「よっしゃ聞け!医者をな!1つにまとめるんや!」
(屋根の下)「ほう?1つに?」
「たとえばやな。この町の。大阪の1つの町の医者を。1つにまとめるんや。医師会言うてな。統率すんねや!」
(謙)それは画期的だった。彼は医師会を立案。各病院を統括し、情報共有を行い、その町の医療治安をはかる。常に行き届いた医療サービス。彼らの夢はすでに欧米をはるかに・・
「もうしゃべるな謙!俺のセリフがなくなるやろ!」
(謙)彼は怒って瓦を投げ飛ばした。1枚1枚。屋根の下へ。
「おらおらおら!頭のかったい、医師は石!」(歌?)
(謙)こんな若造がまさか、医師として務まるのか。それは誰しもが思うであろう。彼の修行は3年、そのまま開業。まさに、医師の上にも3年であったことは。子規の俳句でさえも寝返る勢い。いや、むしろ寝首をかかれたも同然。
(屋根の下)「ほう?1つに?」
「たとえばやな。この町の。大阪の1つの町の医者を。1つにまとめるんや。医師会言うてな。統率すんねや!」
(謙)それは画期的だった。彼は医師会を立案。各病院を統括し、情報共有を行い、その町の医療治安をはかる。常に行き届いた医療サービス。彼らの夢はすでに欧米をはるかに・・
「もうしゃべるな謙!俺のセリフがなくなるやろ!」
(謙)彼は怒って瓦を投げ飛ばした。1枚1枚。屋根の下へ。
「おらおらおら!頭のかったい、医師は石!」(歌?)
(謙)こんな若造がまさか、医師として務まるのか。それは誰しもが思うであろう。彼の修行は3年、そのまま開業。まさに、医師の上にも3年であったことは。子規の俳句でさえも寝返る勢い。いや、むしろ寝首をかかれたも同然。
確かに韓国音楽・ドラマが電波で乱入してくるが、不思議と観れてしまう。聞けてしまう。生理的に拒否は働かない。どうやら、その分かりやすさがそうさせるようだ。
ドラマもいたって単純だ。いや、その訳し方がそうなのか。
「料理が」「試験が」「あなたが」内容も日常。抽象的なものがない。でも真剣だ。この単純さと真剣さが、日本人の一部を惹きつけるのか。
KARAの音楽も聴いたが、お約束のような音楽。意外性がなく、不快でもない。嫌味というか、嫌さがない。
だから決して、韓国メディアが全てくだらない、と言い切れない。まるで日本の開業医が存続する理由のようにも思える。
(渡辺謙ふうに)
彼らは単純だ。真剣でもある。ただし、自分の経営にこそである。経営に真剣だからこそ、明日を占うことができる。それが日本の医療を支える原動力であることを、我々は願ってやまない、ことは・・・実に想像に。難くない。
ああ、でも本木が反論しそうだ。
「じゃあ、なんじゃ?開業医がみなタヌキみたいに太ってからに。借金はこさえるわ、女はこさえるわ。2世に病院つがす前に、2号さんにみな取られてまうで?」
(屋根の下のみんな)
「わっはっはっは!」
原発の力は圧倒的だ。いや、原発を推し進める人間たち、組織のその強大さを指して言っている。八ッ場ダムにしても、あまりにも巨大すぎる組織はモラルがどうだろうと、実現にはその手段を選ばない。
今年は、ある意味長年隠してきた日本の<牙>が国民に初めて向けられた年ではなかったか。太平洋戦争に負けても、その後の国民は大事にはされてきた。特に高齢者はその恩恵を得てきたわけだが・・・
大阪でも間もなく瓦礫が運ばれるような話があり、いろんな運動が起こっている。http://no-nukes-hokusetsu.blog.so-net.ne.jp/2011-12-22
瓦礫の処理によって、周囲は確実に被曝する。β線熱傷、癌の症例も増えてくる。国道43号線沿いという喘息の高率発症区域(トラック多い)にできるようだ。なるほど、近いうちここには高速道路も開通する。
皮膚癌でさえも、診断した医療側から放射線との関連を断定するなんて無理だろう。これからも、いっそう早期発見に向けて取り組む姿勢で臨まねばならない。
坂の上・・・をそのまま上る医師もいるだろうが、大多数は下を行くことになる。これは何も墜ちていくという意味ではない。ピークを過ぎた、半ば無理のない姿ということだ。それを誰が責められよう、ラインハルト様。
また改めて述べようと思う。
自分は文章を打ち出すと<トランス状態>になることがある。打つ速度が驚異的に速くなる。目から熱が溢れだす。それは涙ではなく。腕はそれこそ熱を帯び、幻魔大戦のごとき電気をまとう。頭の中の断片が、磁石に集まる鉄鎖のように・・・。
さきほどの坂の上の・・編は、実際に自分が歩んできた生活に基づく。しかし、そのままで体が持つはずもない。これでは戦地に送られる殺人マシーンだ。尊敬はされるだろう。だが尊敬されるということは、誰かの願望を体現しただけのことなのだ。あくまで相手の脳信号の都合に合わせたものであって、それがあるべき姿だと定義はできない。
また改めて述べようと思う。
自分は文章を打ち出すと<トランス状態>になることがある。打つ速度が驚異的に速くなる。目から熱が溢れだす。それは涙ではなく。腕はそれこそ熱を帯び、幻魔大戦のごとき電気をまとう。頭の中の断片が、磁石に集まる鉄鎖のように・・・。
さきほどの坂の上の・・編は、実際に自分が歩んできた生活に基づく。しかし、そのままで体が持つはずもない。これでは戦地に送られる殺人マシーンだ。尊敬はされるだろう。だが尊敬されるということは、誰かの願望を体現しただけのことなのだ。あくまで相手の脳信号の都合に合わせたものであって、それがあるべき姿だと定義はできない。
坂の上の医師 深夜編
2011年12月24日 連載夜10時、消えたはずの同志らがまた1人、また1人と詰所に入ってくる。ある者は医局、ある者は食事、ある者は風呂だった。地元民はこういう点で有利だ。実家がなんでもしてくれる。
さて10時以降、分厚い本を座右に置いての沈黙試合。音のない世界。用のない前頭葉。たまの雑談。されど雑談に過ぎぬ。
重症患者を行き来する。尿が出ない。血圧が上がらない。なぜか、どうしてか。何とかならないのか。疑問は模索へと変わり、思考の袋小路、嘆き、祈りへとも昇華される。その姿はとどまるところを知らない。
やがて疲れ果て、モニター音の子守唄へ。たまにヌッと起き、重症部屋へ。院内でも携帯コールは平気。イライラ君は損をする。やるべきことは結局同じだから。
時代は世間より取り残されつつも、無情に2時、3時へと超越していく。
坂の上の医師 放課後編
2011年12月24日 連載夕方カンファレンス。夕日が差し込む医局はやがて暗くなり、電気がともる。MRによる説明会がやっと昼寝の時間。講演会に出る医師らは足早に去る。
患者の夕食終了を待ちつつ、医局・図書での文献検索。夜の研究のための準備。ある者はバイト、夕方の注射・処置に向かう。
夜7時頃の病棟はナースも夜勤のみで広々。上司らもおらず、末端同士の会話。テンションも高く、狭い世界の中たんたんとカルテ記載。そこでいろんな<難問>と立ち向かう。そこには正解などない分、無限の時間がかかる。
夜9時。いったん解散したかに見えた。
坂の上の医師 午後編
2011年12月24日 連載1時かそれ過ぎに昼食。学食みたいなとこか、弁当。とにかく速い。追われるように食う。エサのように。話すのは基礎・臨床的なこと。
ちょっとダベッたあと・・・「っしゃ!」と1人ずつ上げる重い腰。1人ずつ病棟へ。詰所からの報告を聞くと同時に病棟患者の検査結果。
検査結果を踏まえた上で、ひるの回診。患者への結果報告も兼ねる。新しい処置が必要になった場合、たとえば中心静脈・ドレナージなど各自準備。次々と終わり、ふたたびカルテ整理中にお互いのミニ武勇伝。
一部は午後の手技へ向かう。その間、他病棟へのヘルプや救急患者の受け入れ。別棟のICUがあれば早朝に引き続きそこへも出向く。外科系ドクターがいない時間を狙い、効率よく巡回する。
夕方4時、時間予約のムンテラに入る。みっちり説明したうえ、カルテに事細かに記載する。そのまま大急ぎで夕方のカンファレンスに突入する。
坂の上の医師 午前編
2011年12月24日 連載早朝7時カンファレンス。医師らは各自、実に興味深く症例報告。重症患者についての発表・検討を行う。海外文献も欠かせない。積極的な医者は、目ざといくらいに自分の発表に時間をかける。
カンファレンス終了の8時半、9時の持ち場までの少ない時間に上司への相談を密に行う。上司も用事があったりするから、追っかけながらでも。
9時。持ち場。カテーテル・カメラ手技なら前処置、たいてい予定より2~3例はみ出す。このため予定より早く開始。10時ごろ、ようやく本腰が入る。11時、会社員と同じく頭が冴えてくる。要領が良くなり、終了めざし立て続けの休みなし。
12時は当然過ぎることになる。空腹もあるが、達成感がそれをしのぐ。冴えつづける頭と、単調な繰り返しのパレード。
坂の上の医師 早朝編
2011年12月24日 連載朝5時半に起床。兵卒のごとく着替えし、そのまま出勤。6時に到着(とする)。もちろんこの到着時間を、研修医らが争う。
次々と病棟へ押しかけ。大学研修医なら採血・注射当番に回ることになる。あるいは受け持ち病棟のカルテをドサッとデスクに放り出し、1冊ずつ看護記録を読み漁る。
この時間帯、患者らは次々と起きてくる。医者の眼はもう冴えており、元気に「おはようございます」!体制に入っている。
カンファレンスが始まる7時まで、病棟を回診。1人ずつの部屋を回り、その結果をカルテに記載。持ってきた文献も参考に。他の医者の患者も盗み見。
・・・もう一度、振り返ってみよう。暇な時に時々。
自分から言わせてもらうと、非常に揚げ足取りが多い国・・という一面がよく目立つ。それもピンチなときほど。今年はそういう意味で<国民性>が出た年じゃないか。
医療の世界でも、揚げ足取りが大勢いる。やはり高齢者側に偏る。高齢医者の人口が多いため、政治家は大事にする。高齢医者が恐れているのは、今さら真価を問われることだ。なので欧米のような専門医・実力本位の世界を嫌う。あわよくばそういう学会・<専門医>をいくつも作って箔を与え、おいしいところ(地位・手数料)はいただく。邪魔する者には、一丸となって揚げ足を取る。
こういった世界の中で独立するのはかなり勇気がいることだ。まあでも、高齢医師もリタイアが団塊世代同様にどんどん増えている。でも気の毒なのは、その2世。借金が分かるのは交代後、遺産を受け継いだ後が多い。特に女性関係が多い場合は・・・
自分的な結論。勤務医をまず基盤とせよ。その中なら独立結構(抽象的意味)。開業なら1億貯めて道楽で。それと・・・ハンコは絶対に、押すな!
自分から言わせてもらうと、非常に揚げ足取りが多い国・・という一面がよく目立つ。それもピンチなときほど。今年はそういう意味で<国民性>が出た年じゃないか。
医療の世界でも、揚げ足取りが大勢いる。やはり高齢者側に偏る。高齢医者の人口が多いため、政治家は大事にする。高齢医者が恐れているのは、今さら真価を問われることだ。なので欧米のような専門医・実力本位の世界を嫌う。あわよくばそういう学会・<専門医>をいくつも作って箔を与え、おいしいところ(地位・手数料)はいただく。邪魔する者には、一丸となって揚げ足を取る。
こういった世界の中で独立するのはかなり勇気がいることだ。まあでも、高齢医師もリタイアが団塊世代同様にどんどん増えている。でも気の毒なのは、その2世。借金が分かるのは交代後、遺産を受け継いだ後が多い。特に女性関係が多い場合は・・・
自分的な結論。勤務医をまず基盤とせよ。その中なら独立結構(抽象的意味)。開業なら1億貯めて道楽で。それと・・・ハンコは絶対に、押すな!
電波に一切乗せてないもの
2011年12月10日 連載 最近自分がますます地デジ離れしているのは、<無理なご当地番組>の多さにある。箱根や東北などがやたら特集組まれているが、その背景は十分推測できる。被曝に対する対策などは、一切流されていないのに驚く。もしネット社会がなかったら、それこそ原発のことも知らされなかったのではないか。
そういや震災直後にある程度買いだめておいた缶詰がある。震災後の物流復活後は在庫をどうしようかと迷ったが、今となっては震災前の缶詰は貴重品。むしろ<聖域>みたいなものではないか。
今のところ、関西の健診でやたら白血球の減少が・・という傾向はみられていない。というか、健診はサラリーマン・高齢者のもの。何よりも幼児や学童、妊婦らだ。診察の際に甲状腺も確認する癖はあっても悪くはない。
しかし、実際には甲状腺の異常を指摘するにはそれなりの腫大がないと分からず、若年女性だとただ腫大ぎみなものも多いため正直紛らわしい。採血してもバゼドゥ、甲状腺機能低下がたまに見つかる程度なのが現状だ。
甲状腺癌は医学生時代でも試験勉強ではヤマのようなものではなく、そうとことん詰め込まれる知識はない。正直、Wikipediaでも相当詳しく思える。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E7%99%8C
癌のタイプが4種類くらいなのはそこに載ってる通りで、8割の乳頭部癌は予後が比較的良いとある。しかしチェルノブイリのケースを参考にすると・・・小児の場合はむしろ予後不良なものが多く、早期発見が不可能であるとされる。
http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/coe/jp/activities/elearning/lecture/02-02.html
この1ページの解説前半部だけでも、視聴する価値はある。
以下の検索の上、1項目ずつ吟味していく必要あり。
http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA+%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E7%99%8C+%E7%B5%84%E7%B9%94%E5%9E%8B&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&x=wrt
たぶん、国は何もできない。その前提で考えていかないと、大勢より先には助からない。ギャンブルもメタボも貯金も、年金も。
http://www.kisnet.or.jp/net/sugenoya.htm
ここも、読んでみよう。
そういや震災直後にある程度買いだめておいた缶詰がある。震災後の物流復活後は在庫をどうしようかと迷ったが、今となっては震災前の缶詰は貴重品。むしろ<聖域>みたいなものではないか。
今のところ、関西の健診でやたら白血球の減少が・・という傾向はみられていない。というか、健診はサラリーマン・高齢者のもの。何よりも幼児や学童、妊婦らだ。診察の際に甲状腺も確認する癖はあっても悪くはない。
しかし、実際には甲状腺の異常を指摘するにはそれなりの腫大がないと分からず、若年女性だとただ腫大ぎみなものも多いため正直紛らわしい。採血してもバゼドゥ、甲状腺機能低下がたまに見つかる程度なのが現状だ。
甲状腺癌は医学生時代でも試験勉強ではヤマのようなものではなく、そうとことん詰め込まれる知識はない。正直、Wikipediaでも相当詳しく思える。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E7%99%8C
癌のタイプが4種類くらいなのはそこに載ってる通りで、8割の乳頭部癌は予後が比較的良いとある。しかしチェルノブイリのケースを参考にすると・・・小児の場合はむしろ予後不良なものが多く、早期発見が不可能であるとされる。
http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/coe/jp/activities/elearning/lecture/02-02.html
この1ページの解説前半部だけでも、視聴する価値はある。
以下の検索の上、1項目ずつ吟味していく必要あり。
http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA+%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E7%99%8C+%E7%B5%84%E7%B9%94%E5%9E%8B&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&x=wrt
たぶん、国は何もできない。その前提で考えていかないと、大勢より先には助からない。ギャンブルもメタボも貯金も、年金も。
http://www.kisnet.or.jp/net/sugenoya.htm
ここも、読んでみよう。
患者体内の、戦艦。
ヤン医師、艦橋にて。
「いま、どのへんだっけ?」
「はっ・・・わが現在地が心臓内部ですが、ここでの滞留時間は残りわずか」とレーダー員。
「そろそろ出ないと不整脈か・・・ここなら血液の流れも速く、菌の吸着も防げると思ったんだが」
「患者体内に、多数の免疫細胞出現!その数およそ3万!かけ10の8乗!」
「抗サイトカイン砲、発射!」
「免疫細胞、次々と撤退していきます!」
「いいや、まだだ。免疫応答があったのなら、元を絶たぬ限りそれらはまた動き出す!」
「菌を特定!うわっ・・・これは・・・多剤耐性だ!」
「急いで対抗生剤を作成せよ!」
「急ぎます!あっ・・・胃潰瘍より出血!」
「戦闘機にクリッピングを搭載、止血ビーム装填で出撃せよ!ぐぅ・・・」
「ヤン先生!眠っては・・・!」
「WBC10000以上、CRP 8以上なら起こして・・・ムニャムニャ。感受性に合った抗生剤ができるまでの辛抱だ」
「ヤン先生・・・あ、抗生剤できました!」
「よくやったね。抗生剤全弾発射。全艦隊、これより心臓内部より出撃し末梢の血管拡張へと向かう。他の出血有無もチェックせよ。戦場は敵地ではない。人体そのものだ。みんな。自分の親・子だと思ってやるんだよ」
やること山ほどありますな!人体は宇宙よりも広し!
ヤン医師4 義務と権利
2011年12月4日 連載 師長が根に持ち、仕返しをしてくる。
「ヤン先生。いつも苦情の患者さんが、先生に話を聞きたいと」
「異常がないのに、退院してくれないんだよ。保険が狙いさ」
「はぁ。ここにいらしてますが」
見るからに風体の悪い患者。
「おいヤン先生。これだけ検査をして分からないのに。だるさは変わらん」
「大学病院に紹介するか、通院で」
「バカ野郎!だるさのせいで自由が利かん俺の、この患者の権利を!」
「この前も、外泊してたじゃないですか。それも無断で」
「俺が・・仮病だとでも言うのか?あそこの助手先生はな!納得するまでここにいていいってな!」
「金でも渡したか・・いや何でもない」
「入院は延長だ!」
「わかった。ではこうしよう。1つお願いがあるんだが・・・」
「何だ?」
「あなたの所属する保険会社に面会しなくてはならない。それが条件だ」
「保険屋に?」
「ああそうだ。保険会社には、長期の入院になるその訳を説明しなくちゃいけない」
「そんな決まりが?」
「あるさ。だって主治医だからね」
「うぐ・・」
「主治医であるからにはまず本当のことを話さないとね。外泊歴や・・・」
すっと、白衣から携帯電話。
「すべての言動をね」
「なに?これまでの会話を・・・?」
「その上で、あちらが面倒見てくれるか協議しよう」
「わわ、わかった・・・!くそ!」
ヤン医師は立ち上がった。
「あなたにも患者の権利があるように、こちらにも医師としての権利がある。お互い人としての礼儀を忘れんことだ」
患者は帰っていく。師長が怒る。
「あ~らあの人。明日から働かなきゃいけないなんて。先生も厳しすぎること」
「働くこともまた、人の権利だ。人はいきなり砂漠へ放り出される。世の中そう甘くはないさ。で、そこでどう選択するかどうかが、その人間の価値でもある。そこからは、医師のテリトリーではない」
携帯をしまう。
「あいにく、録音の録音のしかたは知らんのでね」
カッコ過ぎるよ!ヤン先生!
「ヤン先生。いつも苦情の患者さんが、先生に話を聞きたいと」
「異常がないのに、退院してくれないんだよ。保険が狙いさ」
「はぁ。ここにいらしてますが」
見るからに風体の悪い患者。
「おいヤン先生。これだけ検査をして分からないのに。だるさは変わらん」
「大学病院に紹介するか、通院で」
「バカ野郎!だるさのせいで自由が利かん俺の、この患者の権利を!」
「この前も、外泊してたじゃないですか。それも無断で」
「俺が・・仮病だとでも言うのか?あそこの助手先生はな!納得するまでここにいていいってな!」
「金でも渡したか・・いや何でもない」
「入院は延長だ!」
「わかった。ではこうしよう。1つお願いがあるんだが・・・」
「何だ?」
「あなたの所属する保険会社に面会しなくてはならない。それが条件だ」
「保険屋に?」
「ああそうだ。保険会社には、長期の入院になるその訳を説明しなくちゃいけない」
「そんな決まりが?」
「あるさ。だって主治医だからね」
「うぐ・・」
「主治医であるからにはまず本当のことを話さないとね。外泊歴や・・・」
すっと、白衣から携帯電話。
「すべての言動をね」
「なに?これまでの会話を・・・?」
「その上で、あちらが面倒見てくれるか協議しよう」
「わわ、わかった・・・!くそ!」
ヤン医師は立ち上がった。
「あなたにも患者の権利があるように、こちらにも医師としての権利がある。お互い人としての礼儀を忘れんことだ」
患者は帰っていく。師長が怒る。
「あ~らあの人。明日から働かなきゃいけないなんて。先生も厳しすぎること」
「働くこともまた、人の権利だ。人はいきなり砂漠へ放り出される。世の中そう甘くはないさ。で、そこでどう選択するかどうかが、その人間の価値でもある。そこからは、医師のテリトリーではない」
携帯をしまう。
「あいにく、録音の録音のしかたは知らんのでね」
カッコ過ぎるよ!ヤン先生!
「施設より連絡!20名の発熱に呼吸困難!」事務より入電。
「受け入れの余裕は?」とヤン医師。
「5床しか空いてません。救急隊はもうこっちへ向かって・・あと3分!」
「受け入れをOKしたのは?」
「はぁ。なんでも・・・うちの助手先生が受け入れろと」
「自宅からか、やれやれ。そんなに僕を貶めたいかねー。ま。すべての悪は、スタンドプレーが基本だからな」
「救急車、来ます!はえぇよ!」
「慌てるな。想定外は世の常だ。君は早く空床を作る努力をしろ」
「し、しかし・・・」
「それが終わったら、紹介先の施設へ飛んでくれ」
「はっ?」
救急患者の診察。救急室があふれる。
「なるほどな。どうりで・・・別の事務員?空床は?」
「各病棟、1床もゆずりません」
「オーバーベッドなら何とかなるはずだ。軽症患者は外来のベッドへ移すんだ。これは命令だ」
「師長の許可がいります。なら絶望的です」
「師長ね・・はいはい」
外線を、プルルの1回で切る。
「よし!師長は不在だ!連絡がつながらん!」
「えっ?でも・・」
「うーん・・・この病棟に余裕があるな。師長が見つからない今、主導権は私にある。物理的に空けてくれ」
「は、はぁ・・い、いま!師長から折り返しコールが!」
「言っておけ。私は手が離せない」
施設より事務員から連絡。
「いま、着きました。私は何をすれば」
「風呂場か貯水槽の水を、取ってきてくれ。たぶんレジオネラが出るだろう。証拠だよ」
なんとか病床が埋まる。また事務員から携帯へ電話。
「ヤン医師。まだ手が離せないのはどういうことかと助手先生が!」
「まだ手が離せないんだ。前立腺が腫れててね」
神経とは裏腹に、尿線が細いヤン医師だった。これでもってして、施設はレジオネラの隠ぺいの開示を余儀なくされ、長年10年に渡るレジオネラ肺炎発症に終止符を打つことになった。
しかしこのあと、誰にも予想できなかった事態が降りかかろうとは、ヤン医師含め誰も知る由がなかったのである。
気になる気になる!
「受け入れの余裕は?」とヤン医師。
「5床しか空いてません。救急隊はもうこっちへ向かって・・あと3分!」
「受け入れをOKしたのは?」
「はぁ。なんでも・・・うちの助手先生が受け入れろと」
「自宅からか、やれやれ。そんなに僕を貶めたいかねー。ま。すべての悪は、スタンドプレーが基本だからな」
「救急車、来ます!はえぇよ!」
「慌てるな。想定外は世の常だ。君は早く空床を作る努力をしろ」
「し、しかし・・・」
「それが終わったら、紹介先の施設へ飛んでくれ」
「はっ?」
救急患者の診察。救急室があふれる。
「なるほどな。どうりで・・・別の事務員?空床は?」
「各病棟、1床もゆずりません」
「オーバーベッドなら何とかなるはずだ。軽症患者は外来のベッドへ移すんだ。これは命令だ」
「師長の許可がいります。なら絶望的です」
「師長ね・・はいはい」
外線を、プルルの1回で切る。
「よし!師長は不在だ!連絡がつながらん!」
「えっ?でも・・」
「うーん・・・この病棟に余裕があるな。師長が見つからない今、主導権は私にある。物理的に空けてくれ」
「は、はぁ・・い、いま!師長から折り返しコールが!」
「言っておけ。私は手が離せない」
施設より事務員から連絡。
「いま、着きました。私は何をすれば」
「風呂場か貯水槽の水を、取ってきてくれ。たぶんレジオネラが出るだろう。証拠だよ」
なんとか病床が埋まる。また事務員から携帯へ電話。
「ヤン医師。まだ手が離せないのはどういうことかと助手先生が!」
「まだ手が離せないんだ。前立腺が腫れててね」
神経とは裏腹に、尿線が細いヤン医師だった。これでもってして、施設はレジオネラの隠ぺいの開示を余儀なくされ、長年10年に渡るレジオネラ肺炎発症に終止符を打つことになった。
しかしこのあと、誰にも予想できなかった事態が降りかかろうとは、ヤン医師含め誰も知る由がなかったのである。
気になる気になる!
「ヤン先生。未熟な僕が、脳梗塞の発見を見逃してしまい・・」
「ん?あーいや、これは・・・発症からずいぶんと経ってるな」
「以後の処置は問題ないのですが。脳外科のないうちの病院ではこれが精いっぱいで」
「うーん。広い梗塞だし出血の危険もか。よし。脳外科病院に転送しよう」
しゃしゃり出る、さっきの助手。
「ヤン先生!専門病院に送ったら、うちの病院のアラがばれる!家族にも分かったらそれこそ!」
「さきほど僕の言ったことを理解してないようだな。病態が複雑化しつつあり、僕らの経験を越えている。患者の利益を考えれば、よりよい施設に命を託すのは自然な流れでないかな」
「うぐぅ・・・!」
立ち去る助手。さっきの若い医師が歩み寄る。ヤン医師が口を開く。
「家族には僕が話しておく。気を落とすな。なぁに、次診る患者のための修行だと思うんだよ。修行に完成はない。なら今がそのときさ」
「自分が救急車に同乗します」
「まずは。そ、だな」
ユリアン、お茶!
ヤン・ウェンリーの行動で注目すべきは、2歩進んで1歩譲歩することだ。こちらが有利になったとして、周囲が躍進を促す。が、あえてそこで引く。
「ヤン先生。閉塞した冠動脈が開きました。だがあと1本、細いのがある。これもついでに開いておけば」とカテーテル助手。
「いやあ。今日はもうここでやめておこう」
「なんですと?」
「急性期はいったん食い止めた。あと1か所広げた気持ちも分からんではないが、それはあくまでこっちの興味によるものだ。衝動的な興味は、患者の予後を害するものだ」
「うぐぅ・・・!」
「君が論文で珍しい症例を発表したがるのは分かる。だがあくまで患者の利益あっての論文だ。利益あっての処置ではない。終わるぞ。じゃ、いいかな・・・」
「おお、覚えておれ・・・!」
ユリアン、お茶!
自分が日頃、防衛していること
2011年12月4日 連載 医局のスタッフらがいくらいい人間でも、自分が死守する領域がある。それで医療の内容にまで影響があってはならないが。
まず基本は、その病院になるべく長年勤め続けることだ。もう辞めようと思うことは誰でもあるが、確率の問題でそれはどこでも経験すること。なら同じ職場で真っ向から立ち向かい、乗り越えて以後の苦痛を和らげたい。
長年勤めれば患者が増え、何より患者側から「この先生はずっと自分を診てくれるかもしれない」と思われるようになる。すると次の課題は「基本、休まずは早引きしない」。患者側に「この先生はこの日は必ずいる」という安心感を与える。
次は以前に強調したように、サービス的な日を選んで出勤する。夜間当直でもいいし、一番忙しい月曜日の午前外来、土曜日の夕方まで勤務・・・など。特に土曜日などは施設側などからの紹介を受けられると相当信頼が得られる。
これらを、他の医者の追随がなくなるまで徹底する。やはり医師も人間、感謝されないと輝き続けない商売だ。月と地球のようなものか?
こういう助言はネットであちこちにあるがたいてい何かの広告のためか、思想団体によるものだ。一見不快な説教こそ大事にしてほしい。そういう意味では、過去の偉人が書いた本は貴重なものだ。
まず基本は、その病院になるべく長年勤め続けることだ。もう辞めようと思うことは誰でもあるが、確率の問題でそれはどこでも経験すること。なら同じ職場で真っ向から立ち向かい、乗り越えて以後の苦痛を和らげたい。
長年勤めれば患者が増え、何より患者側から「この先生はずっと自分を診てくれるかもしれない」と思われるようになる。すると次の課題は「基本、休まずは早引きしない」。患者側に「この先生はこの日は必ずいる」という安心感を与える。
次は以前に強調したように、サービス的な日を選んで出勤する。夜間当直でもいいし、一番忙しい月曜日の午前外来、土曜日の夕方まで勤務・・・など。特に土曜日などは施設側などからの紹介を受けられると相当信頼が得られる。
これらを、他の医者の追随がなくなるまで徹底する。やはり医師も人間、感謝されないと輝き続けない商売だ。月と地球のようなものか?
こういう助言はネットであちこちにあるがたいてい何かの広告のためか、思想団体によるものだ。一見不快な説教こそ大事にしてほしい。そういう意味では、過去の偉人が書いた本は貴重なものだ。
覚悟があるかないかで
2011年12月4日 連載 よく「病院で働きたい」と相談に来る人が増えている。特に介護系のリクエストが多いんだが、ある程度覚悟して臨む必要がある。
そもそもすぐ職が見つかるということは誰かがすぐ抜けたからであって、簡単に抜けたのはどうしても抜けたい理由があったからだ。病院をすぐ辞めるのはその忙しさというより、居づらさのことが多い。なぜなら居やすいチームにいるなら忙しくとも時間が早く過ぎ、達成感で頑張れるからだ。
原因は上からの嫌がらせが大半だ。たとえばナース側でもできるはずの力仕事も、すべて介護系に回されるのが常。文句を言おうものなら不利に立たされる。仲が一見よくても、いざというとき見下ろされる立場にある。
なので介護系の仕事を始める場合は、仕事しながらも常に勉強して上へのグレードを狙う、もしくは強力なコネを得ていくかの心構えが必要。
なぜかって、今後も人間の性格(特に上ほど)はますます悪くなるばかりだろう、からだ。
そもそもすぐ職が見つかるということは誰かがすぐ抜けたからであって、簡単に抜けたのはどうしても抜けたい理由があったからだ。病院をすぐ辞めるのはその忙しさというより、居づらさのことが多い。なぜなら居やすいチームにいるなら忙しくとも時間が早く過ぎ、達成感で頑張れるからだ。
原因は上からの嫌がらせが大半だ。たとえばナース側でもできるはずの力仕事も、すべて介護系に回されるのが常。文句を言おうものなら不利に立たされる。仲が一見よくても、いざというとき見下ろされる立場にある。
なので介護系の仕事を始める場合は、仕事しながらも常に勉強して上へのグレードを狙う、もしくは強力なコネを得ていくかの心構えが必要。
なぜかって、今後も人間の性格(特に上ほど)はますます悪くなるばかりだろう、からだ。
夜間の救急の受け入れは、救急隊⇒事務当直⇒医師へと連絡が入るのだが・・・実際は救急隊⇒事務当直に連絡が入って、そのあと内密に決められる。内密というのは事務当直⇒医師との相談もあれば、事務当直が独断で決めることも可能だ。
事務当直もそれが仕事といえば直で医師に連絡を入れればそれで済むことなのだが、実際に当直する医師にはいろんなケース・事情がある。専門科の得手不得手、病棟での足取られ、それとその医師の人間性、医師からのアピールに詰所からの圧力だ。
日頃一般スタッフに相当な圧力を加えている病院では、夜間とのギャップが激しい。昼間はあれだけ患者が入ってるのに夜間は断りまくる病院も多い。経営側にとって、夜間は野放し状態だからだ。スタッフらの本音が出る。困ったことに、それが入院患者に向けられることもなくはない。
外来の場合、昼間に行ける人はなるべく昼間のうちに受診しよう。
事務当直もそれが仕事といえば直で医師に連絡を入れればそれで済むことなのだが、実際に当直する医師にはいろんなケース・事情がある。専門科の得手不得手、病棟での足取られ、それとその医師の人間性、医師からのアピールに詰所からの圧力だ。
日頃一般スタッフに相当な圧力を加えている病院では、夜間とのギャップが激しい。昼間はあれだけ患者が入ってるのに夜間は断りまくる病院も多い。経営側にとって、夜間は野放し状態だからだ。スタッフらの本音が出る。困ったことに、それが入院患者に向けられることもなくはない。
外来の場合、昼間に行ける人はなるべく昼間のうちに受診しよう。
バカとの戦いは続く・・・
2011年11月27日 連載大阪市の職員らは、明日からテンションが低いはずだ。コストの見直しが必至だからだ。でも大阪市職員はしぶとい。いろんなところと繋がっている。結局のところいろんな業者(不動産など)がその恩恵で生きている。
僕らも病院で、のほほんと働いてるスタッフに出会う。やはり経営側の事務方に多く、これがすでに経営を圧迫している。しかし意外と口八丁で、議論ではなかなか打ち負かせない。ドクターには市長のような権限は当然ないので、ここはやはりむしろ仕事量を増やして発言権を獲得しなくてはいけない。
この仕事量・・というのは早朝~深夜まで働くことではなく、経営側にとって<苦手な分野>を開拓し口を出させない領域にまで持っていくことだ。彼らは<従来>に慣れてるが新しい利益も欲する。そこが狙いだ。