジッツを共食いすることになる。このジッツも減少傾向。
ところが、医者がみな長生きしている(これも失礼!)。爺ちゃん医者だった医者は未だ引退せず、<非常勤>ながら元の肩書きで生かされ、ひい爺ちゃんレベルまで頑張っている!皆、かなり元気。内容は楽で人間ドックなどやる。
当然、若い医者の行く先がかなり制限されていた。行き先がかなり制限され、空くにしても1つずつで「順番は分かっとるやろな」状態だという。
僻地は当然のように科が縮小され、救急を簡単に降ろすなどかなり無責任な状態だ(県の端から中央まで救急車が走ったり)。
しかも、変に仁義ある(医師会支配が強い)世界だけに給与体系は都会より数百万安い。
これではまるで、腐敗した地球連邦軍のようだ。
「まだ終わらん・・か」
特に県自体が田舎(失礼!)のところでは医局支配が強い・・ものの、新手の病院が進出してこない分、やっぱりその県内の医局員でジッツを共食いすることになる。このジッツも減少傾向。
ところが、医者がみな長生きしている(これも失礼!)。爺ちゃん医者だった医者は未だ引退せず、<非常勤>ながら元の肩書きで生かされ、ひい爺ちゃんレベルまで頑張っている!皆、かなり元気。内容は楽で人間ドックなどやる。
当然、若い医者の行く先がかなり制限されていた。行き先がかなり制限され、空くにしても1つずつで「順番は分かっとるやろな」状態だという。
僻地は当然のように科が縮小され、救急を簡単に降ろすなどかなり無責任な状態だ(県の端から中央まで救急車が走ったり)。
しかも、変に仁義ある(医師会支配が強い)世界だけに給与体系は都会より数百万安い。
これではまるで、腐敗した地球連邦軍のようだ。
「まだ終わらん・・か」
知り合いの中にも選挙に出るのは毎年のようにいるが、かねての想像通り、その活動にかける情熱は当たり前だがすさまじい。政治の世界的なことは分からないが、とにかく取り巻きの連中らが凄い。
とにかくもう、夢見ている利権の恩恵に預かるための人間ばかり(当然、かなり下の距離にある)。それが宗教団体ともなると、もはや救いようがないくらいの狂気、狂気、これまた狂気(迷惑な行動をする分、責められると宗教弾圧と称し反撃する)。←ちょっと淀川さんでした!
僻地の病院を経験したことのある者なら、嫌ほど見てきた光景でもある。農家の自民党崇拝(今はどうか知らんが)、トヨタ崇拝も凄かった。
農家の村落には農協という大きな利権がある。これから農業をしようとしている人たちは、その実態をよく把握して臨む必要がある。
なぜ、農家が自ら土地を譲るのか。善意なのか。それとも・・・。
わかりやすい、世の中。
2009年8月12日 連載この社会を、単純に解剖すると・・・
一部の絶対的な利権者。地主、資金潤う大企業、官僚など。社会全体の利益を、まず優先して使う利権がある。
残った少ない利益を、その他大勢が共有、悪く言えば奪い合うことになる。奪い合いは法に触れるので、それを順番に取っていく階層ができていく。上層の階級になるためには、借金・リスク・危機感などそれ相応の代償がいる。
上層以外の大多数が、限られた利益を分けるべくお互いしのぎを削ることになる。争わなくても、他人よりよりよく生きようとする姿勢は明らかだ。自分もこの世界にいる。
上層以外でもその中に階級があり、その境界に発生するものがある。それがやはり<利権>だ。だがその利権は、油断すると奪われかねない。不景気な現代は、その危険が最も大きい。譲ったり任せたりしたら裏切られやすい。
※ ここでいう<利権>は、委ねられた責任ある決定権の意味。
言いたいのは・・・間違っても本来自分が持つべきでない上の<利権>に群がらないこと。これは自分の価値を落とす。自分に与えられた利権が何か見極め、責任もって遂行せよ。
群がる奴らとは・・・選挙で<バンザイ、バンザイ>してる奴らとかが、そうだよ。
真珠会スタッフがはびこる、一室。事務員が数人いる中、そこへ車椅子の男性が押されて入ってくる。
「もう状態もヒー!良くなったのでヒー!退院したいでヒー!」
「いや、まだです」
足津が後ろに立っていた。みな、同じ方向を向いている。カキン、というバットの音が響いた。
「費用を全額カバーしていただくまで、まだ何年もあります。医療制度にも左右されます」
「えーっ?」
「あなたの帰る家も、抵当に入ってて処分済です。家族も同意してます」
「ヒー・・・」
近くで、会長とおぼしき老人。
「いやあ。さすが足津理事。前もって予測を察知し、売りに転じるとは!」
「そんな気がしたのです。このカンがないと、株はやっていけません」
「第六感という奴ですか!」
足津は、リモコンを押した。すると、幅数メートルのシェードがゆっくり天井にまで上がっていき・・・日差しがモロ部屋に入ってきた。
彼らの前の前に拡がった光景は、広大な野球場だった。ホームベースを見下ろす特等席。おそらくこの階の下あたりで実況中継でもしているのだろう。
会長は、グラスをちょっと傾けた。
「まさか、ここが病院だとは誰も思わんでしょうなあ・・・しかし理事」
「はい?」
カキン!とまたヒットが飛ぶ。
「こちらも医者を、自己退職含めて2人失いました。1人は何とかなりましたがあと1人・・・」
足津はいったん座っていたが、立ち上がった。
「心配ありません!」
バサアアッ、とマントのような白衣が彼を包んだ。
野球場では、あらゆる利権のもとで行われている見世物に、みな酔いしれていた。日本の経済的な大打撃まで、あとわずか。間もなく、2002年も終わろうとしていた。
(完)
1ヶ月後・・・真田病院が通常業務に戻った頃。
地下鉄の出口を出て、まだうだる暑さの9月。母親は幼い子供の手を引っ張って、やや急な坂道を登っていった。キョロキョロ見回すが、誰の姿もない。
新築張りの建造部物の一室では、スーツを着たシローが2人の夫婦?とおぼしき姿と激しく会話していた。
「あなた方に相談しても、同じことだ!」
「ほらまた。熱くなる」夫とおぼしき爺さんが、見下げたようになだめる。
「・・・・」
「あなたの性格として、すぐカッとなることが挙げられる。現場でもそれを指摘する声があった」
横の婦人とおぼしき婆さんは情け深い表情で見ている。
「僕は説教をお願いしてるんじゃない。どうにか話をまとめて欲しかった!」
「だが、父親がそういった犯罪に関わった時点で、養育の許可を出すのは不可能なんです」
「犯罪に加担などしていない!」
「証拠はなくとも、奥さまの証言で・・」
「あいつが何を言おうとな!」
シローは怒り狂って、調停の部屋をあとにした。中断した格好だ。
爺さんが出てきた。
「あとで、間もなく奥さまの証言をとります。たとえ彼女の背後に宗教団体があろうと、離婚に伴う子供の養育は安心できる環境が第一です」
「安心だと・・・?」
シローは、下のロビーへと降りた。
「職も失い、仲間も失った。家族への気持ちは変わらない。でも再出発の自信はある・・・なら子供とまた生活できるという、かすかな光の権利をくれ・・・」
眼前に、4つの足が見えた。2本は細く、まだ小学校の子供だ。
「海斗!」
「パパ!パパ!」
ドラマのような感動ではなく、ごくあたりまえの懐かしい再会だった。母親も容認した。一瞬だが、彼らの良かったころの雰囲気だった。
「海斗!このあと、どっか行こう!な!」
「パパが、悪い人をやっつけたって」
「ママが言ったか?いやいや、噂だ。噂。お前は決して、人を傷つけたらいかん。ダメ!」
彼は警察に呼ばれはしたが、これといった容疑までいかなかった。
シローはワイフを見上げた。
「真珠会は、宗教団体と合併したんだってな。正式に」
「ええ・・・」
「松田先生が亡くなって、医療界にも影響がなくなるかと思ったが・・・悪は次から次へと来るね」
彼女は返事しなかった。シローは子供を抱き締めた。
「い・・いやだ!いやだ!もう孤独なんて。孤独っておい分かるかある日・・・思うんだふと電気を消してこのまま僕が自分が知らない間に死んだとして。その死んだことすらほっとかれる。その間、誰が悲しむんだ?そう、こうやって悲しんでほしいと思ってるのが孤独なんだ」
ワイフは困惑した。
「人が見てる・・行かなきゃ」
「恐ろしいことがあったんだ。聞いてくれ。これだけ聞いてくれ。大学病院の医者らが苦しめられたあの1連の事件・・・藤堂という娘のそう、母親のための復讐だ。彼女は父親からウソ教えられてた。大学が殺したと。でも実際は、夫婦仲の悪かった父親が蘇生を拒否した。かわいそうに、そのときの主治医がその誤解で・・・」
「知ってるからそれは・・」
「でな!でな!これが・・・」ポケットから取り出した薄いカルテ。
「外来カルテだよ。この母親が入院する前の主治医・・・」
パラパラ、とめくる。
「ほら見ろ!この主治医は見落としてる。数日前の初診の段階で。風邪だと診断。本人は入院を希望。なのに詳しい検査もせず入院を拒否!この主治医がだよ?ユウ先生なんだよユウ!信じられるか?よりによって犠牲になった女医の、オーベンだ!」
「・・・・・」
「僕はいたく後悔している!なんでこんな人間を助けたんだと!彼は、彼らはまるで今ヒーローじゃないか!その陰でいったい何人が死んだんだ!」
シローは起き上った。
「もう。もうやめよう。僕らが争うなんて。なんなら僕が、今までの自分を否定してもいい。今までは、耐えれば周りが変わると思ってた。でもそうじゃない。まず同じ道を目指さなければ、お互いは変わらないんだ!」
「シロー・・・」ワイフの目が輝いた。
「僕も、一緒に連れてってくれ・・・」
「シロー!」ママと子供は一緒に抱きついた。
シローは力がみなぎった。
「君らを手放してしまって、何のための人生がある・・・!教団だろうとなんだろうと、一緒に行くよ・・・!」
彼らがそのエレベーターに乗ることは、もうなかった。